「つわりがつらくて、何を食べればいいのか分からない」「食べられるものが日替わりで、買ってきても食べられない」「食べていないと気持ち悪い食べづわり、何を口にすればいいの?」「吐いてばかりで、赤ちゃんに栄養が届いているのか心配」――そんな気持ちでこの記事にたどり着いてくださったあなたへ。まずは、つらいなか、よくここまで調べに来てくださいました。
はじめまして、ちなみです。元看護師として病院勤務を経験し、現在は妊活・妊娠・子育てを中心に情報発信している男女2児のママです。看護師時代、「つわりで何も食べられない」「水も飲めない」と不安を抱えて来られる妊婦さんに、本当にたくさん接してきました。そして私自身も、2人の妊娠でつわりを経験し、食べられるものを探して毎日のように悩んだ時期がありました。だからこそ、この「何を食べればいいの?」という切実な悩みに、できるだけ実用的に、そして中立にお答えしたいと思っています。
最初に、いちばん大切なことをお伝えします。つわり中に食べられるもの・食べられる量は個人差が極めて大きく、食事の量やつわりの有無だけで、赤ちゃんの発育や流産を判断することはできません。「食べられないから赤ちゃんに影響が出る」と思いつめなくて大丈夫。この記事では、つわりのタイプ別に食べやすいもの・乗り切り方を整理していきますね。なお、つわりがいつから・いつまで続くのか、ピークの時期といった時系列のお話は、別の記事で詳しくまとめていますので、そちらもあわせてご覧ください。
ちなみ(元看護師)
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つわり中でも食べやすいものの基本の考え方
具体的な食べ物の前に、まず「つわり中の食事の基本」を整理しておきますね。ここが分かっていると、何を食べるか迷ったときの軸ができて、気持ちがずいぶん楽になります。
「食べられるものを・食べられるときに・食べられるだけ」でいい
つわりの時期は、「妊婦なんだから栄養をしっかり摂らなきゃ」と自分を追いつめてしまいがちです。でも、つわりの間は、栄養バランスを完璧にすることより、まず食べられるものを口にできることのほうが大切とされています。野菜が食べられなくても、ご飯が進まなくても、今は「食べられるものでしのぐ」時期だと割り切って大丈夫です。
赤ちゃんは、つわりの時期はおもにママの体に蓄えられた栄養から育つと言われています。だから「今日はゼリーしか食べられなかった」という日があっても、自分を責めないでくださいね。葉酸やバランスのよい食事は、つわりが落ち着いてからで間に合うことが多いとされています。
一度にたくさんより「少量頻回」
つわり中の食べ方のコツとしてよく挙げられるのが、「少量頻回(しょうりょうひんかい)」――一度にたくさん食べず、少しずつ回数を分けて食べる方法です。胃が空っぽになると気持ち悪くなりやすい方も、満腹になると吐きやすい方も、少量をこまめに口にすることで波をやわらげやすいと言われています。
たとえば、3食にこだわらず、小さなおにぎりやクラッカーを少しずつ何回かに分けて食べる、枕元に一口つまめるものを置いておく、といった工夫です。「ちゃんと一食分食べなきゃ」と気負わず、ちょこちょこ食べでいいんだ、と思えると気が楽になりますよ。
冷たい・さっぱり・においの少ないものが選ばれやすい
つわり中は、においに敏感になる方が多く、あたたかい料理の湯気やにおいで気持ち悪くなりやすいと言われています。そのため、冷たいもの・さっぱりしたもの・においの少ないものが選ばれやすい傾向があります。ご飯も炊きたてより、冷やごはんやおにぎりのほうが食べやすいという声はよく聞かれます。
ただし、これも人それぞれです。あたたかいスープのほうがほっとする、という方もいます。次の章からは、つわりのタイプ別に「どんなものが食べやすいか」を整理していきますね。妊娠初期の症状全体が気になる方は、症状をまとめた記事もあわせてどうぞ。
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つわりのタイプ別・食べやすいものと食べ方の工夫
つわりには、いくつかのタイプがあると言われています。食べづわり・吐きづわり・においづわり・よだれづわりなどが代表的です。タイプによって食べやすいものや工夫が変わるので、自分に近いものを参考にしてみてくださいね。ただし、タイプは重なったり、時期によって変化したりすることもあるので、「自分はこのタイプ」と決めつけず、ゆるく目安にしてください。
食べづわり(食べていないと気持ち悪い)
「食べづわり」は、空腹になると気持ち悪くなり、何かを食べていないとつらいタイプです。「食べつわり」と書かれることもあります。胃が空っぽの状態が続くと吐き気が強くなりやすいため、こまめに少しずつ口にして、空腹の時間を作らない工夫が役立つと言われています。
とはいえ、食べづわりで悩ましいのが「食べ続けると体重が増えてしまうのでは」という心配ですよね。そんなときは、こんにゃくゼリー・寒天・野菜スティック・茎わかめ・小さなおにぎり・無糖のヨーグルトなど、少量でも満たされやすく、カロリーが高くなりすぎないものを選ぶ方が多いようです。寝起きに気持ち悪くなりやすい方は、枕元にクラッカーやビスケットを置いて、起き上がる前に一口食べると楽になることがあると言われています。体重については後の章でも触れますが、つわりの時期の増減に神経質になりすぎなくて大丈夫ですよ。
吐きづわり(食べると吐く)
「吐きづわり」は、食べたり飲んだりすると吐いてしまうタイプです。「せっかく食べてもすぐ吐いてしまう」とつらくなりますよね。このタイプで何より優先したいのは、食べることよりも水分をとることです。食べられるものが少なくても、こまめに水分を口にできていれば、まずは大丈夫なことが多いとされています。
食べるものは、においの少ない冷たいもの・のどごしのよいものが選ばれやすい傾向があります。冷たいゼリーやシャーベット、冷やした果物、つるっと食べられる冷たい麺類などです。「これなら食べられた」というものを見つけたら、しばらくそればかりでも構いません。吐いてしまっても、あなたの努力が足りないわけではありません。食べられたぶんで十分、と考えてくださいね。水分もとれないほどのときは、後の章の受診の目安を確認してください。
においづわり(においで気持ち悪くなる)
「においづわり」は、食べ物や炊きたてご飯、生活のなかのさまざまなにおいで気持ち悪くなるタイプです。とくに、あたたかい料理の湯気やご飯が炊けるにおいがつらい、という声はよく聞かれます。対策としては、料理を冷ましてから食べる・冷やごはんやおにぎりにする・においの強い食材を避けるといった工夫が挙げられます。
調理そのものがつらいときは、無理に自分で作ろうとせず、家族やパートナーに頼ったり、お惣菜やレトルトに頼ったりして大丈夫です。換気をする、マスクをして調理やお買い物をする、といった方法でにおいをやわらげる方もいます。「手抜き」だなんて思わないでくださいね。今は乗り切ることが何より大切な時期です。
よだれづわり(唾液が増える)
「よだれづわり」は、唾液が増えて飲み込みづらくなったり、唾液のにおいや感覚で気持ち悪くなったりするタイプです。あまり知られていませんが、悩まれる方は少なくありません。唾液を飲み込むのがつらいときは、無理に飲み込まず、こまめに吐き出す方もいます。
口の中をさっぱりさせるために、ミントのタブレットやガム、氷、レモン水、炭酸水で口をゆすぐといった工夫が役立つことがあると言われています。水分補給を兼ねて、冷たい飲み物を少しずつ口にするのもよいでしょう。よだれづわりがつらくて水分や食事がとれない、眠れないほどつらいといったときは、我慢せず産婦人科に相談してくださいね。
つわり中に食べやすい食べ物リスト
ここでは、つわり中に「食べやすい」とよく挙げられる食べ物を、種類別に整理しますね。あくまで一般的な傾向で、「これを食べれば必ず楽になる」というものではなく、食べやすいと感じる方が多いというだけです。同じ食べ物でも、ダメな人にはダメなので、「合いそうなものを試してみる」くらいの気持ちで見てください。
炭水化物(おにぎり・うどん・パン・そうめん)
つわり中の主役になりやすいのが、ご飯やパン、麺類などの炭水化物です。なかでも、冷やごはんのおにぎり、つるっと食べられるうどん・そうめん、トーストやプレーンなパン、お茶漬けなどは「食べやすかった」という声が多く聞かれます。塩気のあるおにぎりやおせんべいは、口の中がさっぱりして食べやすいという方もいます。
あたたかいご飯のにおいがつらい方は、冷ましてからにする、ラップで握って手早く食べるなどの工夫を。麺類はのどごしがよく、吐きづわりの方にも選ばれやすい傾向があります。
冷たいもの・のどごし系(ゼリー・アイス・冷たい果物)
冷たくてのどごしのよいものは、つわり中の強い味方です。ゼリー、シャーベット、アイス、冷たいプリン、冷やした果物などは、においが少なく、口当たりがさっぱりしているため食べやすいと感じる方が多いようです。「食事はとれないけれどゼリーなら食べられた」という日があっても大丈夫。水分補給も兼ねられます。
糖分の多いものばかりが続くと気になる方もいるかもしれませんが、つわりの時期は「食べられるものを優先してよい」時期です。神経質になりすぎず、まずは口にできるものを大切にしてくださいね。
果物・酸味やさっぱり系(りんご・グレープフルーツ・トマト・梅干し)
さっぱりした酸味のあるものも、つわり中に好まれやすい食べ物です。りんご、グレープフルーツ、みかん、いちご、バナナなどの果物や、トマト、酢の物、梅干し、レモンを使ったものなどが挙げられます。冷やすとさらに食べやすくなることもあります。水分も一緒にとれるのもうれしいところです。
ただし、梅干しや漬物などは塩分が多くなりやすいので、食べすぎには少しだけ気をつけてくださいね。あくまで「さっぱりして食べやすいものの一つ」として、量はほどほどにするのがおすすめです。
たんぱく質・汁物(冷奴・茶碗蒸し・スープ・みそ汁)
「お肉や魚はにおいがつらい」というときでも、口当たりのやさしいたんぱく質なら食べられることがあります。冷奴、茶碗蒸し、卵豆腐、温泉卵、無糖ヨーグルトなどです。汁物では、みそ汁やコンソメスープ、具を少なめにしたあっさりしたスープが、水分と一緒に栄養もとれて食べやすいという方もいます。
無理にバランスよく食べようとしなくて大丈夫。「今日はこれなら食べられた」が積み重なれば十分です。食べられるものが偏っても、つわりの時期は割り切ってかまいません。
先輩ママが実際に食べられたもの
「つわり 食べれたもの」と検索して、ほかの人が何を食べていたのか知りたくなる気持ち、よく分かります。ここでは、先輩ママの間でよく名前が挙がる「食べられたもの」を、一般的な傾向としてご紹介しますね。順位や数で『これが一番』と断定するものではなく、あくまで『よく挙げられるもの』として参考にしてください。
定番でよく名前が挙がるもの
先輩ママの体験談でよく挙がるのは、次のようなものです。あくまで「よく挙げられる」という傾向で、合うかどうかは人それぞれです。
- フルーツ(りんご・グレープフルーツ・冷やしたみかんなど)
- ゼリー・シャーベット・アイス
- 冷たい麺類(そうめん・うどん・冷やし中華)
- おにぎり・お茶漬け・おせんべい
- トマト・プチトマト
- 炭酸水・炭酸飲料
- ヨーグルト
共通しているのは、「冷たい」「さっぱり」「においが少ない」「のどごしがよい」ものが多い、という点です。気になるものから少しずつ試してみると、自分に合うものが見つかるかもしれません。
意外と挙がる「ジャンクなもの」も罪悪感を持たなくていい
体験談で意外とよく挙がるのが、ポテト・フライドポテト・ハンバーガー・カップ麺・スナック菓子といった、ふだんなら控えめにしたいものです。「妊婦なのにこんなものばかり食べて大丈夫かな」と罪悪感を持つ方もいますが、つわりの時期に食べられるものでしのぐのは、悪いことではありません。食べられるものがそれしかないなら、まずはそれでエネルギーと水分をとれれば十分です。
つわりが落ち着いてくれば、自然と食べられるものが増えてきます。今は「食べられた自分」をほめてあげてくださいね。栄養バランスの立て直しは、つわりが明けてからで間に合うことが多いとされています。
同じ食べ物でも正反対|個人差が大きい
大切なのは、ランキングや先輩ママの体験は、あくまで参考であって、あなたに当てはまるとは限らないということです。ある人が「これで救われた」というものが、別の人にはまったく受けつけない、ということはよくあります。同じ果物でも、昨日は食べられたのに今日はダメ、ということも珍しくありません。
だから、リストに食べられるものがなくても落ち込まないでください。「自分のつわりは自分にしか分からない」もの。いろいろ試すなかで、あなたなりの「これなら食べられる」を見つけていけば大丈夫です。

つわり中の飲み物・水分のとり方
つわりの食事でいちばん大切なのが、実は「水分をとること」です。食べられないこと以上に注意したいのが脱水(だっすい)で、つわりがつらいときほど、ここを意識してほしいと思います。
食べられなくても水分が最優先
つわりで食べられない日が続いても、水分さえこまめにとれていれば、当面は大きく心配しなくてよいことが多いとされています。逆に、いちばん気をつけたいのは、吐き気で水分もとれなくなり、脱水が進んでしまうことです。「食べなきゃ」と思いつめる前に、「まず飲めているかな」と確認してあげてください。
一度にたくさん飲むと吐いてしまう方は、ひとくちずつ、こまめに。氷を口に含む、スプーンで少しずつ、といった方法でも構いません。少しずつでも飲めていれば大丈夫です。
飲みやすいもの(経口補水液・麦茶・炭酸水・冷たい水)
つわり中に飲みやすいとよく挙げられるのは、経口補水液、麦茶、炭酸水、レモン水、薄めたスポーツドリンク、冷たい水などです。とくに、吐いてしまって水分や塩分が失われやすいときは、経口補水液が水分と電解質を補いやすいとされています。炭酸水は、すっきりして飲みやすい・吐き気がまぎれるという声もあります。
「水のにおいや味がダメ」という方は、レモンやかんきつを少し搾る、冷やす、炭酸にするなどで飲みやすくなることがあります。あたたかい飲み物のほうがほっとする方は、麦茶やルイボスティーなどノンカフェインのものを。自分が飲めるものでかまいませんから、こまめに口にすることを意識してくださいね。
カフェイン・糖分のとりすぎは量と頻度で考える
飲み物で少し気にかけたいのが、カフェインと糖分です。妊娠中のカフェインは、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどを「とりすぎない」よう、量と頻度で考えるのがよいとされています。まったくのゼロにと神経質になる必要はありませんが、日常的にがぶがぶ飲むのは避けたいところです。心配な方はノンカフェインの飲み物を選ぶと安心です。
また、甘いジュースや炭酸飲料は飲みやすい一方、糖分が多くなりやすいので、水分補給のメインは無糖のお茶や水・経口補水液にして、甘い飲み物は「飲めるときのプラス」くらいに考えるとよいでしょう。とはいえ、つわりがつらくてそれしか飲めないときは、まず飲めることを優先して大丈夫です。
・水分もほとんど受けつけられない、飲んでもすぐ吐いてしまう
・尿の回数が減る・量が少ない・色が濃い
・1日に何度も吐く、吐いても何も出ないほど食べられない
・体重が短期間で大きく減った(目安としておよそ5%以上)
・立ちくらみ・強い倦怠感・ぼんやりするなど、ぐったりしている
「これくらいで受診していいのかな」と遠慮しなくて大丈夫。つわりは我慢するものではなく、つらいときは医療の力を借りていいんですよ。
妊娠初期の腹痛は大丈夫?チクチク・生理痛のような痛み・下腹部痛の見分け方を元看護師ちなみが解説
何も食べられないときの最低ライン
「何も食べられない。赤ちゃんは大丈夫なの?」――これは、つわりで悩む多くの方が抱える不安です。ここでは、食べられないときに「最低限ここだけ意識すれば大丈夫」というラインを整理しますね。
短期間なら過度に心配しなくてよいことが多い
くり返しになりますが、つわりの時期に一時的に食べられなくても、水分がとれていれば、多くの場合は過度に心配しなくてよいとされています。赤ちゃんは、この時期はおもにママの体に蓄えられた栄養から育つと言われており、「数日ゼリーしか食べられなかった」くらいで、すぐに発育に影響するわけではないと考えられています。
だから、食べられない自分を責めないでください。食べた量とつわりの有無で、赤ちゃんの発育や流産を判断することはできません。今は「水分をとって、食べられるものを少しでも口にする」ができていれば十分。完璧を目指さなくて大丈夫です。
それでも避けたい状態と、栄養はつわりが明けてから
一方で、水分もとれない・1日中吐く・体重が短期間で大きく減る・尿が出ないといった状態は、つわりの範囲を超えているサインです。前章の受診の目安にあてはまるときは、我慢せず受診してください。点滴などで水分や栄養を補うことで、ぐっと楽になる方もたくさんいます。
そして、葉酸やバランスのよい食事については、つわりが落ち着いてから整えていけば大丈夫とされています。今むりに栄養を詰め込もうとしなくていいんです。つわりが明けて食べられるようになったら、少しずつ妊娠中の食事や葉酸のことを考えていきましょう。そのときに役立つ記事も用意していますので、落ち着いたらのぞいてみてくださいね。
葉酸サプリの選び方完全ガイド|成分・飲み方・いつから・男性も?元看護師が解説
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つわり中に避けたい・注意したい食べ物
つわり中は「食べられるものを優先してよい」時期ですが、妊娠中という観点で、いくつか注意しておきたい食べ物があります。「絶対に食べてはいけない」と神経質になるのではなく、量と頻度で考えるのが基本です。つわりでそれどころではないときは、まず食べられるものを優先して大丈夫ですよ。
生もの・加熱不足のもの
妊娠中は、生肉・加熱不足の肉、生魚、生卵、加熱していないナチュラルチーズ、生ハムなどは、食中毒やリステリア・トキソプラズマといった感染のリスクの観点から、控えめにするほうがよいとされています。これはつわりに限らず妊娠期間を通しての一般的な注意点です。
とはいえ、つわり中はそもそも生ものを受けつけない方も多いので、過度に心配しすぎないでくださいね。気になるときは、よく加熱したものを選ぶ、と覚えておけば十分です。
カフェイン・アルコール
アルコールは、妊娠中は控えるのが基本とされています。これは量にかかわらず避けたいものです。一方、カフェインは「とりすぎない」よう量と頻度で考えるもので、ゼロにと神経質になる必要はないとされています。コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどを日常的に多くとるのは避け、心配な方はノンカフェインを選ぶと安心です。
水銀の多い大型魚・塩分や糖分のとりすぎ
妊娠中は、水銀を多く含むとされる一部の大型魚(一定の種類のまぐろ類など)は、食べる頻度に気をつけるとよいとされています。毎日たくさん食べるのでなければ過度に心配する必要はなく、いろいろな魚をバランスよく、が基本です。また、梅干しや漬物などの塩分、甘いものの糖分も、つわり中に偏りがちなので、落ち着いてきたら少しずつ整えていきましょう。
大切なのは、つわり中は「避けたいもの」より「食べられるもの」を優先してよいということ。神経質になりすぎて何も食べられなくなるより、食べられるものでしのぐほうが、今のあなたには大切です。詳しい食事の注意点は、公的な指針もあわせて参考にしてくださいね。
参考 妊娠中と産後の食事について(妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針)こども家庭庁
つわりと薬・市販薬の扱い
つわりがつらいと、「薬で少しでも楽になれないかな」と思うこともありますよね。ここは妊娠中ならではの注意が必要なところなので、中立に整理しておきます。
自己判断で市販薬を飲まない
つわりのつらさをやわらげようと、市販の吐き気止め・胃薬・酔い止めなどを自己判断で飲むことは避けてください。妊娠中は、使える薬・避けたほうがよい薬があり、市販薬のなかには妊娠中の使用に注意が必要なものもあります。「とりあえず手元の薬で」ではなく、「医師や薬剤師に相談してから」が安全です。
すでに飲んでいる薬がある方、持病で服薬中の方も、自己判断で中断したり続けたりせず、かかりつけの医師に相談してくださいね。
医療機関で相談できること・漢方やサプリも相談を
「つわりは我慢するもの」と思われがちですが、つらいときは産婦人科で相談できます。症状に応じて、妊娠中でも使える薬やビタミンB6を含むものなどが検討されることがあるとされています。具体的に何を使うかは、必ず医師の判断によります。「こんなことで受診していいのかな」とためらわず、つらさを正直に伝えてください。
また、漢方・サプリメント・民間療法なども、自己判断で使わず、医師や薬剤師に相談してから取り入れるのが安心です。「体によさそうだから」と思っても、妊娠中は念のため確認するのがおすすめです。
妊娠初期の出血は流産のサイン?色・量・生理のような出血の見分け方を元看護師ちなみが解説
働く妊婦のつわり中の食事・乗り切り方
仕事をしながらのつわりは、本当に大変ですよね。においや食事の制限がある職場で、どう食べてしのぐか――働く妊婦さんならではの工夫を整理しておきます。
職場で食べやすいもの・常備しておきたいもの
食べづわりで空腹がつらい方は、デスクや通勤バッグに、すぐ口にできるものを常備しておくと安心です。個包装のクラッカー、ビスケット、おにぎり、ラムネ、小袋のドライフルーツ、ゼリー飲料など、においが控えめで手早く食べられるものが向いています。会議や移動の合間にひとくち、と少量頻回で乗り切る方が多いようです。
水分も忘れずに。飲みやすい飲み物を手元に置いて、こまめに口にできるようにしておきましょう。においづわりの方は、マスクを活用したり、休憩時間に換気のよい場所で食べたりするのも一つの方法です。
つらいときは無理しない|母健連絡カードという選択肢
食事の工夫だけではどうにもならないほどつらいときは、無理をしないことがいちばんです。働く妊婦さんには、医師の指導内容を職場に伝えて勤務の調整などを相談できる「母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)」という仕組みがあります。つわりがつらくて勤務がしんどいときも、これを使って休憩や時短などを相談できる場合があります。
「迷惑をかけたくない」と無理を重ねてしまいがちですが、あなたの体と赤ちゃんを守ることが最優先です。職場への伝え方や制度の詳しいことは、つわりの時期や経過とあわせて別の記事でも触れていますので、参考にしてくださいね。
参考 母健連絡カードについて厚生労働省(働く女性の心とからだの応援サイト)
つわりはいつから?ピーク・いつまで続くかと症状・対処法を元看護師ちなみが解説
つわりの食事はいつ落ち着く?
「この食べられない時期、いつまで続くの?」と先が見えないと不安になりますよね。ここでは食事の観点から簡単に触れますが、つわりがいつから・いつまで続くか、ピークの時期といった詳しい時系列は、別の記事でまとめていますので、そちらをあわせてご覧くださいね。
多くは少しずつ食べられるものが増えていく
つわりの感じ方や続く期間には大きな個人差がありますが、多くの方は、安定期に向かうにつれて少しずつ食べられるものが増えていくと言われています。「ずっとゼリーしか食べられないままなのでは」と思うかもしれませんが、ある日ふと「これも食べられる」と感じる瞬間が訪れることが多いものです。今はその時期を待つ、くらいの気持ちでいてくださいね。
つわりはいつから?ピーク・いつまで続くかと症状・対処法を元看護師ちなみが解説
後期につらくなる場合もある|気になるときは受診を
一方で、いったん落ち着いたつわりが、妊娠後期に再び胃の不快感として出てくる(後期つわりと呼ばれることがあります)こともあります。その場合も、食べやすいものを少量頻回で、というつわり中の食事の基本は変わりません。食べられない・水分がとれない・ぐったりするといったときは、時期にかかわらず受診を考えてください。つわりは「いつまで我慢」と一人で抱えるものではなく、つらいときは頼っていいものですよ。

ちなみから|つわりの食事は、人それぞれでいい
最後に、私自身の経験を少しだけお話しさせてください。
私は2人の子を妊娠したとき、どちらもつわりを経験しました。でも、1人目と2人目で食べられるものがまるで違ったんです。1人目のときは、冷たい果物とそうめんばかり食べていました。あたたかいご飯のにおいがどうしてもダメで、家族には申し訳ないなと思いながら、自分は冷やごはんのおにぎりでしのいでいたのを覚えています。2人目のときは、なぜかポテトと炭酸水に救われて、「前回と全然違う」と自分でも驚きました。
だから、声を大にしてお伝えしたいのは、つわりで食べられるものは、本当に人それぞれで、同じ人でも妊娠ごとに違うということ。「私はこれで楽になったから、あなたも」とは言えません。あなたに当てはまるとは限らないからです。リストやランキングはあくまで参考にして、あなた自身の「これなら食べられる」を、焦らず見つけていってくださいね。
そして看護師時代、つわりで「何も食べられない」と涙ぐみながら来られる妊婦さんに、たくさん接してきました。みなさん一様に「赤ちゃんに栄養が届いているか心配で」とおっしゃいます。でも、食べられない時期があっても、その後を元気に経過された方がほとんどでした。だからどうか、食べられない自分を責めないで。今は乗り切ることが、いちばんの仕事です。
ちなみ(元看護師)
まとめ|つわりの食事は、食べられるものを食べられるときに
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。つらいなか、ご自分と赤ちゃんのために調べているあなたは、それだけで十分にがんばっています。最後に、大切なポイントをまとめますね。
- つわり中の食事は「食べられるものを・食べられるときに・食べられるだけ」が基本。栄養バランスは二の次でいい。
- 一度にたくさんより、少量頻回(こまめに少しずつ)が乗り切りやすい。
- 食べづわり・吐きづわり・においづわり・よだれづわりとタイプ別に工夫を。タイプは重なり・変化することもある。
- おにぎり・うどん・ゼリー・冷たい果物・さっぱり系・冷奴やスープなどが食べやすいとされるが、合うかは人それぞれ。
- 先輩ママのランキングは参考まで。ジャンクなものでしのいでも罪悪感を持たなくていい。
- いちばん大切なのは水分。脱水を防ぐことを最優先に、こまめに飲む。
- 水分もとれない・1日中吐く・体重が大きく減る・尿が出ないときは、妊娠悪阻の可能性。我慢せず受診を。
- 市販薬・サプリ・漢方・民間療法は自己判断で使わず、必ず医師・薬剤師に相談。
- 食べた量とつわりの有無で、赤ちゃんの発育や流産は判断できない。個人差が極めて大きい。
- 葉酸やバランスのよい食事は、つわりが落ち着いてからで間に合うことが多い。
つわりの食事は、思うようにいかなくて当たり前。完璧を目指さず、今日食べられたものを大切にしてください。つらいときは我慢せず、産婦人科を頼っていいんですよ。あなたのつわりの時期が、少しでも穏やかなものになりますように。
つわり中に食べやすいもの・食べられないときの乗り切り方をお伝えしてきましたが、一方で「妊娠中に避けたい食べ物・食べてはいけないものは?」も気になりますよね。お刺身・ナチュラルチーズ・コーヒー・レバーなど、リスクの理由で整理しながら「多くは加熱・量・頻度で折り合いがつけられる」を大前提に、元看護師ちなみが中立にまとめた記事もあわせてご覧ください。
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つわりで食べられない時期は、貧血も進みやすい時期です。つわりと貧血が重なったときの向き合い方・食べられないときの鉄補給の選択肢など、妊娠中の貧血対策をまとめた記事もあわせてご覧ください。
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つわり中は食物繊維が豊富な食材が食べにくく、便秘が進みやすい時期でもあります。食べやすい食材の工夫やつわり中の食事対策については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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よくある質問(つわりの食べ物|FAQ)
Qつわり中におすすめの食べ物は何ですか?
A.おにぎりやうどん・そうめんなどの炭水化物、冷たいゼリーやアイス、りんごやグレープフルーツなどの冷やした果物、トマトや梅干しなどのさっぱり系、冷奴や茶碗蒸し・スープなどが食べやすいとよく挙げられます。共通するのは「冷たい・さっぱり・においが少ない・のどごしがよい」もの。ただし合うかどうかは人それぞれで、「これを食べれば必ず楽になる」というものではありません。気になるものから少しずつ試してみてください。
Q何も食べられないときはどうすればいいですか?
A.つわりの時期に一時的に食べられなくても、水分がとれていれば多くの場合は過度に心配しなくてよいとされています。まずは食べることより水分をこまめにとることを優先してください。ただし、水分もとれない・1日に何度も吐く・体重が短期間で大きく減る・尿が出ないといったときは、治療が必要な妊娠悪阻の可能性があるので、我慢せず産婦人科を受診しましょう。食べられない自分を責める必要はありません。
Q食べづわりのときは何を食べればいいですか?
A.食べづわりは空腹になると気持ち悪くなるタイプなので、空腹の時間を作らないよう、少しずつこまめに口にするのがコツとされています。体重が気になる場合は、こんにゃくゼリーや寒天、野菜スティック、小さなおにぎり、無糖ヨーグルトなど、少量でも満たされやすくカロリーが高すぎないものを選ぶ方が多いようです。寝起きがつらい方は枕元にクラッカーを置いて、起きる前に一口食べると楽になることがあります。つわり中の体重の増減には、神経質になりすぎなくて大丈夫です。
Qつわり中の飲み物・水分は何がいいですか?
A.経口補水液・麦茶・炭酸水・レモン水・薄めたスポーツドリンク・冷たい水などが飲みやすいとよく挙げられます。とくに吐いて水分や塩分が失われやすいときは、経口補水液が補いやすいとされています。一度にたくさん飲むと吐きやすい方は、ひとくちずつこまめに。カフェインはとりすぎないよう量と頻度で考え、アルコールは妊娠中は控えてください。水分補給のメインは無糖のお茶や水にすると安心です。
Qつわりがつらいとき、市販の薬を飲んでもいいですか?
A.つわりをやわらげようと市販の吐き気止め・胃薬・酔い止めなどを自己判断で飲むことは避けてください。妊娠中は使える薬・避けたほうがよい薬があります。つらいときは産婦人科で相談でき、症状に応じて妊娠中でも使える薬などが検討されることがあります。漢方やサプリ、民間療法も自己判断で使わず、必ず医師・薬剤師に相談しましょう。つわりは我慢するものではなく、つらいときは医療を頼って大丈夫です。
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