「出産準備っていつから始めるものなの?」「みんなもう買っているのかな」「でも早すぎて無駄になるのも怖い」——妊娠がわかって少し落ち着いたころ、多くの方がこの疑問にぶつかります。
検索すると「妊娠5〜8か月ごろ」といった目安は出てきます。ただ、その数字だけを見て動くと買いすぎるか、間に合わないかのどちらかになりがちです。
先にお伝えします。出産準備の時期を決めるのは、妊娠月数そのものではありません。「あなたが動ける時期がいつまでか」です。お腹が大きくなれば買い物はつらくなりますし、切迫早産で安静の指示が出れば、その日から外出できなくなります。
この記事では、時期ごとにやることの全体像、産前に買うもの・産後でいいものの分け方、「買わなくてよかった」を減らす考え方、そして費用の目安までを整理します。元看護師で2児の母である私が、公的機関の情報と現場で見てきたことをもとにお伝えします。
ちなみ(元看護師)
出産準備はいつから?——目安は妊娠5〜8か月、ただし理由が大事
一般的な目安と、その根拠
多くの情報が挙げているのは妊娠5〜8か月(16〜31週)ごろという時期です。これには理由があります。
- 安定期に入り、つわりが落ち着いていることが多い——妊娠初期は体調が読めず、買い物どころではない人もいます
- まだお腹が大きすぎず、外出や店での立ち歩きができる
- 赤ちゃんの性別が分かることが多く、迷いが減る
- 妊娠9か月以降は、しゃがむ・持ち上げるがつらくなる
でも、決め手は月数ではありません
この目安には大きな前提があります。「妊娠経過が順調で、自由に動ける」場合の話だということです。
現場で見てきて思うのは、準備が間に合わなかった方の多くは、計画を立てていなかったのではなく、動けなくなったということです。
- 切迫早産で安静の指示が出た——「家で安静に」と言われた日から、買い物には行けません
- 管理入院になった——そのまま出産まで病院で過ごすこともあります
- つわりが長引いた(後期まで続く方もいます)
- お腹の張りが強く、外出が制限された
- 上の子の行事や病気で、自分の時間が取れなくなった
どれも、事前に予定できるものではありません。
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だから「動けるうちに終わらせる」が正解になります
つまり時期の目安は「早めに越したことはない」方向に倒すのが安全です。ただし、早く「買う」のではなく、早く「決めておく」。ここが分かれ目です。
この記事では、調べる・決める・下見すると、実際に買う・置くを分けて考えていきます。前者は早いほどよく、後者は無駄が出やすいためです。
週数がいまひとつピンとこない方へ
「妊娠◯か月」と「◯週」が混ざると計画が立てにくくなります。週数と月数の対応は、こちらで確認しておくと以降が読みやすくなります。
妊娠週数の数え方|受精より2週早いのはなぜ?週数↔月数の早見表・出産予定日まで元看護師が解説

妊娠月数別|いつ何をするかの全体マップ
やることを時期ごとに並べます。「買う」より先に「決める・調べる」が来ることに注目してください。
妊娠初期(〜4か月/15週)|手続きと体調が最優先
この時期は、買い物より制度と情報です。体調が読めない時期なので、無理はしないでください。
- 母子健康手帳を受け取る——妊娠が確認できたら市区町村に妊娠届を出します。健診の補助券もここで受け取ります
- 産む場所を考えはじめる(里帰りするかどうかも含めて)
- 職場への報告と、産休・育休の見通しを立てる
- 加入している健康保険や自治体の制度を確認しておく
妊娠5〜6か月(16〜23週)|下見と情報収集の時期
安定期に入り、動きやすくなる時期です。ここで「何を買うか」を決めてしまいます。
- 産院の入院案内を読む——何が用意されていて、何を持参するのかが書いてあります。これを読まずに買うと確実に重複します
- ベビー用品の下見(実物を見て大きさや使い勝手を確認)
- お下がり・レンタルで済むものを家族に確認する
- 大型のもの(ベビーベッド・チャイルドシート・ベビーカー)を検討しはじめる
- 里帰りするなら、受け入れ先の産院に連絡・分娩予約
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妊娠7〜8か月(24〜31週)|買う・そろえる時期
ここが購入のピークです。お腹はまだそこまで大きくなく、体力もあります。
- 肌着・おむつ・お世話用品など、消耗品以外を買いそろえる
- 大型のもの(ベビーベッド・チャイルドシート)を購入・設置
- 赤ちゃんの寝る場所を決めて、家具の配置を変える
- 洗って干しておく(肌着・タオル・ガーゼ)
- バースプランを書く(産院から渡されることが多い時期です)
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妊娠9か月(32〜35週)|荷物をまとめる時期
お腹が大きくなり、しゃがむのがつらくなってきます。買い足しより、まとめる作業に移ります。
- 陣痛バッグ・入院バッグを完成させる
- 連絡と移動の段取りを決める(誰にどう連絡し、どうやって病院へ行くか)
- 立ち会いをどうするか、産院に確認して決めておく
- 上の子の預け先を複数用意する
- 里帰りするなら、この時期に移動
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臨月(36週〜)|整えるだけ
国立成育医療研究センターなどが示しているとおり、正期産は妊娠37週0日からです。この時期に入れば、いつ陣痛が来ても不思議ではありません。
ここでの新規購入は前提にしないでください。やるのは、置き場所の共有、退院後の生活の想定、家事のストック作りくらいです。
産前に買うもの・産後でいいものを分ける
ここがこの記事のいちばん実用的な部分です。「出産準備リスト」に載っているものを全部そろえる必要はありません。
退院日に絶対に必要なもの——実はひとつだけ
意外に思われるかもしれませんが、退院のその日になければ困るものは、ほとんどありません。ただし例外があります。
つまり車で退院する予定なら、チャイルドシートは「あったほうがいいもの」ではなく「ないと退院できないもの」です。取り付け方の確認まで含めて、産前に済ませてください。
タクシーで帰る場合は義務の対象外ですが、その後の通院や外出を考えると、いずれ必要になります。
産前にそろえておきたいもの
- 肌着(短肌着・コンビ肌着など)——洗い替えを含めて数枚。洗って干しておく
- おむつ・おしりふき——新生児サイズは少なめに(すぐサイズアウトします)
- 沐浴の用意(ベビーバス・ベビーソープ・ガーゼ)
- 寝る場所(ベビーベッド・布団)
- 体温計・爪切り・綿棒
- チャイルドシート(車がある場合)
- ミルク・哺乳瓶(母乳の出方は産んでみないと分かりません。最低限だけ用意しておくと安心です)
産後に買っても間に合うもの
- ベビーカー——新生児期はほとんど外出しません。1か月健診が終わってからで間に合います
- 抱っこひも——体型や使い勝手の好みが産後に変わります。試着してから買うほうが失敗しません
- おむつの2サイズ目以降
- ミルク・哺乳瓶の買い足し(母乳の状況が分かってから)
- 離乳食の用具(数か月先です)
- おもちゃ・絵本
- ベビー服のサイズ違い
「産後は買い物に行けないのでは」と心配になりますが、いまはネットで届きます。むしろ、産後に必要だと分かってから買うほうが的中率は高くなります。
借りる・もらうで済むもの
使う期間が短いものほど、買わずに済ませる価値があります。
ベビーベッド、ベビーバス、体重計、バウンサー——このあたりは、レンタルやお下がりが向いています。自治体によっては貸し出しをしているところもあります。

出産準備リスト|品目と数の目安
具体的な品目と数を挙げます。ただしこの表を鵜呑みにせず、必ず産院の入院案内と突き合わせてください。重複がいちばんの無駄になります。
数は「まず用意する量」です。足りなければ産後に買い足せばいいという前提で、少なめに書いています。
赤ちゃんの衣類
| 品目 | 目安 | メモ |
|---|---|---|
| 短肌着 | 4〜5枚 | 1日に何度も着替えます。洗い替えを見て調整 |
| コンビ肌着(長肌着) | 3〜4枚 | 季節で厚みを変える |
| ツーウェイオール・カバーオール | 2〜3枚 | 新生児期は外出が少ないので少なめで足ります |
| ガーゼハンカチ | 10枚前後 | 沐浴・授乳・吐き戻しと出番が多い |
| おくるみ・アフガン | 1〜2枚 | 退院時にあると安心。バスタオルで代用も可 |
| スタイ(よだれかけ) | 産後でよい | よだれが増えるのは生後3か月ごろから |
肌着は水通し(一度洗って干すこと)をしてから使います。これは産前にやっておく作業のひとつです。
おむつまわり
| 品目 | 目安 | メモ |
|---|---|---|
| 紙おむつ(新生児サイズ) | 1パックだけ | 体格によってすぐサイズアウトします。産院で使ったものを参考に買い足す |
| おしりふき | 2〜3パック | 減りが早いので多めでも無駄になりにくい |
| おむつ替えシート | 1枚 | バスタオルで代用可 |
| おむつ用ごみ箱 | 産後でよい | においが気になってから検討で間に合います |
授乳・ミルク
ここはいちばん「産んでみないと分からない」領域です。母乳の出方は個人差が大きく、事前に予測できません。
| 品目 | 目安 | メモ |
|---|---|---|
| 哺乳瓶 | 1〜2本 | 母乳だけになる可能性もあるので少なめに |
| 粉ミルク・液体ミルク | 小さいもの1つ | 産院で使っていたものに合わせるのが無難 |
| 哺乳瓶の消毒用品 | 1セット | 鍋で煮沸する方法もあります |
| 母乳パッド | 1袋 | 母乳の量が分かってから買い足す |
| 授乳クッション | 1つ | あると姿勢が楽になります。クッションで代用も可 |
沐浴・ケア
| 品目 | 目安 | メモ |
|---|---|---|
| ベビーバス | 1つ | 使う期間は1か月ほど。レンタルや衣装ケースで代用する方も |
| ベビーソープ | 1本 | 泡で出るタイプが片手で使えて楽 |
| 沐浴用ガーゼ・バスタオル | 2〜3枚 | 大人用のバスタオルで足ります |
| ベビー用体温計 | 1本 | 健診や発熱時に必要 |
| ベビー用つめ切り | 1つ | 新生児でも爪は伸びています |
| 綿棒・保湿剤 | 各1 | 保湿は産院ですすめられたものに合わせても |
寝る場所
| 品目 | 目安 | メモ |
|---|---|---|
| ベビーベッド or ベビー布団 | 1つ | 使う期間が短いのでレンタル・お下がりが向きます |
| 防水シーツ・敷きパッド | 2枚 | 吐き戻しやおむつもれで洗い替えが要ります |
| 掛けるもの | 1〜2枚 | 厚い掛け布団は使いません。顔にかかると危険なため、スリーパーなどが安全です |
赤ちゃんの寝床には、やわらかい枕・ぬいぐるみ・厚い布団を置かないのが基本です。安全な眠りについては、こちらでまとめています。
産褥期とは?いつまで続く?体の変化・過ごし方・働ける時期まで元看護師がまるごと解説
おでかけ
| 品目 | 目安 | メモ |
|---|---|---|
| チャイルドシート | 産前に1つ | 車で退院するなら必須。取り付け確認まで済ませる |
| ベビーカー | 産後でよい | 1か月健診後からで間に合います |
| 抱っこひも | 産後でよい | 試着してから買うほうが失敗しません |
| マザーズバッグ | 産後でよい | 手持ちのリュックで足りることが多い |
ママの産後用品
赤ちゃんのものばかりに気を取られて、自分のものが抜ける方が多いところです。
| 品目 | 目安 | メモ |
|---|---|---|
| 産褥ショーツ | 2〜3枚 | 入院セットに含まれる産院が多い。案内を確認してから |
| 産褥パッド | 案内に従う | 同上。悪露の量には個人差があります |
| 授乳しやすい下着・服 | 2〜3枚 | 前開き・授乳口つき |
| 骨盤ベルト | 1つ | 産院で指導を受けてからでも間に合います |
| 悪露用のナプキン(多い日用) | 1〜2袋 | 退院後に使います |
入院中に持っていくものの詳しい中身は、陣痛バッグ・入院バッグの記事にまとめています。
「買わなくてよかった」を減らす考え方
出産準備の後悔でいちばん多いのが買いすぎです。減らすためのコツを挙げます。
まず産院の入院案内を読む
これが最優先です。産院で用意されているものを買ってしまうのが、最大の無駄だからです。
産褥ショーツ、産褥パッド、おむつ、ミルク、赤ちゃんの肌着——これらが入院セットに含まれている産院は少なくありません。案内をもらったら、買い物リストと突き合わせてください。
新生児サイズは「少なめ」が正解
新生児期は驚くほど短いです。肌着も、おむつの新生児サイズも、あっという間に使えなくなります。
とくにおむつは、1パックだけ買って、赤ちゃんの体格を見てから買い足すのが確実です。産院で使っていたものが合っていれば、それを続ける手もあります。
「便利グッズ」は産後に判断する
おむつ用のごみ箱、ミルクを作る機械、寝かしつけのグッズ——これらは「必要になるかどうかが赤ちゃんによる」ものです。
よく寝る子には寝かしつけグッズは要りませんし、母乳だけならミルクの道具は使いません。困ってから買うで十分間に合います。
セットで買わない
「出産準備セット」としてまとめて売られているものは、割安に見えますが、使わないものが混ざりがちです。
とくに産院で用意があるものと重複しやすいので、案内を読んでから中身を確認してください。
「早すぎ」を心配する必要はある?
「出産準備が早すぎると縁起が悪い」といった話を聞くことがありますが、医学的な根拠はありません。
実際の問題は縁起ではなく、早く買いすぎると、その後に「もっといいもの」を見つけて買い直しになることです。だから調べるのは早く、買うのは決めてからという順番になります。
ちなみ(元看護師)
出産準備にかかる費用の考え方
金額は住んでいる地域や選ぶ品物で大きく変わるため、「いくら」と断言できる数字はありません。ただ、費用を考えるときの枠組みはお伝えできます。
3つに分けて考える
- 妊婦健診の費用——自治体から補助券が交付されます。全額が無料になるとは限らず、差額が出ることがあります
- 分娩・入院の費用——産院や部屋のタイプで変わります。出産育児一時金の制度があり、多くは産院が直接受け取る形(直接支払制度)が使えます
- ベビー用品などの準備費用——この記事で扱っている部分。ここは工夫で減らせます
分娩費用や出産育児一時金については、加入している健康保険と厚生労働省の案内で確認してください。
自治体の支援も確認する
自治体によって、出産・子育てに関する給付や、ベビー用品の貸し出し、産後ケアの助成などがあります。母子健康手帳を受け取った窓口で確認しておくと、買う前に判断できます。
減らせるのは「準備費用」の部分
分娩費用は選べる幅が限られますが、ベビー用品は工夫で大きく変わります。レンタル、お下がり、産後に買う——この3つを使うだけで、かなり圧縮できます。
季節で変わること
生まれる季節によって、産前にそろえるものが変わります。
夏生まれ
肌着は薄手のものを中心に。汗をかくので着替えの回数が増え、洗い替えが多めに要ります。
エアコンは必須なので、産前に動作確認と掃除をしておいてください。いざ使おうとして動かない、という事態は避けたいところです。
冬生まれ
厚手の肌着や、退院時に着せるおくるみが必要になります。ただし着せすぎには注意が必要です。赤ちゃんは体温が高く、汗をかきやすいためです。
室内の乾燥対策(加湿)も、産前に用意しておくと安心です。
季節の変わり目に生まれる場合
買いすぎに注意が必要なのはこのケースです。生まれてすぐの季節と、1〜2か月後の季節が違うためです。
生まれる時期の分だけそろえて、あとはサイズと季節を見てから買い足すほうが確実です。
見落とされがちな「家の準備」
ベビー用品ばかりに目が行きますが、産後の生活を支えるのは家の側の準備です。ここは意外と抜けます。
赤ちゃんの居場所と、動線
寝る場所、おむつを替える場所、着替えの置き場所。これを産前に決めて、実際に動いてみてください。
とくに大事なのは高さです。産後は床にしゃがむのがつらい時期があります。立ったまま、または座ったままお世話ができる高さにしておくと、体がかなり楽になります。
自分が動けない前提で組む
産後しばらくは、体が回復していません。悪露が続き、傷が痛み、睡眠は分断されます。「産んだら元通りに動ける」という前提で家を整えると、確実に困ります。
産褥期とは?いつまで続く?体の変化・過ごし方・働ける時期まで元看護師がまるごと解説
家事のストックを作る
- 冷凍できるおかずを作っておく
- 日用品(トイレットペーパー・洗剤など)をまとめて買っておく
- ネットスーパーや宅配に登録しておく(産後に登録作業をする余裕はありません)
- 大掃除・模様替えは産前に終わらせる
- ゴミの出し方・洗濯機の使い方を家族と共有しておく
家族と共有する
準備したものは、どこに何があるかを家族が知っていないと意味がありません。陣痛バッグの置き場所、赤ちゃんの肌着の場所、産院の連絡先。
「私が分かっていればいい」と思っていると、あなたが動けないときに家が回らなくなります。

2人目以降の場合
上の子がいる場合、準備の中身が変わります。
買うものは減ります
肌着やお世話用品は、上の子のものが使えることが多いです。まず家にあるものを確認してから、足りないぶんだけ買ってください。
ただしチャイルドシートは使用期限や安全基準が変わっていることがあるので、確認しておいてください。
増えるのは「上の子の段取り」
- 陣痛が来たときの預け先——夜中・早朝も想定して複数用意する
- 入院中の生活(誰が保育園の送迎をするか)
- 上の子への説明(赤ちゃんが来ること、ママが数日いなくなること)
- 上の子の赤ちゃん返りへの心づもり
準備が進まない最大の理由が「上の子がいて買い物に行けない」ことなので、ネットで完結させる前提で組むほうが現実的です。
動けなくなるリスクは高くなります
上の子の抱っこや送り迎えがあるぶん、お腹の張りが出やすくなる方もいます。1人目のときより早めに動いておくくらいでちょうどいいと思います。
ケース別|帝王切開・里帰りの場合
帝王切開が決まっている場合
予定帝王切開なら入院日が決まっているぶん、計画は立てやすくなります。ただし準備の中身は少し変わります。
- 入院期間が長め——経腟分娩より数日長くなるのが一般的。着替えやタオルの数が増えます
- 傷にあたらない服——おなかを締めつけないゆったりしたものを。ウエストにゴムがくる服は避けます
- 産後すぐは起き上がるのがつらい——手の届く範囲に物を置ける準備を。ストロー付きのボトルが役に立ちます
- 退院後も抱っこがつらい時期がある——家のお世話スペースの高さをより意識しておく
- 骨盤ベルトの位置が傷と重なることがあるので、産院に確認
帝王切開とは?流れ・痛みはいつまで・入院期間や費用を元看護師が解説
里帰り出産の場合
準備するものが2か所に分かれるのが最大の違いです。
実家に送るもの、自宅に残すもの、入院に持っていくもの。移動の時期(多くは妊娠9か月ごろ)までに、送るぶんを終わらせておく必要があります。
また、大型のものを実家に置くのか自宅に置くのかは先に決めてください。ベビーベッドを両方に用意するのは現実的ではないので、実家ではレンタルを使う方が多いです。
帰省先の産院への連絡や分娩予約は、思っているより早い時期に必要になることがあります。
里帰り出産とは?いつ帰る・いつ戻る・手続き・お礼まで元看護師が解説
産院・自治体に確認しておくことリスト
買い物より先に済ませておくと、あとの判断がすべて楽になります。
産院に確認すること
- 入院セットに何が含まれるか(産褥ショーツ・パッド・おむつ・ミルク・肌着・タオル)
- 入院期間の目安(経腟分娩/帝王切開)
- 持参が必要なもの・持ち込めないもの
- 母子同室か、新生児室で預かるか
- 立ち会いの可否と条件
- 面会のルール
- 入院費用の目安と支払い方法(直接支払制度を使うか)
- 陣痛が来たときの連絡先と、連絡するタイミング
自治体に確認すること
- 妊婦健診の補助券の使い方(里帰り先で使えるか)
- 出産・子育てに関する給付の有無と申請時期
- 産後ケア事業の内容と申し込み方法(産前に申し込みが必要な自治体もあります)
- ベビー用品の貸し出しがあるか
- 出生届の提出先と期限、あわせて必要な手続き
とくに産後ケア事業は「産後につらくなってから調べる」のでは遅いことがあります。産前に申し込み方法まで確認しておいてください。
準備が間に合わないときの逃げ道
予定より早く生まれることもあります。そのときのために、逃げ道を知っておいてください。
入院中に必要なものは、あとから届けられます
入院してから足りないものが出ても、家族が届けられます。だからこそ、置き場所の共有が効いてきます。
産院で借りられるものがあります
産院によっては、足りないものを貸してくれたり、売店で購入できたりします。「持っていかなければ入院できない」というものは、実はほとんどありません。
退院までに用意すればいいもののほうが多い
赤ちゃんの肌着も、おむつも、寝る場所も、退院の日までにあれば大丈夫です。入院期間は数日あるので、その間に家族が整えることもできます。
唯一、退院当日に必要なのが車で帰るならチャイルドシートです。ここだけは前倒しにしてください。
ネットで届きます
産後に動けなくても、注文はできます。ネットスーパーや通販の登録だけ産前に済ませておくと、あとは寝たままでも買えます。
ちなみから|間に合わなくても、どうにかなります
看護師時代、入院してきた方が「準備が終わっていなくて」と焦っているのを何度も見ました。予定より早く生まれた、切迫早産でそのまま入院になった——理由はさまざまです。
でも、どの方も無事に退院していきました。足りないものは家族が届けてくれますし、産院で貸してもらえるものもあります。
私自身も、上の子のときは張り切って早くからそろえて、結局使わなかったものがたくさんありました。下の子のときは逆に「産後に買えばいい」と割り切ったら、必要なものだけが残りました。
準備でいちばん大事なのは、完璧なリストではなく、あなたが動けるうちに、動けなくなったときのことを決めておくことだと思います。
ちなみ(元看護師)
まとめ|時期を決めるのは月数ではなく「動けるうちか」
- 一般的な目安は妊娠5〜8か月。ただし決め手は月数ではなく、切迫早産の安静指示・管理入院・つわりの長期化でいつ動けなくなるか分からないという前提
- 「調べる・決める・下見する」は早く、「買う」は決めてから。この順番が買いすぎと買い直しを防ぐ
- 時期別の流れは、初期=手続き/5〜6か月=下見と決定/7〜8か月=購入と設置/9か月=荷物をまとめる/臨月=整えるだけ
- 車で退院するならチャイルドシートは義務。6歳未満の幼児は使用が義務づけられており、新生児も例外ではない。「ないと退院できないもの」として扱う
- ベビーカーと抱っこひもは産後で間に合う。新生児期はほとんど外出せず、抱っこひもは試着してからのほうが失敗しない
- 買いすぎを減らす最短ルートは産院の入院案内を先に読むこと。産褥ショーツ・パッド・おむつ・ミルクが含まれている産院は少なくない
- 新生児サイズは少なめに。おむつは1パックだけ買って体格を見てから買い足す
- 「早すぎると縁起が悪い」に医学的な根拠はない。実際の問題は買い直しのほう
- ベビー用品より抜けやすいのが家の準備。とくにお世話の高さと、家族との置き場所の共有
出産準備は、正解のリストを埋める作業ではありません。あなたが動けなくなったあとも、家と赤ちゃんが回るようにしておく作業です。
今日できるいちばん確実な行動は、産院からもらった入院案内を開いて、何が用意されているかを確認することです。買い物リストは、そのあとに作れば十分間に合います。
よくある質問(出産準備|FAQ)
Q出産準備はいつから始めればいいですか?
A.一般的な目安は妊娠5〜8か月ごろです。安定期でつわりが落ち着き、まだお腹が大きすぎず動ける時期だからです。ただし決め手は月数ではありません。切迫早産で安静の指示が出たり管理入院になれば、その日から買い物には行けなくなります。事前に予定できないことなので、「調べる・決める・下見する」は早めに、「実際に買う」は決めてから、という順番で進めるのが安全です。
Q出産準備が早すぎると縁起が悪いというのは本当ですか?
A.医学的な根拠はありません。実際に起きやすい問題は縁起ではなく、早く買いすぎたあとに「もっといいもの」を見つけて買い直しになることのほうです。そのため、情報収集や下見は早く進めて構いませんが、購入は何を買うか決めてからにすると無駄が減ります。
Q産後に買っても間に合うものはありますか?
A.ベビーカーと抱っこひもは産後で間に合うことが多いです。新生児期はほとんど外出しないため、ベビーカーは1か月健診が終わってからでも困りません。抱っこひもは体型や使い勝手の好みが産後に変わるので、試着してから買うほうが失敗しません。ほかにミルクや哺乳瓶の買い足し、おむつの2サイズ目以降、離乳食の用具、おもちゃなども産後で十分です。
Q退院の日に絶対必要なものは何ですか?
A.車で退院する場合のチャイルドシートです。道路交通法により6歳未満の幼児を車に乗せるときはチャイルドシートの使用が義務づけられており、新生児も例外ではありません。取り付け方の確認まで産前に済ませてください。タクシーで帰る場合は義務の対象外ですが、その後の通院や外出でいずれ必要になります。
Q「買わなくてよかった」を減らすにはどうすればいいですか?
A.まず産院の入院案内を読むことです。産褥ショーツ、産褥パッド、おむつ、ミルク、赤ちゃんの肌着などが入院セットに含まれている産院は少なくなく、これを重複して買ってしまうのが最大の無駄になります。あわせて、新生児サイズは少なめにすること、便利グッズは困ってから買うこと、「出産準備セット」は中身を確認してから買うことも効果があります。
Q出産準備にはいくらくらいかかりますか?
A.地域や選ぶ品物で大きく変わるため、断言できる金額はありません。考え方としては、妊婦健診の費用(自治体の補助券があり、差額が出ることがあります)、分娩・入院の費用(出産育児一時金の制度があります)、ベビー用品の準備費用の3つに分けて考えます。このうち工夫で減らせるのは3つ目で、レンタル・お下がり・産後に買う、の3つを使うとかなり圧縮できます。自治体独自の支援がある場合もあるので、母子健康手帳を受け取った窓口で確認してみてください。
Q2人目の出産準備で気をつけることはありますか?
A.買うものは減りますが、上の子の段取りが増えます。陣痛が夜中や早朝に来る前提で預け先を複数用意し、入院中の保育園の送迎を誰がするかまで決めておいてください。また、上の子の抱っこや送り迎えでお腹の張りが出やすい方もいるため、1人目より早めに動いておくくらいでちょうどいいと思います。買い物に行く時間が取りにくいので、ネットで完結させる前提で組むのが現実的です。なお、上の子のチャイルドシートを使い回す場合は使用期限や安全基準を確認してください。
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