「里帰り出産って、いつ実家に帰ればいいの?」「戻るのはいつごろ?」「そもそも、みんなしているものなの?」——妊娠がわかって出産の準備を考えはじめると、産む場所と産後をどこで過ごすかで、こんなふうに迷う方は本当に多いと思います。里帰り出産は昔からある選択ですが、いざ自分ごとになると、時期・手続き・お礼・実家との関係まで、決めることも気になることもたくさん出てきますよね。
はじめまして、ちなみです。元看護師として病院勤務を経験し、現在は妊活・妊娠・子育てを中心に情報発信している男女2児のママです。この記事では、里帰り出産とは何かという基本から、いつ帰っていつ戻るのかという時期の目安、分娩予約や出生届といった手続き、メリット、そして「里帰り出産はおすすめしない」と言われることがあるのはなぜなのか、実家での過ごし方や家族との関係、お礼の考え方まで、順を追って整理していきます。
先にひとつだけお伝えしておきたいのは、この記事は里帰り出産をすすめる記事でも、やめたほうがいいと言う記事でもないということです。里帰りには合う人も、合わない人もいます。家庭ごとに事情はまったく違いますから、ここでは「どう考えれば自分にとって納得のいく選択ができるか」という判断材料をそろえることを大切にしました。読み終えたころに、あなたと赤ちゃんにとって心地よい産後の過ごし方が少しでも見えてきたら、とてもうれしいです。
ちなみ(元看護師)
里帰り出産とは?どれくらいの人が選んでいるのか
里帰り出産の基本的な流れ
里帰り出産とは、妊娠後期に自分の実家(または夫の実家など、ふだん暮らしている家とは別の場所)へ移り、その近くの産院で出産して、産後しばらく実家で過ごしてから自宅へ戻る、という産み方のことです。里帰り先で分娩することそのものよりも、産後の回復期を親元でサポートを受けながら過ごすことに主な目的があります。
大まかな流れは、次のように進みます。まず妊娠初期から中期のあいだに、里帰り先の産院を決めて分娩の予約をします。次に、いま通っている産院に里帰りしたい旨を伝えて紹介状を書いてもらい、妊娠後期(多くは妊娠32〜34週ごろ)に実家へ移動します。里帰り先の産院で残りの妊婦健診を受けながら出産を迎え、産後は実家で過ごし、1か月健診などの区切りを目安に自宅へ戻ります。
- 妊娠初期〜中期:里帰り先の産院を決めて分娩予約をする
- 妊娠中期:今の産院に相談し、紹介状を用意してもらう
- 妊娠後期(32〜34週ごろが目安):実家へ移動し、里帰り先の産院に通い始める
- 出産:里帰り先で分娩
- 産後:実家で回復期を過ごす
- 産後1か月ごろを目安に自宅へ戻る
この流れはあくまで一般的な例です。産院の方針や住んでいる地域、家庭の事情によって前後します。特に時期は「必ずこの週数」と決まっているわけではないので、あとの章でくわしく見ていきましょう。
そもそも、なぜ里帰り出産という形が根づいているのでしょうか。背景には、出産直後のお母さんは体を大きく消耗しており、家事や身のまわりのことを担ってくれる人手が必要だからという事情があります。核家族化が進み、夫が仕事で日中家にいないことが多い今の暮らしでは、産後に自宅で頼れる大人が自分ひとりになってしまう家庭も少なくありません。そこで、実家という「安心して甘えられる場所」で産後を過ごす選択が、昔から受け継がれてきたわけですね。里帰りするかどうかを考えるときは、この「産後に誰の手を借りられるか」という視点で見ると、自分に合った形が見えてきます。
実際どれくらいの人がしているのか
「里帰り出産って、いまどきどれくらいの人がしているの?」というのは、多くの方が気になるところだと思います。ここは少していねいにお伝えしたいのですが、実は里帰り出産の割合について、国が全数を集計した公的な統計は存在しません。厚生労働省の人口動態調査(出生統計)は生まれた赤ちゃんの数などを集計していますが、その出産が里帰りだったかどうかまでは調べていないためです。
里帰り出産の実態に近づける調査としては、こども家庭庁の調査研究事業として野村総合研究所がまとめた「里帰り出産等の実態に関する調査研究事業」の報告書があります。ただしこれも、全国のすべての妊産婦を数え上げた悉皆(しっかい)統計ではなく、あくまで調査研究です。また、育児メディアなどが行うアンケート調査も見かけますが、こうした民間調査は回答した人の層にかたよりが出やすく(たとえば里帰り経験者に多く聞けば割合は高く出ます)、公的な統計と同じようには扱えません。
ですので、この記事では「◯割の人がしている」と数字を断定することはしません。ただ、実感としてお伝えできるのは、里帰り出産を選ぶ人は決して珍しくない一方で、里帰りをしない人も同じくらい当たり前にいるということです。周りがしているかどうかではなく、あなたの体調・住んでいる場所・頼れる人がいるかどうかで決めていい選択なので、「みんなはどうなんだろう」と気にしすぎなくて大丈夫ですよ。

いつ帰って、いつ戻る?——里帰りの時期と期間
里帰り出産でいちばん多い質問が、この「時期」に関するものです。いつ実家へ帰り、いつ自宅へ戻るのか。ここは体調や産院の方針にもかかわる大事なところなので、目安とその理由を順番に見ていきましょう。
帰る時期の目安
実家へ帰る時期は、妊娠32〜34週ごろを目安にする方が多いです。里帰り先の産院でも、この時期までに一度受診してほしいと案内されることがよくあります。なぜこのころかというと、いくつか理由があります。
ひとつは、里帰り先の産院に妊婦健診の記録を引き継ぎ、担当の医師や助産師に一度会っておく時間が必要だからです。初めて受診したその日にお産、というのはお互いに不安が大きいので、出産の前に何回か通って状態を診てもらえるようにします。もうひとつは、妊娠37週以降はいつ陣痛が来てもおかしくない「正期産」の時期に入るため、長距離の移動は避けたいからです。34週ごろまでに移動しておけば、余裕をもって里帰り先の生活に慣れることができます。
ただし、これは絶対的なルールではありません。切迫早産の傾向がある方や、多胎(双子など)の方、持病のある方は、もっと早めの移動をすすめられることもあれば、長距離移動そのものを控えるよう言われることもあります。帰る時期は必ず、いま通っている産院と里帰り先の産院の両方に確認して決めてください。自己判断で移動時期を決めないことが、いちばんの安全策です。
切迫早産・多胎・持病などがある場合、標準的な32〜34週より早い移動や、移動そのものの制限をすすめられることがあります。帰る時期は、現在の産院と里帰り先の産院の両方に必ず相談して決めてください。
戻る時期の目安
自宅へ戻る時期は、産後1か月健診を里帰り先で受けてからという方が多いです。産後1か月ごろは、お母さんの体(子宮の回復や悪露の様子など)と赤ちゃんの発育を確認する大切な区切りで、この健診を里帰り先の産院で受けてから戻ると流れがスムーズです。里帰り中の産後の体の回復については、こちらの記事で全体像をつかんでおくと安心です。
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とはいえ、これも家庭によってさまざまです。上の子の保育園や幼稚園の都合、夫の生活、自分の職場復帰の予定などから、1か月より早く戻る方もいれば、2〜3か月ゆっくり過ごす方もいます。大切なのは、戻ったあとに自宅で赤ちゃんと過ごせる態勢が整っているかです。夫の育児参加の準備や、家事の分担、体調の回復ぐあいを見ながら、無理のないタイミングを選んでください。
「里帰り出産の期間はどれくらいが普通なの?」という質問もよく聞きますが、こちらも決まりはありません。帰るのが妊娠32〜34週ごろ、戻るのが産後1か月ごろだとすると、里帰り全体の期間はおおよそ2〜3か月になる計算です。ただし、実家との相談しだいでもっと短くも長くもなります。長く滞在するほど実家の負担も増えるので、いつからいつまで滞在する予定かを、里帰りが決まった時点で実家の家族と共有しておくと、お互いに見通しが立って気持ちよく過ごせます。予定はあくまで目安として、体調に合わせて柔軟に調整していきましょう。
遠距離・飛行機・長時間の車移動をどう考えるか
実家が遠方にある場合、移動そのものが心配になりますよね。妊娠後期のからだで長時間移動するのは負担が大きいため、いくつか気をつけたいことがあります。
まず飛行機ですが、航空会社によっては出産予定日が近い時期の搭乗に、診断書や医師の同伴を求める規定があります。利用予定の航空会社の規定を早めに確認し、必要な書類を用意しておきましょう。長距離の車移動では、エコノミークラス症候群(同じ姿勢を続けることで血栓ができやすくなること)を避けるため、1〜2時間ごとに休憩をとって歩いたり、水分をしっかりとったりすることが大切です。新幹線も同様に、こまめに立って体を動かせるとよいですね。
「里帰り先まで車で1時間くらいだけど大丈夫かな」と気にされる方もいますが、1時間程度であっても、途中で休憩できるようにしておくと安心です。どの移動手段でも共通して言えるのは、陣痛や破水など急な事態が起きたときに、すぐ受診できる状態で移動するということ。母子健康手帳・保険証・診察券・お金は必ず手元に持ち、できれば付き添いの人と一緒に移動してください。
上の子がいる場合
2人目以降の里帰りでは、上の子をどうするかが大きな悩みになります。保育園や幼稚園に通っている場合、里帰り中の数か月をどう過ごすかを園とも相談する必要があります。実家の近くに一時的に預けられる園があるか、里帰り中は休園扱いにできるか、そのあいだの保育料はどうなるかなど、確認することはたくさんあります。
上の子を連れて里帰りする場合は、環境が変わることで上の子が不安定になることもあります。下の赤ちゃんが生まれると、上の子は赤ちゃん返りをすることも多いので、実家の家族に上の子をたくさん構ってもらえるようお願いしておくと、お母さんの負担が軽くなります。反対に、上の子は自宅に残して夫と過ごし、お母さんだけ里帰りするという家庭もあります。どちらが正解ということはなく、上の子の年齢・性格・園の状況・夫の働き方を見て、家族で話し合って決めていきましょう。
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里帰り先で陣痛や破水が来たら
里帰り先で出産を迎えるということは、当然、陣痛や破水も里帰り先で起こります。慣れない土地で「いざというときにどう動けばいいの?」と不安になりますよね。だからこそ、移動して落ち着いたら早めに、里帰り先の産院までの行き方・連絡先・タクシーを呼ぶ場合の手配を、実家の家族と一緒に確認しておきましょう。夜間や休日の連絡方法、入院時に持っていくバッグの置き場所も共有しておくと、いざというとき慌てずにすみます。
陣痛の始まり方や、破水したときにどう対応するかは、初めての出産だとイメージしづらいものです。里帰り先の産院でも説明はありますが、事前に流れを知っておくと落ち着いて動けます。お産本番の進み方については、こちらの記事もあわせて読んでおくと安心です。また、里帰り先で急に帝王切開になる可能性もゼロではありません。予定していなかった帝王切開になったときの流れを知っておくと、いざというときの心の準備になります。
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里帰り出産の準備と手続き
ここからは、元看護師の視点で、里帰り出産にまつわる実務的な準備と手続きを整理します。分娩予約・紹介状・妊婦健診の補助券・出生届と、確認することが意外と多いので、ひとつずつ見ていきましょう。手続きには自治体や産院によって差があるものが多いので、「わが家の場合はどうか」を確認する目印として読んでくださいね。
最初にお伝えしておきたいのは、里帰り出産の手続きは「早め・こまめ」がすべてだということです。妊娠後期に入ってから慌てて動くと、分娩予約が埋まっていたり、紹介状の準備が間に合わなかったりと、思わぬところでつまずくことがあります。里帰りをしようかなと考え始めた段階で、まずは里帰り先の産院の受け入れ状況とお住まいの自治体の制度を確認しておくと、その後の流れがずっとスムーズになります。次の項目を一度チェックリストとして眺めてみてください。
- 里帰り先の産院が里帰り出産を受け入れているか/分娩予約の締め切り
- 今の産院に里帰りの相談をしたか/紹介状の準備の時期
- 妊婦健診の補助券が里帰り先で使えるか、償還払いか(自治体窓口へ)
- 出産育児一時金の直接支払制度に里帰り先の産院が対応しているか
- 出生届やその他の手続きを、夫婦でどう分担するか
里帰りする場合は、実家に送るものと自宅に残すものを移動前に分けておく必要があります。出産準備全体の時期別スケジュールはこちらです。
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分娩予約はいつまでに
里帰り先の産院への分娩予約は、妊娠がわかったらできるだけ早めに動くのがおすすめです。というのも、人気の産院や分娩の受け入れ数に限りがある産院では、妊娠初期の段階で予約が埋まってしまうことがあるからです。里帰り先に候補の産院がいくつかある場合は、里帰りを考え始めた時点でそれぞれの受け入れ状況を電話などで確認しておくと安心です。
予約の締め切りや必要な手続きは産院によって大きく異なります。早い時期の予約を求めるところもあれば、比較的後期でも受け入れてくれるところもあります。だからこそ「一般的には◯週まで」と決めつけず、実際に里帰りしたい産院に直接、いつまでに何をすればよいか確認することが確実です。里帰り出産を受け入れていない産院もあるので、まずは受け入れの可否から確認しましょう。
紹介状と妊婦健診の受診先の切り替え
里帰り先の産院で健診と出産を受けるには、いま通っている産院から紹介状(診療情報提供書)を書いてもらう必要があります。紹介状には、これまでの妊娠経過や検査結果がまとめられていて、里帰り先の医師がスムーズに引き継げるようになっています。里帰り先の産院に初めて受診するときに持参するので、移動前に受け取っておきましょう。
受診先の切り替えのタイミングも、産院どうしのやりとりになります。いま通っている産院に「◯週ごろに里帰りする予定です」と早めに伝えておけば、いつまでこちらで健診を受け、いつから里帰り先に移るか、紹介状をいつ用意するかを案内してもらえます。妊娠の経過に沿った引き継ぎがされるよう、両方の産院と情報を共有しておくことが大切です。分娩をどこでどう迎えたいかという希望も、このタイミングで整理しておくと、里帰り先でも伝えやすくなります。
里帰り先で補助券が使えるかどうかも含めて、妊婦健診の費用と回数のしくみはこちらにまとめました。
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妊婦健診の補助券は里帰り先で使える?
ここは特に間違えやすいところなので、ていねいにお伝えします。妊婦健診の費用を補助してくれる受診券(補助券・助成券)は、お住まいの自治体が発行しているものです。この券は、多くの場合発行した自治体と同じ都道府県内、あるいは契約している医療機関でしか、そのままの形では使えないことがあります。里帰り先が別の都道府県だと、里帰り先の産院ではその場で使えず、いったん自費で支払うことになるケースがあるのです。
その場合でも、多くの自治体には里帰り先で支払った健診費用を、あとから申請して払い戻してもらえる「償還払い」の制度があります。ただし、申請に必要な書類・領収書・期限・払い戻しの上限額は自治体によってまったく異なります。里帰り中の領収書と受診記録は必ず取っておき、里帰り前にお住まいの自治体の窓口(母子保健の担当課)に、里帰り先での健診費用の扱いを確認しておくことを強くおすすめします。ここを確認しておくだけで、あとの手続きがぐっと楽になります。
妊婦健診の補助券が里帰り先でそのまま使えるか、いったん自費で払って後日「償還払い」で戻るかは、お住まいの自治体によって異なります。必要書類・期限・上限も自治体ごとに違うため、里帰り前に必ずお住まいの自治体の母子保健担当窓口に確認してください。領収書は捨てずに保管を。
出生届はどこに出す?いつまで?
赤ちゃんが生まれたら提出する出生届にも、里帰りならではのポイントがあります。まず期限ですが、戸籍法では出生の日から14日以内(生まれた日を含めて数えます。国外で生まれた場合は3か月以内)に届け出ることと定められています。里帰り中もこの期限は変わりません。
次に提出できる場所ですが、戸籍法では出生地の市区町村でも届け出ができると定められています。つまり、里帰り先(=赤ちゃんが生まれた土地)の役所でも出生届を提出できるということです。このほか、父母の本籍地や、届け出る人の所在地(里帰り先の住まいなど)の役所でも提出できます。里帰り中に無理をして自宅の役所まで戻る必要はなく、里帰り先で手続きを済ませられるので、安心してくださいね。
- 期限:出生の日から14日以内(生まれた日を含めて数える/国外出生は3か月以内)
- 提出できる場所の例:出生地(=里帰り先)/父母の本籍地/届け出る人の所在地の市区町村
- 里帰り先の役所でも提出できるので、無理に自宅へ戻らなくてよい
ただし、出生届と同時に手続きしたい児童手当・健康保険への加入・乳幼児医療費助成などは、里帰り先の役所ではできず、住民票のある自治体での手続きが必要なものが多いです。出生届だけ里帰り先で出し、そのほかの手続きは夫に住民票のある役所で進めてもらう、という分担がよく使われます。何をどこで手続きするかは、里帰り前に夫婦で確認しておくとスムーズです。
持っていくもの
里帰りには数か月滞在することになるので、持ち物も少し多めになります。特に忘れたくないのが、母子健康手帳・健康保険証・産院の診察券・紹介状・妊婦健診の受診券・印鑑といった書類関係です。これらは移動中もすぐ取り出せるバッグに入れておきましょう。出産入院用の準備品(パジャマ・産褥ショーツ・授乳用品など)は、里帰り先の産院からもらう入院案内に沿ってそろえます。
赤ちゃんを迎える準備品(肌着・おむつ・ベビー布団など)は、里帰り先である程度用意できることも多いので、すべてを自宅から運ばなくても大丈夫です。実家の家族と相談して、実家で用意してもらうもの・自宅から持っていくもの・現地で買い足すものを分けておくと、荷物が減って移動が楽になります。
出産費用と出産育児一時金
里帰り出産だからといって、出産費用の仕組みそのものが変わるわけではありません。出産にかかる費用に対しては、加入している健康保険から出産育児一時金が支給されます。多くの産院では、この一時金を保険者から産院へ直接支払ってもらう「直接支払制度」を利用でき、窓口での支払いを一時金の範囲内におさえられます。里帰り先の産院がこの制度に対応しているかは、分娩予約のときに確認しておきましょう。
出産費用は産院や地域、分娩の内容(自然分娩か帝王切開か、個室か大部屋かなど)によって幅があります。里帰り先の産院に、分娩費用のおおよその目安と、一時金でまかなえる範囲、追加でかかりそうな費用を早めに聞いておくと、お金の面での見通しが立って安心です。支給額や制度の詳細は変わることがあるため、最新の情報は加入している健康保険の窓口や、厚生労働省の案内で確認してください。
里帰り出産のメリット
里帰り出産が長く選ばれてきたのには、やはり理由があります。ここでは、里帰りのよいところを整理してみましょう。
いちばん大きいのは、産後の体の回復に専念できることです。出産直後の体は、大きなけがをしたあとにたとえられるほどダメージを受けています。この産褥期(さんじょくき)に、家事を実母や家族にまかせて休めるのは、体の回復にとって大きな助けになります。夜間の授乳で寝不足になりがちな時期に、日中に少しでも横になれる環境があるのは本当にありがたいものです。
次に、育児の不安を身近な人に相談できる安心感があります。初めての育児では、授乳やおむつ、泣きやまないときの対応など、小さな不安が次々に出てきます。子育て経験のある実母がそばにいて「大丈夫よ」と声をかけてくれるだけで、気持ちがずいぶん軽くなることがあります。また、上の子がいる場合は、上の子の世話を家族に手伝ってもらえることも、下の子のお世話に集中できる大きなメリットです。
さらに、食事の面で支えてもらえるのも見逃せません。産後は自分の食事の準備すらままならないことがありますが、実家なら栄養のある食事を用意してもらえます。母乳育児を考えている方にとっても、しっかり食べて体を休められる環境は心強いものです。
授乳は、産後すぐにうまくいくとは限りません。母乳の出方や吸わせ方、乳房の張りやトラブルなど、最初のうちは戸惑うことがたくさんあります。里帰り中は、体を休めながら授乳のリズムをつかんでいける環境が整いやすく、困ったときには里帰り先の産院の助産師外来や、母乳外来、自治体の相談窓口を頼ることもできます。里帰り中に授乳のことで悩んだときは、こちらの記事も参考にしてみてください。
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- 産後の体の回復に専念できる(家事を家族にまかせて休める)
- 育児の不安を、経験のある家族にすぐ相談できる
- 上の子の世話を手伝ってもらえる
- 栄養のある食事を用意してもらえる
- 夜間授乳などで寝不足のとき、日中に休みやすい
里帰り出産をおすすめしない、と言われるのはなぜ?
一方で、インターネットで里帰り出産について調べると、「おすすめしない」「後悔した」という声も目にします。里帰りにはよいところがたくさんある反面、人によっては負担に感じるポイントもあるのは事実です。ここでは、里帰りを否定するためではなく、あなたが後悔しない選択をするための判断材料として、正直にお伝えします。読んで「自分は大丈夫そう」と思えたらそれでよし、「ここは気になるな」と思ったら、その点を家族と話し合うきっかけにしてください。
後悔しやすいポイント
里帰りで「思っていたのと違った」となりやすいのは、次のようなところです。ひとつは生活リズムの違い。実家の生活時間や食事の好み、テレビや来客のペースが自分たちの暮らしと違うと、産後の疲れた体には意外とストレスになります。もうひとつは育児方針の違いです。「昔はこうだった」という実母のやり方と、いまの育児情報が食い違うことは珍しくなく、そのたびに気をつかったり、もやもやしたりすることがあります。
そして、案外多いのが「気をつかって、かえって休めない」という声です。実家とはいえ、家族に申し訳なく感じたり、ゆっくりしてと言われても横になりづらかったりして、心が休まらないというケースです。実家との距離感は家庭によってまったく違うので、「実家なら絶対にくつろげる」とも限らないのですね。こうしたことは、事前に「産後はとにかく休ませてほしい」と家族に伝えておくだけでも、だいぶ変わってきます。
夫が育児に関われない期間ができる
里帰り出産のもうひとつの側面が、夫(パートナー)が赤ちゃんと過ごせない期間ができることです。里帰り中、夫は自宅に残って仕事を続けることが多く、そのあいだ赤ちゃんのお世話に直接関わる機会が少なくなります。その結果、自宅に戻ってから夫が育児に慣れるまでに時間がかかったり、夫婦のあいだで育児の温度差が生まれたりすることがあります。「気づいたら自分だけが育児のやり方を知っていて、夫は何もわからない状態だった」というのは、里帰り後によく聞く悩みです。
これを防ぐには、里帰り中もこまめに連絡を取り合い、赤ちゃんの写真や様子を共有して、夫にも「一緒に育てている」という感覚を持ってもらうことが役立ちます。可能なら、里帰り中に夫が数日でも実家に来て赤ちゃんと過ごす時間をつくれると理想的です。この点については、あとの「家族との関係」の章でもう少しくわしくふれます。
もうひとつ意識しておきたいのは、自宅に戻ったあとのギャップです。実家では家事を家族に助けてもらえていたのが、戻った瞬間に、家事も育児も自分(と夫)で回すことになります。里帰り中にすっかり体を休められた反動で、戻ってから一気に大変さを感じる方も少なくありません。だからこそ、戻るタイミングは「体が回復したか」だけでなく、戻ったあとに夫と家事育児をどう分担するかを具体的に決めてからにすると、この落差をやわらげられます。戻る前に夫婦で1日のスケジュールを一度シミュレーションしておくのもおすすめです。
里帰りが向いていないかもしれないケース
次のような場合は、里帰りが必ずしもいちばん楽とは限りません。あくまで傾向なので、当てはまったからといって里帰りをあきらめる必要はありませんが、判断の参考にしてください。
- 実家との関係にもともと気疲れがある、価値観の違いが大きい
- 実家が遠方で、妊娠後期の長距離移動の負担が大きい
- 実母が就労中・介護中などで、じゅうぶんなサポートが難しい
- 夫と離れる期間ができることに、自分か夫が強い不安を感じる
- 上の子の環境の変化(転園・長期の休園)が大きい
大事なのは、「里帰りするのが当たり前だから」と流されて決めないことです。里帰りするか・しないかは、あなたと赤ちゃんが産後を心地よく過ごせるかという基準で選んでよいものです。
里帰りしないという選択
「里帰りは合わないかもしれない」と感じたら、里帰りをしないという選択も十分にありです。最近は、里帰りの代わりに実母や義母に自宅へ来てもらう方や、自治体の産後ケア事業(宿泊型・日帰り型・訪問型で、助産師などが授乳や育児の相談にのってくれる仕組み)や、産後ドゥーラ・家事代行などのサービスを組み合わせて、住み慣れた自宅で産後を過ごす方も増えています。
産後ケア事業は多くの自治体で実施されていて、費用の一部を自治体が補助してくれる場合があります。内容や料金、申し込み方法は自治体によって異なるので、お住まいの市区町村の窓口や、こども家庭庁の母子保健の情報を確認してみてください。里帰りをしないと決めた場合こそ、こうした頼れる先を出産前に確保しておくことが、産後の自分を守ることにつながります。
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実家での過ごし方と、家族との関係
里帰りの満足度を大きく左右するのが、実家での過ごし方と家族との関係です。ここは、読んでいるあなたがもし今しんどさを抱えているとしても、決してあなたが悪いのではありません。産後のホルモンの変化と睡眠不足のなかで、家族との距離感に悩むのはごく自然なことです。少し肩の力を抜いて読んでみてくださいね。
実母との育児方針の違いにどう向き合うか
「抱きぐせがつくから抱っこしすぎないほうがいい」「白湯を飲ませたほうがいい」——実母のアドバイスが、いまの育児情報と食い違うことはよくあります。かつての常識といまの常識は変わっているものも多く、どちらが正しいと白黒つけようとすると、お互いに疲れてしまいます。
おすすめは、正面から否定せず、「今はこう言われているみたい」と情報の主語を自分から外す言い方です。「お母さんのやり方は違う」ではなく「今は病院でこう教わったんだ」と伝えると、角が立ちにくくなります。それでも譲れない部分(授乳やねんねの安全にかかわることなど)は、産院や自治体で教わったことを根拠に、やわらかく、でもはっきり伝えて大丈夫です。実母も、あなたと赤ちゃんを心配してくれているからこそのアドバイスなので、その気持ちには感謝を返しつつ、方針は自分で決めていい——その線引きを心の中に持っておくと楽になります。
それでもぶつかってしまうことはあります。産後のお母さんは心も体も敏感になっていて、いつもなら流せる一言に傷ついたり、涙が出たりすることもあるでしょう。もしどうしても実母とのやりとりがつらいときは、すべてを実家で解決しようとせず、夫や、産院・自治体の相談窓口といった「外の味方」を持っておくことも大切です。第三者に少し話を聞いてもらうだけで、気持ちが整理されることもあります。実家との関係は、あなたひとりで背負い込むものではありませんよ。
「何もしていない」と感じてしまうとき
実家でお世話になっていると、「自分だけ何もしていない気がする」「家族に甘えてばかりで申し訳ない」と感じてしまう方がいます。まじめで責任感の強い方ほど、そう思いやすいものです。でも、どうか思い出してください。いまのあなたの仕事は、体を回復させて、赤ちゃんのお世話をすることそのものです。それは「何もしていない」どころか、24時間ずっと働いているのと同じくらい大変なことです。
家事を家族にまかせるのは、甘えでも怠けでもありません。産褥期にしっかり休むことは、その後の体調や心の安定にもつながる、れっきとした産後の過ごし方です。もし気持ちの負担が大きいなら、「ありがとう」を言葉にして伝えたり、体調が回復してきたら少しずつできることを手伝ったりするだけで十分です。「休ませてもらっていること」に罪悪感を持たなくていいんですよ。
ちなみ(元看護師)
夫とどう連絡を取るか・どう関わってもらうか
里帰り中に離れて暮らす夫とのつながりも、産後の関係にとって大切です。前の章でもふれたように、里帰り中に夫が育児から離れてしまうと、戻ってからの温度差につながりやすいからです。おすすめは、毎日でなくてもいいので、赤ちゃんの写真や短い動画を送って様子を共有すること。ミルクを飲んだ、初めて笑った、といった小さな出来事を伝えるだけで、夫も父親としての実感を育てやすくなります。
「里帰り 旦那も一緒」と検索する方もいるように、夫が休みの日に実家へ来て一緒に過ごす形をとる家庭もあります。実家の受け入れ状況にもよりますが、夫が数日でも赤ちゃんと過ごす時間をつくれると、自宅に戻ってからの育児のスタートがぐっと楽になります。逆に、離れているあいだに夫のほうも自宅の家事や、戻ってからの育児の準備(沐浴の練習動画を見ておくなど)を進めておいてもらえると理想的です。産後は連絡がとどこおりがちですが、意識してつながりを保っておきましょう。
つらいと感じたら
ここまで前向きな工夫をお伝えしてきましたが、それでも「里帰りしているのにつらい」「実家にいるのに帰りたい」と感じることがあるかもしれません。産後は、ホルモンの急激な変化や睡眠不足から、気持ちが不安定になりやすい時期です。涙が出たり、理由もなく不安になったりするのは、あなたが弱いからではなく、体の自然な反応です。
一時的な気分の落ち込みは多くの方が経験しますが、2週間以上ずっと気分が沈む、眠れない、赤ちゃんをかわいいと思えない、といった状態が続くときは、産後うつのサインかもしれません。がまんせず、里帰り先の産院や、お住まいの自治体の保健センター、助産師に相談してください。里帰り中でも、里帰り先の自治体の相談窓口を頼れる場合があります。ひとりで抱えこまないことが、何より大切です。産後のこころの不調については、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
産後うつとは?症状・いつまで続くか・マタニティブルーズとの違いを元看護師が解説
里帰り出産をする方は、実家へ運ぶ荷物と産院へ持っていく荷物を分けて考えると混乱しません。陣痛バッグと入院バッグの中身や準備の時期は、こちらの記事で詳しく解説しています。
陣痛バッグと入院バッグの中身リスト|違い・分ける理由・いつから準備するかを元看護師が解説
里帰り出産のお礼はどうする?
里帰り出産で意外と悩むのが、実家へのお礼です。「お世話になったのだから何かしたいけれど、親子だしかえって水くさい?」「相場はいくらくらい?」と迷いますよね。ここでも先にお伝えしておくと、お礼に決まった金額や正解はありません。地域の慣習や、それぞれの家庭の考え方によって大きく変わります。ここでは金額を断定せず、「どう考えて決めればいいか」という考え方と、実際に多い形の幅をご紹介します。
お礼をどう考えるか
お礼を考えるときの出発点は、「感謝の気持ちをどう形にするか」です。里帰り中は、食費や光熱費など、実家の生活費が実際に増えます。まずはその増えた分をこちらで負担する、という考え方が基本になります。そのうえで、金銭という形をとるか、物やサービスという形をとるかは、実家との関係性で選んでいきます。
金銭を「お礼」として渡すことに実家が抵抗を示す場合もあります。その場合は、無理に現金を包むよりも、生活費として滞在中の食費に充てる、家電や日用品をプレゼントする、外食に招待する、退院後の家事を手伝うといった形のほうが、気持ちよく受け取ってもらえることもあります。大切なのは金額の多さではなく、「支えてもらったことへの感謝を伝えること」だと考えると、肩の力が抜けると思います。
実際に多い形
実際にどうしている人が多いのかというと、これも幅があります。滞在中の生活費として、月ごとに一定額を実家に渡すという方もいれば、滞在全体でまとまった額を「お礼」として渡す方、現金ではなく品物や家電、旅行券などを贈る方もいます。金額も、数万円程度という声から、もっと控えめ・もっと手厚いという声までさまざまで、ひとつの正解があるわけではありません。
迷ったときは、兄弟姉妹や親戚が里帰りしたときにどうしていたかを、さりげなく確認してみるのもひとつの方法です。同じ家・同じ地域のなかでの前例がいちばん参考になります。金額を無理に周りに合わせる必要はありませんが、「わが家・わが地域ではどれくらいが自然か」の感覚がつかめると決めやすくなります。渡すタイミングは、里帰りの初めに「生活費として」と渡す方も、退院後やお宮参りのころに「お礼として」渡す方もいます。
もし現金や品物という形にこだわらないなら、体調が回復してきたころに家事を手伝う、退院後に家族で外食に出かける、記念に写真を残すといった「思い出やねぎらい」で感謝を返すのも、とてもすてきな形です。実家にとっては、孫と過ごせた時間そのものがうれしいお礼になっていることも多いもの。「きちんとした額を用意しなければ」と気負いすぎず、あなたが無理なくできる範囲で、心が伝わる形を選べば大丈夫です。お礼は義務ではなく、感謝を伝えるための手段だということを、どうか忘れないでくださいね。
里帰り出産のお礼は、地域の慣習・実家との関係・滞在期間によって大きく変わります。「いくらが正解」というものはないため、この記事の金額は目安としてとらえ、ご家庭の事情に合わせて決めてください。金銭にこだわらず、生活費の負担・品物・家事の手伝いなど、感謝が伝わる形を選べば十分です。
夫の実家からのお礼・親同士のやりとり
もうひとつ、意外と見落とされがちなのが、夫(パートナー)の実家からのお礼や、両家の親同士のやりとりです。里帰り先が妻の実家の場合、「妻の実家がお世話をしてくれているのだから、夫の実家からもお礼や手土産を」という考え方をする家庭があります。夫の親から妻の実家へ、出産祝いとは別に、里帰り中のお世話へのお礼として品物や現金を渡す、というケースですね。
これは地域や家風によって考え方がかなり分かれるところで、「両家でそういうやりとりをする」家もあれば、「そこまではしない」家もあります。トラブルになりやすいのは、片方の家は当然と思っていて、もう片方の家はまったく想定していなかったというすれ違いです。避けるコツは、里帰りの前に夫婦のあいだで「両家のあいだでお礼のやりとりをするか」をすり合わせておくこと。そのうえで、必要ならそれぞれが自分の親にさりげなく意向を伝えておくと、親同士が直接気をつかいすぎずにすみます。親世代の価値観は世代や地域で差が大きいので、正解を求めるより「わが家はこうする」と夫婦で決めておくのがいちばん穏やかにおさまります。
よくある質問(里帰り出産|FAQ)
Q里帰り出産では、いつ実家に帰るのがよいですか?
A.妊娠32〜34週ごろを目安にする方が多く、里帰り先の産院からもこの時期までの受診を案内されることがよくあります。妊娠37週以降はいつお産になってもおかしくないため、長距離移動を避ける意味でも早めの移動が安心です。ただし切迫早産・多胎・持病などがある場合は目安が変わるので、現在の産院と里帰り先の産院の両方に必ず確認してください。
Q里帰り先の産院への分娩予約は、いつまでにすればよいですか?
A.産院によって大きく異なり、人気の産院では妊娠初期に予約が埋まることもあります。「一般的に◯週まで」と決めつけず、里帰りを考え始めた時点で、希望する産院に受け入れの可否と予約の締め切りを直接確認するのが確実です。里帰り出産を受け入れていない産院もあるので、まず受け入れ可否から確認しましょう。
Q妊婦健診の補助券は、里帰り先でもそのまま使えますか?
A.お住まいの自治体が発行した補助券は、里帰り先(特に別の都道府県)ではそのまま使えず、いったん自費で支払うことがあります。多くの自治体には後日申請で払い戻す「償還払い」制度がありますが、必要書類・期限・上限は自治体ごとに異なります。領収書は必ず保管し、里帰り前にお住まいの自治体の母子保健窓口に確認してください。
Q出生届は里帰り先の役所でも出せますか?期限はいつまでですか?
A.戸籍法では出生の日から14日以内(生まれた日を含めて数えます)に届け出ることになっており、出生地の市区町村でも提出できます。里帰り先は赤ちゃんが生まれた土地なので、里帰り先の役所で出生届を出せます。ただし児童手当や健康保険などの手続きは住民票のある自治体で必要なものが多いので、夫と分担して進めるとスムーズです。
Q里帰り出産のお礼は、いくらくらい渡せばよいですか?
A.決まった相場はありません。地域の慣習・実家との関係・滞在期間によって大きく変わります。滞在中の生活費を負担する、品物や家電を贈る、退院後の家事を手伝うなど、感謝が伝わる形であれば金額にこだわる必要はありません。迷ったら、兄弟姉妹や親戚が里帰りしたときにどうしていたかを参考にすると決めやすくなります。
Q里帰り出産をしないと、産後は乗り切れないでしょうか?
A.そんなことはありません。実母や義母に自宅へ来てもらう、自治体の産後ケア事業(宿泊・日帰り・訪問)や家事代行を利用するなど、里帰り以外の頼り方もたくさんあります。大切なのは、産後に自分ひとりで抱えこまない態勢を、出産前に用意しておくことです。里帰りをしない場合こそ、頼れる先を早めに確保しておきましょう。
まとめ
里帰り出産について、時期・手続き・メリット・気をつけたいこと・実家との関係・お礼まで、ひととおり見てきました。最後に、この記事の大切なポイントを振り返っておきましょう。
- 里帰り出産の主な目的は、産後の回復期を親元でサポートを受けながら過ごすこと
- 帰る時期は妊娠32〜34週ごろ、戻る時期は産後1か月健診のあとが目安(体調と産院の方針を優先)
- 分娩予約・紹介状・補助券・出生届は、産院差・自治体差が大きいので必ず確認する
- 「おすすめしない」と言われる背景には、生活・育児方針の違いや夫が育児に関われない期間などがある
- 里帰りは合う人・合わない人がいる。しないという選択(産後ケア・親に来てもらう)も十分にあり
- お礼に決まった相場はない。感謝が伝わる形を、家庭ごとに決めてよい
里帰り出産に、たったひとつの正解はありません。周りがどうしているかではなく、あなたと赤ちゃんが産後をいちばん心地よく過ごせる形を選ぶことが、何より大切です。里帰りする方も、しない方も、産後の自分をひとりにしない準備を、今のうちから少しずつ整えていってくださいね。あなたの産後が、あたたかく穏やかな時間になりますように。
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