妊娠5か月が近づくと、家族から「戌の日はどうするの?」と聞かれることがあります。ところが、いざ調べようとするといつ行くのか、何をするのか、誰と行くのか、いくら包むのか——わからないことばかりで手が止まってしまう方が多いと思います。
この記事では、元看護師で2児の母である私「ちなみ」が、戌の日の安産祈願について、由来・時期・当日の流れ・初穂料・服装・腹帯のことを整理しました。あわせて、妊娠5か月の体でどこまで無理をしないかという、いちばん大事な部分も書いています。
先に結論を書いておきます。戌の日の安産祈願は、行かなければいけない行事ではありません。体調が優先です。そのうえで「行くならこうすると安心」という形でまとめました。
目次
- 戌の日とは?——なぜ「犬」なのか
- なぜ妊娠5か月の戌の日なのか
- 戌の日には何をするの?——帯祝いという行事
- 腹帯(岩田帯)は必ず必要?
- 誰と行く?どちらの親が行くの?
- 初穂料はいくら?のし袋はどう書く?
- 参拝先はどう選ぶ?——妊婦目線のチェックポイント
- 大安や仏滅は気にしたほうがいい?
- 服装はどうする?
- 当日の体調管理——この記事でいちばん大事なところ
- 行かない・行けないという選択
- よくある疑問
- 行事どころではない、と感じているとき
- ちなみから|行事より、その日の体を優先してください
- まとめ|決まりは少なく、選べる部分が多い行事です
- よくある質問(戌の日の安産祈願|FAQ)
- 続けて読みたい関連記事
戌の日とは?——なぜ「犬」なのか
12日に一度めぐってくる日です
戌の日というのは、暦の上で12日に一度めぐってくる日のことです。日にちに十二支(子・丑・寅…)が順番に割り当てられていて、そのうち「戌」にあたる日を指します。
12日周期なので、1か月におよそ2〜3回あります。「その日しかない」というものではないので、都合や体調に合わせて選べます。
犬にあやかる、という考え方
なぜ犬なのか。よく言われるのは、犬はお産が軽く、たくさんの子を産むことから、安産の象徴とされてきたという説明です。そこにあやかって、戌の日に安産を願う——という習慣が続いてきました。
つまりこれは医学的な根拠にもとづく決まりではなく、昔から受け継がれてきた文化的な習わしです。そう理解しておくと、あとで出てくる「やらなければいけないのか」という迷いが軽くなると思います。
今年の戌の日は、その都度調べてください
戌の日の日付は毎年変わります。この記事では日付の一覧を載せていません。年によって変わるものを載せると、古い情報を読ませてしまうからです。
調べ方はかんたんです。
- 参拝したい神社・お寺の公式サイトを見る——安産祈願を受け付けているところは、たいてい戌の日を案内しています
- 「戌の日 カレンダー ◯年」で検索する——ベビー用品店などが毎年更新した一覧を公開しています
- カレンダーアプリや暦のサイトで確認する
日付が決まったら、その日に参拝を受け付けているか、予約が必要かを必ず確認してください。戌の日は混み合うため、受付方法を変えている社寺もあります。
なぜ妊娠5か月の戌の日なのか
妊娠5か月=妊娠16週〜19週
まず週数を確認しておきます。妊娠5か月は、妊娠16週0日から19週6日までです。「5か月に入ったら」と言われても、自分がいま何週なのかとっさに出てこないことがあるので、母子健康手帳や健診の記録で確認してみてください。
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つわりが落ち着いてくる人が多い時期だから
この時期が選ばれてきた背景には、つわりが落ち着き、体調が安定してくる人が多いということがあります。おなかもふっくらしてきて、妊娠を実感しやすくなるころです。
昔は妊娠の経過を確かめる手段が少なかったため、ここまで来たことを節目として祝うという意味合いも強かったと考えられます。
「安定期」という言葉の受け取り方
ここは看護師として、はっきり書いておきたいところです。妊娠中期は「安定期」と呼ばれますが、これは「何があっても安全な時期」という意味ではありません。
体調が落ち着きやすい時期であることは確かです。ただしこの時期にも、おなかの張りや出血など、注意が必要なことは起こります。「安定期に入ったからもう大丈夫」と考えて予定を詰め込むのは、いちばん避けたい形です。
ちなみ(元看護師)
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5か月ちょうどでなくてもかまいません
「5か月の最初の戌の日に行かないといけない」と思い込んでいる方がいますが、そういう決まりはありません。
体調が整わなければ6か月でも7か月でもかまいませんし、戌の日でない日に参拝しても問題ありません。気持ちの区切りとして行うものなので、日程は自分たちの都合に合わせて大丈夫です。

戌の日には何をするの?——帯祝いという行事
戌の日に行う安産祈願は「帯祝い(おびいわい)」とも呼ばれます。内容は大きく3つです。
神社やお寺で祈祷を受ける
もっとも一般的なのがこれです。安産祈願を受け付けている社寺で申し込み、祈祷を受けてお守りやお札を授かるという流れになります。所要時間は15分から30分程度のところが多いようです。
受付方法は社寺によってかなり違います。当日受付のところ、予約が必要なところ、戌の日は整理券制のところなどがあるので、事前確認が欠かせません。
腹帯を用意する
帯祝いという名前のとおり、腹帯(はらおび)が行事の中心にあります。持参して祈祷してもらう形、社寺で授与される形など、扱いはさまざまです。詳しくは次のセクションでまとめます。
授かるものはどんなもの?
祈祷を受けると、お守り・お札・腹帯・お神酒・お菓子などが授与されることがあります。中身は社寺によってかなり違い、金額によって変わることもあります。
注意しておきたいのは「荷物になる」ことです。腹帯やお神酒が入ると、思ったより重くなります。持ち帰る手段(誰が持つか、車か電車か)を先に決めておくと、当日あわてずにすみます。妊娠中に重い荷物を持つのは避けたいところです。
家族で食事をすることも
参拝のあとに家族で食事をする、という過ごし方もよくあります。ただし参拝+外食は思ったより体力を使います。予定を詰めすぎず、途中で切り上げられる形にしておくと安心です。
腹帯(岩田帯)は必ず必要?
迷う方がいちばん多いのがここだと思います。正直に書きます。
もともとは、習慣として受け継がれてきたものです
腹帯は「岩田帯(いわたおび)」とも呼ばれ、さらしの布を巻くのが昔からの形でした。戌の日に腹帯を巻くという習わしが、長く受け継がれてきたわけです。
ここで押さえておきたいのは、これは行事としての習慣であって、医学的に必ず着けなければならないと決まっているものではないということです。着けるかどうか、どの種類にするかは、体調と使い心地で選んでかまいません。
いまは種類がいろいろあります
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| さらしタイプ(岩田帯) | 昔ながらの形。巻き方に慣れが必要。祈祷で使われることが多い |
| 腹巻きタイプ | 筒状で着けやすい。日常使い向き |
| パンツタイプ | 下着と一体。ずれにくい |
| ベルトタイプ | 骨盤まわりを支える。締め具合を調整しやすい |
祈祷のときだけさらしを使い、ふだんは着けやすいタイプを使うという方も多いです。「もらったものを毎日使わなければいけない」ということはありません。
着けて楽なら使う、苦しければ外していい
使ううえでの考え方はシンプルです。着けて体が楽になるなら使う、苦しかったり気持ち悪くなったりするなら外す。それだけで十分だと思います。
- 締めすぎない——きつく締めれば効果が上がるものではありません。苦しさは体からのサインです
- サイズを確認する——おなかは大きくなっていくので、途中で合わなくなることがあります
- 暑い季節は無理をしない——蒸れやかぶれの原因になることがあります
- 健診で相談してもいい——気になることがあれば、助産師さんに聞いてしまうのがいちばん早いです
体を締めつけることに不安がある方、着けていて張りを感じる方は、その時点で外して、次の健診で相談してください。
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いつからいつまで着けるもの?
これも決まりはありません。戌の日をきっかけに使い始める方が多いのですが、それより早く使い始めても、まったく使わなくても問題ありません。
実際には、おなかが大きくなって重さを感じるようになってから使い始める方が多いようです。逆に、暑い季節や体調によっては途中でやめる方もいます。
産後については、腹帯とは別に骨盤ベルトなど産後向けのものがあります。妊娠中のものをそのまま産後に使えるとは限らないので、産院で確認してください。
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腹帯は誰が買うもの?
検索でとても多い疑問です。昔は妻の実家(母方)が用意するものとされてきました。ただし現在は決まった形はなく、実際には次のようにさまざまです。
- 自分たちで用意する——いちばん多い形です。使いやすいものを自分で選べます
- どちらかの実家が贈る——お祝いとして贈られることがあります
- 社寺で授与されたものを使う——祈祷とセットになっている場合があります
迷ったときは、「自分たちで使いやすいものを買って、いただいたものは記念にとっておく」と決めてしまうと角が立ちません。実家から「用意しようか」と言われたら、素直に甘えてしまってよいと思います。
誰と行く?どちらの親が行くの?
昔の慣習と、いまの実際
昔は妻の実家の母親が同行するという形が一般的だったといわれます。腹帯を実家が用意する習わしと結びついていたためです。
ただし現在は、そこにこだわらない家庭がほとんどです。「どちらの親が行くべきか」で悩む必要はありません。
実際に多いのは「夫婦だけ」
いま多いのは、夫婦ふたりで行く形です。理由もはっきりしていて、そのほうが体調に合わせて動けるからです。人数が増えるほど、休憩を挟みにくくなり、予定も動かしづらくなります。
もちろん、両家の親と一緒に行くのも、ひとりで行くのも自由です。誰と行くかより、無理のない形かどうかで決めてください。
両家の希望が分かれたとき
「どちらの親も来たがっている」「片方だけ呼ぶと角が立つ」——これも実際によくある悩みです。現実的な落としどころをいくつか。
- 参拝は夫婦だけ、食事から合流してもらう——移動と待ち時間の負担が減ります
- 写真を送る——参加できなくても、報告があれば気持ちは伝わります
- 「体調が読めないので」を理由にする——実際そのとおりですし、いちばん角が立ちません
ちなみ(元看護師)
初穂料はいくら?のし袋はどう書く?
金額は社寺によって決まっていることが多い
祈祷を受けるときに納めるお金を初穂料(はつほりょう)といいます。お寺の場合は祈祷料などと呼ばれることもあります。
金額は社寺が明示していることが多いので、まず公式サイトを確認してください。「◯円から」と幅がある場合や、金額によって授与品が変わる場合もあります。相場をネットで探すより、参拝先に直接確認するほうが確実です。
のし袋の基本
用意する場合の一般的な形です。
- 紅白の蝶結び(花結び)ののし袋を使う——何度あってもよいお祝いに使う結び方です
- 表書きは「初穂料」「御初穂料」——お寺なら「御祈祷料」など。参拝先に合わせます
- 下段に夫婦の姓、または夫婦連名
- 中袋に金額と住所・氏名
ただし社寺によっては、のし袋を使わず受付で直接納める形のところもあります。ここも事前確認が確実です。
当日の流れ
- 受付で申し込む——申込書に名前や住所を書きます
- 初穂料を納める
- 待機する——戌の日は混み合うので待つことがあります
- 祈祷を受ける——15〜30分程度が目安
- お守りやお札、腹帯などを授かる
この「待機する」がいちばん体力を使います。次のセクションで詳しく書きます。

参拝先はどう選ぶ?——妊婦目線のチェックポイント
「有名な神社に行くべき?」と考えてしまいがちですが、妊娠中の体で行くことを前提にすると、選ぶ基準は変わってきます。
いちばん大事なのは「近さ」
遠方の有名な社寺まで長時間かけて行くより、近くて移動が短い場所のほうが体は圧倒的に楽です。長距離移動は、それ自体が妊娠中の負担になります。
気持ちの区切りとして行うものなので、「有名かどうか」で御利益が変わるものではありません。近所の神社で安産祈願を受け付けているところがあれば、そこで十分です。
確認しておきたい5つのこと
- 予約が必要か/当日受付か——戌の日は制度を変えている社寺があります
- 待合に座れる場所があるか——立って待つ時間を減らせるかどうかは大きな差です
- 駐車場があるか——戌の日は満車になりがち。公共交通機関のほうが確実なこともあります
- 境内に階段や砂利が多いか——バリアフリーの状況は公式サイトの写真である程度わかります
- トイレの数と場所——妊娠中は近くなるので、これは切実です
電話で聞いてしまうのがいちばん早いです。「妊娠5か月で伺いたいのですが」と伝えれば、必要な情報を向こうから教えてくれることがほとんどです。安産祈願を扱っている社寺は、妊婦さんの対応に慣れています。
移動手段は「座れるか」で決める
電車で行く場合、座れるかどうかは体調を大きく左右します。ラッシュを避ける、始発駅から乗る、といった工夫ができるとかなり違います。マタニティマークをつけておくと、席を譲ってもらえることもあります。
車の場合は、長時間同じ姿勢にならないよう休憩をはさむこと。シートベルトは正しく着用してください。
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大安や仏滅は気にしたほうがいい?
戌の日と六曜は、別のもの
「戌の日だけど仏滅だから避けたほうがいい?」という疑問をよく見かけます。戌の日は十二支、大安や仏滅は六曜で、まったく別の暦の考え方です。両者に決まった関係はありません。
「戌の日かつ大安」の日は縁起がよいとして人気が集まり、その分混雑します。体のことを考えると、あえてそこを外すという判断も十分にあります。
気にする人と、気にしない人がいます
六曜を重視するかどうかは、家庭や地域によって差があります。ご自身が気にならないなら、気にしなくてかまいません。
一方で、親世代が気にする場合もあります。そのときは「混雑を避けたい」という体調上の理由を先に伝えると、話がまとまりやすいと思います。
服装はどうする?
きちんとしすぎなくて大丈夫
「正装で行くべき?」と迷う方が多いのですが、スーツやフォーマルでなければいけないということはありません。神聖な場所なので極端に露出の多い服装は避ける、という程度で十分です。
目安としては「きれいめのふだん着」くらい。ワンピースやブラウスにゆったりしたパンツ、といった服装の方が多いです。
体調優先で選ぶポイント
服装選びでいちばん優先してほしいのは、見た目より体への負担です。
- 締めつけない服——ウエストがゴムのもの、ゆとりのあるもの
- 歩きやすい靴——ヒールは避けてください。境内は砂利や階段が多く、雨のあとは滑ります
- 脱ぎ着で調節できる重ね着——待ち時間の寒暖差に対応できます
- 荷物は軽く——母子健康手帳と保険証は忘れずに
とくに靴は本当に大事です。妊娠中は体のバランスが変わっていて、転倒しやすくなっています。おしゃれより安全を選んでください。
季節ごとの注意
- 夏——境内は日陰が少ないことがあります。帽子・日傘・飲み物を。待ち時間の熱中症に注意
- 冬——本殿は冷えます。羽織るものとカイロを。ただしおなかを直接温めすぎないよう注意
- 雨の日——足元がとにかく滑ります。無理せず日を変える判断も
当日の体調管理——この記事でいちばん大事なところ
ここまで作法の話をしてきましたが、いちばん大切なのはここです。参拝は、体調が許す範囲でするものです。
負担になりやすいのは「待ち時間」
戌の日、とくに戌の日と土日が重なる日は非常に混雑します。祈祷そのものは短くても、受付から祈祷まで長時間待つことがあります。
妊娠中に立ちっぱなしで待つのは、想像以上に体にこたえます。事前に次のことを確認しておいてください。
- 待合に座れる場所があるか
- 予約や整理券の制度があるか
- 混雑を避けられる時間帯はあるか——平日や午前中が比較的空いていることが多いです
- トイレの場所——妊娠中は近くなります
あえて戌の日を外して平日に行くという選択も、まったく問題ありません。むしろ体のことを考えれば、そのほうが合理的です。
持ち物リスト
| 持ち物 | なぜ必要か |
|---|---|
| 母子健康手帳 | 体調が悪くなったときに、経過がすぐ伝わります |
| 健康保険証・診察券 | 受診が必要になったときのために |
| 初穂料 | のし袋の要否は参拝先に確認 |
| 飲み物 | 待ち時間の水分補給。夏はとくに |
| 羽織るもの | 本殿や待合の冷え、季節の寒暖差に |
| 軽い食べもの | 待ち時間が長引いたとき、空腹で気分が悪くなるのを防ぎます |
| 腹帯(持参する場合) | 祈祷してもらう場合。事前に扱いを確認 |
| エコバッグ | 授与品が意外とかさばります |
母子健康手帳と保険証は、お出かけのときは常に持ち歩くのが基本です。戌の日に限った話ではありませんが、人の多い場所へ行く日はとくに忘れないでください。
母子手帳はいつもらう?もらい方・持ち物・「まだ早い」と言われる理由を元看護師が解説
祈祷中はどう過ごす?
祈祷は正座を求められることがあります。妊娠中の正座は苦しいので、その場合は遠慮なく伝えてください。椅子を用意している社寺も多く、申し出れば対応してもらえることがほとんどです。
「言いにくい」と感じるかもしれませんが、社寺の側は妊婦さんが来ることを前提にしています。受付のときに「妊娠中なので椅子をお借りできますか」と伝えておくのがいちばんスムーズです。
途中で気分が悪くなったら、祈祷中でも中座してかまいません。無理に最後まで座っている必要はありません。
休憩と水分を先に決めておく
「疲れたら休む」ではなく、最初から休憩を予定に入れておくほうが確実です。疲れを感じたときには、もう限界に近いことがあるからです。
- 移動の途中で1回、参拝後に1回、休憩をとると決めておく
- 飲み物を必ず持参する
- 食事の予約を入れるなら、時間に余裕をもたせる
- 予定を1日に詰め込まない——写真撮影や買い物を同日にしない
こういうときは、行かない・中断する
無理をしないための判断基準を持っておいてください。
- おなかの張りが続いている——こども家庭庁の情報サイトでも、おなかの張りはしばらく安静にして様子をみるよう案内されています
- 出血がある
- 破水が疑われる——すぐに医療機関へ連絡してください
- 強い腹痛がある
- 気分が悪い・立ちくらみがする
- 発熱している
当日そうなったら、途中でやめてかまいません。お参りは日を改められますが、体は替えがききません。
参考 妊娠中に気をつけたいサインこども家庭庁「妊娠中の検査に関する情報サイト」
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行かない・行けないという選択
行かなくても、まったく問題ありません
はっきり書きます。戌の日の安産祈願は、行かなければならない行事ではありません。行かなかったからといって、何かが足りないということはまったくありません。
体調が許さない、仕事が休めない、上の子の預け先がない、経済的に余裕がない、そもそも興味がない——どれも十分な理由です。
代理で参拝してもらう方法
本人が行けない場合、家族が代わりに参拝して祈祷を受けることを認めている社寺もあります。母子健康手帳や腹帯を預けて祈祷してもらう、という形をとるところもあります。
対応しているかどうかは社寺によるので、電話で「本人が体調により行けないのですが」と相談してみてください。慣れている社寺なら、その場で案内してもらえます。
気づいたら時期を過ぎていた、というとき
「バタバタしていて、気づいたら6か月に入っていた」——これもよくあります。まったく問題ありません。
繰り返しになりますが、5か月の戌の日でなければならないという決まりはありません。思い出したときが、その人にとっての時期だと考えて大丈夫です。安産祈願は妊娠後期でも受け付けている社寺がほとんどです。
むしろ「やらなかったこと」を気に病むほうが、体にはよくありません。行事は、気持ちを軽くするためのものです。重荷になっているなら、その時点で本来の意味から離れています。
日をずらす、郵送やオンラインを使う
- 戌の日以外の日に行く——空いていて、むしろ落ち着いてお参りできます
- 妊娠6か月・7か月に行く——時期をずらしても問題ありません
- 郵送での祈祷を受け付けている社寺を探す——申し込むと授与品が送られてくる形です
- お守りだけ授かる——祈祷を受けずに参拝だけ、という形でもかまいません
形式より、「無事に生まれてきてほしい」と願う気持ちのほうが本体です。そこは行き方によって変わりません。

よくある疑問
上の子を連れて行っていい?
もちろん問題ありません。ただし待ち時間に子どもが飽きることは想定しておいてください。祈祷中は静かにする必要があるので、小さいお子さんがいる場合は家族に交代で見てもらう形にしておくと安心です。
上の子の預け先が確保できるなら、預けて夫婦だけで行くほうが体は楽です。
仕事を休んで行くべき?
無理に休む必要はありません。土日に行く、日をずらす、行かない——どれも選べます。
なお、働く妊婦さんには健康診査を受けるための時間を確保する仕組みが用意されています。これは健診のためのものですが、体調がすぐれないときに勤務を調整する仕組みもあります。行事のためというより、体調管理のために使える制度があることは知っておいてください。
写真を撮りたい
記念に残したい気持ちはとてもよくわかります。ただし参拝と撮影を同じ日に詰め込むと、確実に疲れます。
境内は撮影が禁止されている場所もあるので、必ず確認してください。撮影をしっかりしたいなら、別の日に、体調のいいときに組むほうが結果的にきれいに残せます。
安産祈願のお守りはどうすればいい?
身につける、母子健康手帳に挟む、入院バッグに入れるなど、扱い方は自由です。出産後は、授かった社寺にお返しする(納める)のが一般的な形とされています。遠方の場合は郵送を受け付けているところもあります。
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行事どころではない、と感じているとき
最後に、この記事の読者のなかに一定数いるはずの方へ書きます。
「安産祈願をする気持ちになれない」
経過に不安があるとき、以前につらい経験をしたことがあるとき、体調が続かないとき——お祝いごとの空気そのものがつらいということがあります。周りが盛り上がるほど、置いていかれるような気持ちになることもあります。
その気持ちは、まったくおかしなものではありません。行事に気持ちを合わせられないことを、自分の落ち度のように受け取らないでください。
家族に説明しづらいときの伝え方
親世代に「なぜやらないのか」と言われて困る、という相談もよくあります。使いやすい言い方をいくつか挙げておきます。
- 「先生に無理をしないように言われている」——実際、体調が優先だという説明は健診でも受けます
- 「混雑する日を避けたい」——事実であり、反論しづらい理由です
- 「落ち着いてからにしたい」——やらないとは言っていないので、角が立ちません
- 「お守りだけ授かってきた」——形を小さくして納得してもらう方法です
相談できる場所があります
妊娠中の不安や、家族との関係で消耗しているとき、自治体の母子保健の窓口に相談できます。こども家庭庁は、市区町村が妊娠期から子育て期までの相談に応じる仕組みを整えていることを案内しています。
「行事のことで悩んでいる」という入口でもかまいません。話しているうちに、本当に困っていることが整理されることがあります。母子健康手帳をもらったときに渡された案内に、連絡先が載っているはずです。
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ちなみから|行事より、その日の体を優先してください
私は上の子のときに、両家の親を誘って戌の日に参拝しました。ちょうど土曜日と重なって、境内はものすごい人でした。受付から祈祷まで1時間以上立って待ち、そのあと食事に移動して——家に帰るころには、正直へとへとでした。
下の子のときは、あえて戌の日を外して平日に、夫とふたりで行きました。人がいなくて、静かで、あっという間に終わって。こちらのほうがずっとよかったというのが、二度やってみての実感です。
戌の日は、家族にとっては「お祝いの日」です。だから周りは張り切りますし、悪気なく予定を足していきます。でも、その日いちばん体に負担がかかっているのは妊婦さん本人です。
だから、この記事でひとつだけ持ち帰ってもらえるなら——日程も、人数も、行くかどうかも、体調を基準に決めていいということです。それは我がままではなく、いま優先すべきことです。
まとめ|決まりは少なく、選べる部分が多い行事です
- 戌の日は12日に一度めぐってくる日で、月に2〜3回ある。犬にあやかる文化的な習わしであり、医学的な決まりではない
- 日付は毎年変わるので参拝先の公式サイトなどでその都度確認する
- 妊娠5か月=妊娠16週0日〜19週6日。つわりが落ち着く人が多い時期だが、「安定期」は「何があっても安全」という意味ではない
- 5か月ちょうどでなくてよい。6か月でも7か月でも、戌の日以外でもかまわない
- 腹帯は習慣として受け継がれてきたもの。着けて楽なら使い、苦しければ外す。締めすぎない。気になれば健診で相談
- 腹帯は昔は妻の実家が用意したが、いまは自分たちで選ぶのがいちばん多い
- 同行者は夫婦だけが多数派。誰と行くかより無理のない形かで決める
- 初穂料は社寺が金額を示していることが多いので、相場を探すより参拝先に直接確認する
- 服装はきれいめのふだん着で十分。ヒールは避ける——境内は砂利と階段が多い
- いちばんの負担は待ち時間。あえて戌の日を外して平日に行くのは合理的な選択
- おなかの張り・出血・破水感・強い腹痛・気分不良・発熱があれば、参拝より受診と休養を優先
- 行かないという選択も、代理参拝も、日をずらすのも、すべてあり
調べるほど「こうしなければいけない」が出てくるテーマですが、実際には決まりは驚くほど少なく、選べる部分がほとんどです。その日いちばん体がつらいのは自分だということを思い出して、無理のない形を選んでください。
よくある質問(戌の日の安産祈願|FAQ)
Qなぜ妊娠5か月の戌の日に安産祈願をするのですか?
A.犬はお産が軽くたくさんの子を産むことから安産の象徴とされ、それにあやかる習わしが続いてきたためです。妊娠5か月(妊娠16週0日〜19週6日)が選ばれるのは、つわりが落ち着き体調が安定してくる人が多く、おなかもふくらんで妊娠を実感しやすい時期だからです。ただしこれは文化的な習わしであって、医学的な決まりではありません。5か月ちょうどでなくても、6か月でも7か月でも、戌の日以外の日でもまったく問題ありません。
Q腹帯は必ず用意しないといけませんか?
A.帯祝いという名前のとおり腹帯は行事の中心にありますが、これは習慣として受け継がれてきたもので、医学的に必ず着けなければならないと決まっているものではありません。着けるかどうかも種類も、体調と使い心地で選んでかまいません。さらしタイプのほか、腹巻き・パンツ・ベルトなどがあり、祈祷のときだけさらしを使い、ふだんは着けやすいタイプにする方も多くいます。着けて楽なら使い、苦しかったり張りを感じたりするなら外して、次の健診で相談してください。締めれば効果が上がるものではないので、締めすぎないことも大切です。
Q腹帯は誰が買うものですか?
A.昔は妻の実家(母方)が用意するものとされてきましたが、現在は決まった形はありません。実際にいちばん多いのは自分たちで用意する形で、使いやすいものを自分で選べるという利点があります。どちらかの実家がお祝いとして贈る場合や、社寺で授与されたものを使う場合もあります。迷ったときは「自分たちで使いやすいものを買って、いただいたものは記念にとっておく」と決めてしまうと角が立ちません。
Q安産祈願はどちらの親と行くのですか?
A.昔は妻の実家の母親が同行する形が一般的だったといわれますが、現在はそこにこだわらない家庭がほとんどです。実際に多いのは夫婦ふたりで行く形で、そのほうが体調に合わせて動けるからです。人数が増えるほど休憩を挟みにくくなり、予定も動かしづらくなります。両家の希望が分かれたときは、参拝は夫婦だけにして食事から合流してもらう、写真を送る、といった形が現実的です。「体調が読めないので」という理由は言い訳ではなく事実なので、遠慮なく使ってください。
Q初穂料はいくら包めばいいですか?
A.金額は社寺が明示していることが多いので、まず参拝先の公式サイトを確認してください。「◯円から」と幅がある場合や、金額によって授与品が変わる場合もあります。相場をネットで探すより、参拝先に直接確認するほうが確実です。のし袋を用意する場合は、紅白の蝶結びのものに「初穂料」「御初穂料」と書き(お寺なら「御祈祷料」など参拝先に合わせます)、下段に夫婦の姓か連名を書きます。ただし、のし袋を使わず受付で直接納める形の社寺もあります。
Q服装に決まりはありますか?
A.スーツやフォーマルでなければいけないということはありません。神聖な場所なので極端に露出の多い服装は避ける、という程度で十分で、きれいめのふだん着くらいが目安です。それよりも体への負担を優先してください。締めつけない服、脱ぎ着で調節できる重ね着、そして何より歩きやすい靴を選んでください。ヒールは避けてください。境内は砂利や階段が多く、雨のあとは滑りますし、妊娠中は体のバランスが変わって転倒しやすくなっています。
Q戌の日は混みますか?体調が心配です。
A.とくに戌の日と土日が重なる日は非常に混雑します。祈祷そのものは15〜30分程度でも、受付から祈祷まで長時間待つことがあり、妊娠中に立ちっぱなしで待つのは想像以上に体にこたえます。待合に座れる場所があるか、予約や整理券の制度があるか、トイレの場所を事前に確認しておいてください。平日や午前中は比較的空いていることが多く、あえて戌の日を外して平日に行くのは、体のことを考えればむしろ合理的な選択です。
Q体調が悪くて行けません。どうすればいいですか?
A.行かなくてもまったく問題ありません。戌の日の安産祈願は行かなければならない行事ではなく、行かなかったからといって何かが足りないということはありません。方法もいくつかあります。家族に代理で参拝してもらう(対応しているか社寺に電話で相談してください)、戌の日以外の日や妊娠6〜7か月にずらす、郵送での祈祷を受け付けている社寺を探す、祈祷を受けずにお参りとお守りだけにする、などです。おなかの張りが続く、出血がある、破水が疑われる、強い腹痛、気分不良、発熱があるときは、参拝より受診と休養を優先してください。
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