生後半年をすぎたころ、それまで病気らしい病気をしたことのなかった赤ちゃんが、ある日突然39℃を超える熱を出す。鼻水も咳もないのに、熱だけが2日、3日と続く。ようやく下がったと思ったら、今度はおなかや背中に赤いブツブツが一面に——。
これが、多くの赤ちゃんが経験する突発性発疹(とっぱつせいほっしん)の典型的な経過です。日本小児科学会によると、生後6〜24か月にもっとも多く、5歳までに75%の子どもが感染するとされていて、「生まれて初めての高熱」がこの病気だったというご家庭も少なくありません。
先にお伝えしておきたいのは、突発性発疹は「熱が下がって発疹が出たとき」に初めてそうだとわかる病気だということです。熱が出ている最中は、お医者さんでも突発性発疹かどうかを言い切れません。だからこそ、熱の段階での受診は「突発性発疹かどうかを確かめるため」ではなく、「ほかの病気が隠れていないかを確かめるため」のものになります。
この記事では、元看護師で2児の母である私「ちなみ」が、突発性発疹の症状と経過、受診するべきかの目安、熱性けいれんが起きたときの対応、「うつる?」「保育園はいつから?」への答え、発疹が出たあとの不機嫌の乗り切り方を、日本小児科学会やこども家庭庁などの公表資料をもとに整理します。
突発性発疹とは?「熱が下がってから発疹が出る」ウイルス感染症
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6B型(HHV-6B)またはヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)に初めて感染したときに起こる病気です。名前に「ヘルペス」と入っていますが、口唇ヘルペスや性器ヘルペスとは別のウイルスです。
国立健康危機管理研究機構(旧・国立感染症研究所)の解説では、報告される患者の年齢は0歳と1歳で99%を占めるとされ、2〜3歳ごろまでにほとんどの子どもが抗体をもつ(=一度は感染している)ことがわかっています。また、感染しても症状が出ない「不顕性感染」が20〜40%あると報告されています。
つまり突発性発疹は、ほぼすべての子どもが乳幼児期に一度は通る道です。「うちの子はかからなかった」という場合も、熱や発疹が目立たないまま、知らないうちに済ませている可能性があります。
かかりやすい時期は、ママからの免疫が切れるころ
こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、生後6か月〜2歳によくみられるとされています。東京都こども医療ガイドも、この時期は「お母さんからもらっていた免疫が弱くなってくる時期と一致します」と説明しています。
季節による流行はなく、1年中ほぼ同じくらいの数が発生しています。冬だから、夏だから、ということはありません。

突発性発疹の症状と経過|熱の3日間と、発疹の数日間
突発性発疹の経過は、大きく「熱の時期」と「発疹の時期」の2つに分かれます。
- 感染〜発症:潜伏期間は約9〜10日
- 熱の時期(3〜4日):38〜40℃の高熱が突然出て、3〜4日続く。鼻水や咳などのかぜ症状は目立たないことが多い
- 発疹の時期(数日):熱が下がるのとほぼ同時に、赤い発疹がおなか・背中を中心に出て、顔や手足にも広がる
- 回復:発疹は3〜4日で消え、跡は残らない
熱の時期:高いわりに、機嫌はそこそこ
東京都こども医療ガイドは、突発性発疹の熱について「熱が高いわりには元気がよいことが多い」と書いています。39℃台なのに、おっぱいやミルクは飲めて、ときどき笑うこともある——そんな様子なら、典型的な経過に近いといえます。
熱のほかに見られることがある症状として、国立健康危機管理研究機構は下痢、まぶたのむくみ、大泉門(頭のてっぺんのやわらかい部分)のふくらみ、リンパ節の腫れなどを挙げています。ただし「多くは発熱と発疹のみで経過する」とされています。
発疹の時期:かゆみは少なく、跡も残らない
熱が下がるころに出てくる発疹は、2〜3mmから1cmくらいまでの赤い発疹で、少し盛り上がっていることもあります。東京都こども医療ガイドによればかゆみはなく、3〜4日で治り、跡も残りません。おなかや背中から出はじめて、顔や首、手足に広がっていくのがよくあるパターンです。
発疹は見た目が派手なので驚きますが、発疹そのものに治療は必要ありません。塗り薬で早く消えるものでもないので、こすらず、そのまま見守ってください。
「軽い突発性発疹」「熱だけで発疹が出ない」こともある
東京都こども医療ガイドには「典型的な熱や発疹などの症状が出ない子もいますし、下痢になる子もいます」とあります。熱が1〜2日で下がった、発疹がほんの少ししか出なかった、ということも珍しくありません。先ほどの「不顕性感染20〜40%」と合わせて考えると、教科書どおりの経過をたどらない子はたくさんいるということです。
ちなみ(元看護師)
突発性発疹で受診するべき?熱の段階と発疹の段階で考える
「突発性発疹かもしれないけど、病院に行くべき?」——これがいちばん多い迷いだと思います。答えは「熱の段階」と「発疹が出たあと」で分けて考えるとすっきりします。
熱の段階では、突発性発疹かどうかはまだわからない
東京都こども医療ガイドは、はっきりこう書いています。「はじめは高い熱が出るだけなので突発性発疹かどうかわかりません」。国立健康危機管理研究機構も、診断は「発疹出現をもってなされることがほとんど」としています。
同じように高い熱が出る病気には、尿路感染症や中耳炎、肺炎など、治療が必要なものもあります。そのため、熱の段階での受診は「ほかの病気ではないか」を確かめる意味があるのです。受診して「たぶん突発性発疹だと思いますが、熱が下がって発疹が出たら確定です」と言われるのは、よくある流れです。
東京都こども医療ガイドの目安は次のとおりです。
- 昼間なら、早めに受診
- 夜間でも元気がよいなら、翌日の受診でもよい
- 元気がないときは、夜間でもかかりつけ医に連絡をとってみる
- 生後3か月未満で38℃以上なら、元気そうでも朝を待たずに受診(日本小児科学会「こどもの救急」)
突発性発疹は生後6か月以降に多い病気ですが、生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は、病名にかかわらず急いで受診するのが基本です。熱の測り方や、救急車・夜間受診・おうちで様子見の分かれ目は、こちらの記事で詳しくまとめています。
赤ちゃんの熱は何度から?38度の対処法と受診の目安、救急車を呼ぶサインを元看護師が解説
熱が下がって発疹が出たら、診療時間内に一度見てもらう
熱が下がって発疹が出たら、ひとまず山は越えています。急いで夜間に受診する必要はありませんが、診療時間内に一度かかって「突発性発疹でしたね」と確認してもらうと安心です。保育園に通っている場合は、登園の判断にも受診が必要になります(後ほど説明します)。
こんな様子なら、もう一度すぐに受診
突発性発疹は「比較的軽症の疾患であり、自然経過で治癒する」(こども家庭庁)病気ですが、熱性けいれんや、まれに脳炎・脳症、肝炎などを合併することがあります。東京都こども医療ガイドは、次のような場合は「再び直ちに受診します」としています。
- 全身の状態が悪くなったとき
- おしっこの色が濃くなったり、量が減ったりしたとき
- 呼吸が苦しそうなとき
- 呼びかけても反応が弱いなど、異常にぼんやりしているとき
- 首がかたくなって曲げにくいとき
- 泣きやまないとき
- 耳を痛がるとき
とくに「呼びかけへの反応が弱い」「ぼんやりしている」は、機嫌が悪いのとは別物です。泣いて怒っているなら意識ははっきりしていますが、目が合わない、声をかけてもぼーっとしている、というときは急いでください。
参考 突発性発疹(とっぱつせいほっしん)東京都こども医療ガイド
熱性けいれんが起きたら|5分を目安に救急車
突発性発疹は「生まれて初めての高熱」になることが多いため、初めての熱性けいれんが突発性発疹のときに起きることもあります。国立健康危機管理研究機構も「発熱初期に熱性痙攣を合併することがある」としています。
目の前で赤ちゃんが白目をむいて手足をつっぱらせたら、誰でも頭が真っ白になります。日本小児科学会「こどもの救急」が示している対応を、先に知っておいてください。
- 平らなところに寝かせ、顔(または体ごと)を横に向ける……よだれや吐いたものがのどに詰まらないように
- 口の中に指や物を入れない……舌をかまないように、と何かをくわえさせるのはやめましょう
- 時計を見て、けいれんが始まった時刻を確認する
- 余裕があれば、短時間、けいれんの様子をスマホで動画撮影する
- けいれんが5分以上続けば救急車を呼ぶ
- 止まったあとは、定期的に呼びかけて意識を確認する
「こどもの救急」の判定では、けいれんが5分以上続いている、意識が戻らない、唇の紫色が続いている、何度もくり返す、ぐったりしているときは救急車。5分以内に止まった場合や、生まれて初めてのけいれんの場合は、自家用車やタクシーで急患診療所へという目安になっています。止まったからといって、そのまま朝まで様子を見るのではなく、一度診てもらいましょう。
受診したときには、「いつから」「どんなけいれんが」「どのくらい」続いたか、左右差があったか、そのときの体温を伝えます。撮っておいた動画があれば、それを見せるのがいちばん確実です。
参考 けいれん・ふるえ|こどもの救急(ONLINE-QQ)日本小児科学会
突発性発疹はうつる?家族・きょうだい・大人への感染
「上の子にうつらない?」「保育園のお友だちにうつしてしまったら」と心配になりますよね。ここは、こども家庭庁のガイドラインにかなり踏み込んだ記載があります。
うつるのは「大人の唾液から」が中心で、赤ちゃん同士は少ない
「保育所における感染症対策ガイドライン」には、こう書かれています。
ウイルスは、多くの子ども・成人の唾液等に常時排出されており、母親から胎盤を通して受け取っていた抗体(移行抗体)が消失する乳児期後半以降に、保護者や兄弟姉妹等の唾液等から感染すると考えられている。
こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
乳児同士の間での感染は少ない。
つまり、突発性発疹のウイルスはすでに感染したことのある大人や年上の子どもの唾液に、ふだんから出ているものです。赤ちゃんは、ママからもらった免疫が切れるころに、身近な人の唾液からもらうのがふつうの感染ルートです。
そう聞くと「私がうつしたの?」と思ってしまうかもしれませんが、ほとんどの大人の唾液にいつも出ているウイルスなので、防ぎようがありません。誰のせいでもない、と思ってください。
大人やきょうだいへの心配は?
前に書いたとおり、2〜3歳ごろまでにほとんどの子どもが感染を済ませています。ですから、パパやママ、年の離れたきょうだいは、すでに抗体をもっている可能性が高いと考えられます。
一方、年の近いきょうだい(たとえば1歳と0歳)の場合は、どちらもまだ感染していないこともあります。日本小児科学会は感染を広げない工夫として、「食べ物を口移しで与えない。歯ブラシや食事用具の共用による唾液の接触を避ける」を挙げています。スプーンの共用を控える、くらいの気持ちで十分です。なお、母乳については、国立健康危機管理研究機構の解説で感染経路として「否定的」とされているので、授乳は続けて大丈夫です。
2回かかることもある
突発性発疹の原因ウイルスは2種類あるので、一度かかったあとに、もう1種類のウイルスで2回目の突発性発疹になることがあります。国立健康危機管理研究機構は、HHV-7による突発性発疹は「二度目の突発性発疹として経験されることが多い」としていて、こども家庭庁のガイドラインではHHV-7の場合は生後2〜4歳ごろに多いとされています。
参考 突発性発しん(詳細版)国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
保育園はいつから?登園のめやすと「登園届」
こども家庭庁のガイドラインでは、突発性発疹の登園のめやすは「解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと」とされています。発疹が残っていても、熱が下がって元気なら登園できる、という考え方です。
ガイドラインでは、突発性発疹は「医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症」に分類されています。インフルエンザなどのように医師が書く「意見書(登園許可証)」ではなく、受診して回復を確認してもらったうえで、保護者が登園届を書く形が想定されています。
- 熱が下がっているか(解熱剤で下げている状態ではなく)
- 機嫌がよいか……発疹の時期の不機嫌が続いているなら、もう少し休ませる
- 食事・水分がとれて、よく眠れているか
- 園の書式……登園届の要否や「解熱後24時間」などの条件は、自治体や園によって異なることがある
自治体によっては、独自に「解熱後24時間以上経過していること」などの条件を加えているところもあります。最終的には通っている園の決まりが優先なので、入園時にもらった「感染症と登園のめやす」の一覧を確認しておきましょう。
なお、ガイドラインには「0歳児が入園後はじめて発熱した場合には、突発性発しんの可能性もある」という記載もあります。慣らし保育が始まってすぐの熱が突発性発疹だった、というのはよくある話です。
参考 保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)こども家庭庁

発疹が出てからの不機嫌|熱が下がったのに泣いてばかりのとき
突発性発疹で意外とつらいのが、熱が下がって発疹が出たあとの不機嫌です。熱があったときはそこそこ機嫌がよかったのに、下がったとたんに抱っこから下ろすと泣く、夜も何度も起きる、何をしてもぐずる——そんな様子になる子が少なくありません。「突発性発疹 不機嫌」と検索する方がとても多いのも、それだけ多くの家庭が通る道だからです。
不機嫌がどのくらい続くかは子どもによって違いますが、発疹が引いていくのに合わせて、数日で落ち着いていくことが多いものです。終わりがあるとわかっているだけでも、少し気持ちが楽になります。
「ただの不機嫌」と「様子がおかしい」の見分け方
気をつけたいのは、不機嫌の陰に別のサインが隠れていないかです。次のようなときは、不機嫌として片づけずに受診してください。
- 呼びかけへの反応が弱い、目が合わない、ぼんやりしている(泣く元気がない)
- おっぱいやミルク、水分をほとんど受けつけない
- おしっこの回数が明らかに少ない、色が濃い
- 何をしても泣きやまない状態が長く続く
- 耳をしきりに触る・痛がる……中耳炎の可能性も
- いったん下がった熱がまた上がってきた
逆に、泣いて怒る元気があり、抱っこすると落ち着き、飲めていて、おしっこも出ているなら、突発性発疹のあとのよくある不機嫌と考えてよいことが多いです。
不機嫌な数日を乗り切るコツ
- 「今日はたくさん抱っこする日」と決めてしまう……家事は最低限でOK。東京都こども医療ガイドも、抱っこや添い寝で「お子さんが静かに休めるようにしてあげましょう」としています
- 抱っこひもを使って、ママの両手をあける
- パートナーや家族と、夜の担当を交代する……数日だけの短期決戦です
- どうしても泣きやまずイライラしたら、赤ちゃんを安全な場所に寝かせて、少しその場を離れる……揺さぶるよりずっと安全です
ちなみ(元看護師)
おうちでのケア|水分・お風呂・発疹の扱い
突発性発疹にはワクチンも特別な治療薬もありません。治療は、つらい症状を和らげる対症療法が中心です。おうちでできることは、ほかの発熱のときと基本的に同じです。
水分補給がいちばん大事
高い熱が数日続くので、脱水にならないよう、こまめに水分をあげてください。月齢が低いうちは母乳やミルクを欲しがるだけあげれば大丈夫です。離乳食が始まっている子なら、湯冷ましや麦茶、乳幼児用イオン飲料なども使えます。食欲がないときは、おかゆやうどんなど、のどごしのよいものを少しずつ。食べられないときは水分がとれていれば無理に食べさせなくてかまいません。
着せすぎない・冷やしすぎない
熱の上がりはじめで手足が冷たく、寒そうなときは1枚多めに。上がりきって汗をかいているときは1枚減らして涼しく。東京都こども医療ガイドは、貼る冷却シートや氷まくらは「熱を下げる効果は期待できません」としています。嫌がらなければ気持ちよさのために使ってもかまいませんが、冷却シートはずれて鼻や口をふさぐ事故も報告されているので、寝ているときや目を離すときは貼らないでください。
お風呂は、熱が下がって元気が戻ってから
熱が高いあいだは、汗を蒸しタオルでふいて、こまめに着替えさせてあげましょう。東京都こども医療ガイドでは、「熱が下がり、機嫌がもどり、元気が出てくれば、シャワーを利用して体を清潔にしましょう」とされています。発疹が出ていても、こすらずにやさしく洗えば問題ありません。
下痢でおしりが荒れたら
突発性発疹では下痢をともなうことがあり、おしりが一気に赤くなることもあります。突発性発疹の発疹とおむつかぶれは別物なので、おしりのケアは分けて考えてください。おむつかぶれのケアは、こちらにまとめています。
おむつかぶれの治し方|原因・カンジダとの見分け方・ワセリンと薬の使い方を元看護師が解説

ほかの発疹との違い|手足口病・はしか・乳児湿疹
突発性発疹のいちばんの特徴は、「熱が下がってから発疹が出る」という順番です。こども家庭庁のガイドラインでは、発疹が出たときに考える感染症を、熱と発疹の順番で次のように整理しています。
- 38℃以上の熱が3〜4日続き、下がったあとに全身に赤い発疹 → 突発性発疹
- 微熱程度の熱のあと、手のひら・足の裏・口の中に水疱 → 手足口病
- かぜのような症状をともなう熱が出て、いったん少し下がったあとに再び熱が上がり、赤い発疹が全身に広がる → 麻しん(はしか)
- 熱と同時に発疹 → 風しん、溶連菌感染症など
- 水疱状の発疹 → 水痘(水ぼうそう)
とくにはしかは、熱が出たまま発疹が出る、または発疹が出るころに熱がまた上がる点が突発性発疹と違います。「熱が下がらないまま発疹が出てきた」ときは、突発性発疹と決めつけずに受診してください。また、1歳の誕生日をすぎたら麻しん風しん(MR)ワクチンの1回目を受ける時期なので、母子手帳で接種状況も確認しておきましょう。
熱をともなわない顔や体のブツブツなら、乳児湿疹のことも多いです。月齢ごとの湿疹の見分け方は、こちらの記事で整理しています。
乳児湿疹とは?月齢で変わる原因・ケアの基本と受診の目安を元看護師が解説
手のひら・足の裏・口の中に水ぶくれが出たときは、手足口病が考えられます。手足口病は熱が出ても38℃以下のことが多く、登園のめやすは「発熱や口の水ぶくれの影響がなく、普段の食事がとれること」です。「手足口病の症状と経過|保育園は何日休む?大人にうつる?」でまとめています。
手足口病の症状と経過|保育園は何日休む?大人にうつる?口が痛くて食べないときの対処を元看護師が解説
受診するときに伝えること
東京都こども医療ガイドは、受診のときにお医者さんへ伝えることとして、次のような点を挙げています。メモにして、母子健康手帳と一緒に持っていくとスムーズです。
- いつからの発熱か、その後の熱の経過
- 機嫌、咳、鼻水、便の状態、嘔吐の有無
- 使った薬(いつ、何を)。お薬手帳があれば持参
- 水分や食事のとれ具合
- おしっこは出ているか
- 家族や周りで流行っている病気はないか
突発性発疹の場合は、これに加えて発疹が出はじめた時刻と、出はじめの写真があると役立ちます。熱が下がった時刻と、発疹が出た時刻の関係が、診断のいちばんの手がかりになるからです。
まとめ|熱の3日間を見守り、発疹が出たら「答え合わせ」
要点を整理します。
- 突発性発疹はHHV-6B・HHV-7の初感染で起こる。生後6か月〜2歳に多く、2〜3歳までにほとんどの子が感染する
- 典型的には38〜40℃の熱が3〜4日→熱が下がるとともに赤い発疹。発疹はかゆみが少なく、3〜4日で跡を残さず消える
- 熱の段階では突発性発疹かどうかわからない。受診は「ほかの病気ではないか」を確かめるため
- 昼間なら早めに受診、夜間でも元気なら翌日でよい。生後3か月未満の38℃以上は元気でも受診
- けいれんが5分以上続く・意識が戻らないなら119番。5分以内に止まっても一度受診
- ウイルスは大人の唾液からうつるのが中心で、乳児同士の感染は少ない。母乳は感染経路として否定的
- 登園のめやすは「解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと」。登園届や条件は園の決まりを確認
- 発疹が出たあとの不機嫌は数日でおさまることが多い。ただし反応が弱い・飲めないなら受診
- 迷ったら#8000
突発性発疹は、「赤ちゃんの初めての高熱」として、ママやパパを一番びっくりさせる病気かもしれません。でも、ほとんどの子が通る道で、多くは自然に治っていく病気です。熱の3日間は赤ちゃんの様子をよく見て、飲めているか、反応はいつもどおりかを確かめながら過ごしてください。発疹が出てきたら、それは「答え合わせ」のサインです。
今日できるいちばん小さな一歩は、スマホのメモに「熱を測った時刻と体温」を書き始めることです。受診のときにそのまま見せられて、熱が下がったタイミングもひと目でわかります。
参考 小児救急電話相談 #8000|こどもの救急(ONLINE-QQ)日本小児科学会
Q突発性発疹かもしれません。病院に行くべきですか?
A.熱が出ている段階では、お医者さんでも突発性発疹かどうかを確定できません。同じように高い熱が出る病気には治療が必要なものもあるため、昼間なら早めに受診しましょう。夜間でも元気がよければ翌日の受診でかまいませんが、元気がないときや生後3か月未満で38℃以上のときは、夜間でも受診してください。熱が下がって発疹が出たら、診療時間内に一度確認してもらうと安心です。
Q突発性発疹はうつりますか?きょうだいや大人にもうつる?
A.こども家庭庁のガイドラインでは、ウイルスは多くの子どもや大人の唾液に常時排出されていて、保護者やきょうだいの唾液から赤ちゃんに感染すると考えられており、乳児同士の間での感染は少ないとされています。2〜3歳ごろまでにほとんどの子どもが感染を済ませているため、大人や年の離れたきょうだいは抗体をもっている可能性が高いと考えられます。口移しや食器の共用を避けるのが予防の基本です。
Q突発性発疹のあと、保育園はいつから行けますか?
A.こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、登園のめやすは「解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと」とされています。医師の診断を受けたうえで保護者が登園届を記入する感染症に分類されていますが、「解熱後24時間」など独自の条件を設けている自治体や園もあるので、通っている園の決まりを確認してください。
Q熱が下がったのに、すごく機嫌が悪いです。大丈夫ですか?
A.突発性発疹では、熱が下がって発疹が出るころに機嫌が悪くなる子が少なくありません。発疹が引くのに合わせて数日で落ち着くことが多いです。ただし、呼びかけへの反応が弱い、水分をほとんど受けつけない、おしっこが少ない、いったん下がった熱がまた上がった、耳を痛がるなどのときは受診してください。
Q突発性発疹に2回かかることはありますか?
A.あります。突発性発疹の原因ウイルスはヒトヘルペスウイルス6B型と7型の2種類あるため、一度かかったあと、もう一方のウイルスで2回目の突発性発疹になることがあります。7型による突発性発疹は2回目として経験されることが多く、生後2〜4歳ごろに多いとされています。
Q突発性発疹の発疹はかゆいですか?お風呂に入れてもいいですか?
A.東京都こども医療ガイドによると、発疹にかゆみはなく、3〜4日で治り、跡も残りません。熱が下がり、機嫌がもどって元気が出てくれば、シャワーで体を清潔にしてかまいません。発疹はこすらず、やさしく洗ってあげてください。
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