「妊娠中は何を食べればいいの?」「食べていいものと食べてはいけないものがごちゃごちゃになってきた…」——毎日の食事のたびにそう感じながら、スマホで検索していませんか。妊娠中の食べ物に関する情報は「ダメなもの」ばかりが目立ちがちで、「じゃあ何なら食べていいの?」という疑問の答えが見つからない、と感じている方も多いのではないでしょうか。
はじめまして、ちなみです。元看護師として病院勤務を経験し、現在は妊活・妊娠・子育てを中心に情報発信している男女2児のママです。看護師時代、妊婦さんから「何を食べればいいですか?」と聞かれることは、「何を食べてはいけないですか?」と同じくらい多かったように感じています。
この記事では、「妊娠中に積極的に食べたいもの・食べていいもの」だけに集中してお伝えします。「食べてはいけないもの・避けたいもの」については、姉妹記事でくわしくまとめています。両方あわせて読んでいただくと、妊娠中の食事の全体像がつかめると思いますよ。
妊娠中に食べてはいけないものは?避けたい食べ物の一覧と理由を元看護師ちなみが解説
最初に、いちばん大切なことをお伝えします。「妊娠中の食事を完璧にしなければ赤ちゃんに影響する」という不安を感じているとしたら、少しだけ荷物を降ろしてもらえると嬉しいです。バランスよく・無理なく・楽しく食べることが、何より大切な前提です。この記事が、「何を食べよう?」というわくわくした気持ちで食卓に向かうきっかけになれたら幸いです。
ちなみ(元看護師)
目次
- 妊娠中に積極的に食べたい食材・栄養素 早見表【まずは全体像から】
- 葉酸|妊娠初期に最優先でとりたい栄養素
- 鉄分|貧血予防・赤ちゃんへの酸素供給に欠かせない
- DHA・EPA|胎児の脳・神経発達をサポートする必須脂肪酸
- カルシウム|赤ちゃんの骨・歯の形成とママ自身の骨を守る
- たんぱく質・その他の妊娠中に意識したい栄養素
- 食材グループ別おすすめガイド【スーパーで迷わない】
- 妊娠中の1日の食事例【実装セクション】
- つわりで食べられないときの最低ライン
- 「妊娠中の食べ物で赤ちゃんが…」よくある俗説の中立処理
- まとめ|バランスよく・無理なく・楽しく食べることが大前提
- よくある質問(妊娠中の食べ物|FAQ)
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妊娠中に積極的に食べたい食材・栄養素 早見表【まずは全体像から】
「何から意識すればいいの?」と迷ったときは、まず全体像を把握するのがいちばん。妊娠中に特に意識したい栄養素と、その代表的な食材をひと目で確認できる早見表を用意しました。
早見表の読み方|「栄養素×代表食材」で考えると迷わない
「葉酸が入った食材は?」「鉄分を食べたいけど何がいい?」と栄養素ベースで考えると、スーパーでの買い物もぐっとスムーズになります。
| 栄養素 | 1日の目安 | 代表食材TOP3 | 妊娠中にとりたい理由 |
|---|---|---|---|
| 葉酸 | 480μg(妊娠初期) | ほうれん草・ブロッコリー・枝豆 | 神経管閉鎖障害の予防に関与 |
| 鉄分 | 21.5mg(中期〜後期) | あさり・小松菜・赤身肉 | 貧血予防・赤ちゃんへの酸素供給 |
| DHA・EPA | (魚類から週2〜3回を目安に) | 鮭・さば・いわし | 胎児の脳・神経発達に関与が研究されている |
| カルシウム | 650mg | 牛乳・豆腐・しらす | 赤ちゃんの骨・歯の形成 |
| たんぱく質 | 75g程度 | 卵・鶏肉・納豆 | 胎児の成長・胎盤・羊水形成 |
| 食物繊維 | 18g以上 | ごぼう・オートミール・海藻 | 妊娠中の便秘予防 |
| ビタミンD | 8.5μg | 鮭・卵黄・きのこ | カルシウム吸収を助ける |
早見表を使った食卓づくりの基本考え方
この表を見て「毎日すべてとらなきゃ」と思うとプレッシャーになってしまいます。大切なのは1日単位の完璧さより、1週間でバランスを整えるという感覚です。
葉酸|妊娠初期に最優先でとりたい栄養素
なぜ妊娠中に葉酸が大切なのか
葉酸は、妊娠初期にとくに意識したい栄養素のひとつです。葉酸は赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管の形成に関わると言われており、厚生労働省も妊娠前から妊娠初期にかけての積極的な摂取を推奨しています。妊娠が分かってから意識し始めても遅くはありませんが、妊娠初期(特に妊娠4〜12週ごろ)は神経管の形成が進む時期とされているため、この時期に食事やサプリで意識してとることが大切です。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、妊娠初期の葉酸の推奨量は1日480μg(非妊娠時240μg+妊娠中の付加量240μg)とされています。食事だけで安定して確保するのはなかなか難しい量です。
葉酸が豊富な食材TOP5と取り入れ方
葉酸を多く含む食材は、ほうれん草・ブロッコリー・枝豆・モロヘイヤ・アスパラガスなどの緑の野菜が代表的です。また、大豆製品(納豆・豆腐)にも含まれています。
ひとつ知っておきたいのが、葉酸は熱や水に弱いという性質があること。茹ですぎたり水にさらしすぎると30〜50%失われることもあると言われています。さっと炒める・蒸す・電子レンジで加熱すると、ロスを抑えやすくなります。また、冷凍野菜(ほうれん草・ブロッコリー)は栄養価が生鮮野菜とほぼ変わらないとされているので、忙しいときは冷凍を上手に活用しましょう。
「葉酸が豊富だからレバーをたくさん食べよう」と思っている方には注意が必要です。レバーは確かに葉酸が豊富ですが、妊娠初期に大量摂取を避けたいビタミンA(レチノール)も多く含まれています。葉酸をレバーで補おうとするのは得策ではありません。詳しくは姉妹記事で解説しています。
食事だけでは難しい理由とサプリ補完の考え方
前述のとおり、葉酸は調理による損失が大きく、食事だけで妊娠初期に推奨される量を毎日安定して確保するのはかなり難しいのが現実です。そのため、多くの産婦人科でも妊娠前〜妊娠初期にかけての葉酸サプリの並用が勧められています。葉酸サプリの選び方や妊活期からの取り方については、専用の記事でくわしく解説しています。
葉酸サプリの選び方完全ガイド|成分・飲み方・いつから・男性も?元看護師が解説
また、妊活期から食事で葉酸を意識しておくことは、妊娠後のスムーズな栄養習慣にもつながります。妊活中の食事の基本については、こちらの記事も参考にしてみてください。
妊活におすすめの食べ物30選|食材グループ別×ランキング×避けたい食材×飲み物まで|元看護師ちなみが食卓で意識していた食材リスト
鉄分|貧血予防・赤ちゃんへの酸素供給に欠かせない
妊娠中に鉄分が必要な理由
妊娠中は体内の循環血液量が増えるため、ヘモグロビンの材料となる鉄分の需要が大きく高まります。鉄分が不足すると、ママの血液が薄くなって貧血になりやすくなるだけでなく、赤ちゃんへの酸素供給にも影響することがあると言われています。
妊娠中の貧血は自覚症状が出にくいのが特徴です。「最近ちょっとだるい」「息切れがする気がする」という程度で気づかないこともあるため、定期的な健診で血液検査の数値を確認しておくことが大切です。
鉄分が多い食材とビタミンCとの組み合わせ
鉄分を含む食材は、大きく2種類に分けられます。
ヘム鉄(吸収率が高い・動物性):赤身の牛肉・豚肉、あさり・しじみ・牡蠣などの貝類、かつお・まぐろなどの魚
非ヘム鉄(吸収率は低めだが食べやすい・植物性):小松菜・ほうれん草・大豆製品(豆腐・納豆・厚揚げ)・ひじき・プルーン
非ヘム鉄は吸収率が低めですが、ビタミンCと一緒に食べると吸収率がアップすると言われています。ほうれん草の炒め物にレモンをかける、納豆にトマトを添えるなど、少し意識して組み合わせてみてください。
ひじきは非ヘム鉄を多く含みますが、無機ヒ素も含まれています。毎日大量に食べ続けるのでなければ過度に心配しなくてよいとされています。たまに食べる程度なら、積極的に取り入れて大丈夫です。
レバーを鉄分源にするときの注意点
レバーはヘム鉄が豊富な食材ですが、妊娠初期にとりすぎを避けたいビタミンA(レチノール)も多く含まれています。鉄分補給目的でレバーを大量・頻繁に食べるのは得策ではありません。週1回・少量であれば過度に心配しなくてよいとされていますが、毎日食べる習慣は避けましょう。鉄分はあさり・赤身肉・小松菜など他の食材からも十分にとることができます。
DHA・EPA|胎児の脳・神経発達をサポートする必須脂肪酸
妊娠中にDHA・EPAが注目される理由
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、魚に多く含まれるオメガ3系の必須脂肪酸です。胎児の脳や神経系の発達に関与する可能性が研究されており、妊娠中の魚摂取が注目される理由のひとつとなっています。
ここで大切なのは、「これさえ食べれば頭のいい赤ちゃんが生まれる」「食べないと脳の発達に影響する」という断定的な話ではないということです。特定の食べ物が赤ちゃんの知能を直接決める、という科学的な根拠は確立されていません。DHAを含む食材をバランスよく食べることは大切ですが、「これを食べなければ」というプレッシャーになる必要はありません。
安全に食べられる魚TOP5と取り入れ方
妊娠中の魚について「水銀が心配で食べられない」と思っている方もいるかもしれませんが、それは少しもったいない考え方です。水銀が心配なのは一部の大型魚だけで、ほとんどの魚は妊娠中でも安心して食べられます。
とくに積極的に取り入れたい魚は、鮭・さば・いわし・アジ・さんまの5種類。これらは水銀の心配がほとんどなく、DHA・EPAも豊富な優秀な食材です。週2〜3回を目安に、焼き魚・煮魚・缶詰(さば缶・いわし缶)など好みの調理法で取り入れてみてください。
マグロ・メカジキ・キンメダイなど一部の大型魚については、水銀の観点から量と頻度に注意が必要です。詳しくは姉妹記事でまとめています。
魚が苦手な方の代替案(えごま油・くるみ)
魚が苦手、またはつわりで魚の匂いがつらい時期は、植物性のオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)で補う方法もあります。えごま油・亜麻仁油は少量をサラダにかけたりドレッシングに使うだけで手軽に摂れます。くるみをヨーグルトや朝食に加えるのもシンプルでおすすめです。ただし植物性のα-リノレン酸はDHAに変換される割合が低いとされているため、あくまで魚が食べられないときの補助として考えてください。
カルシウム|赤ちゃんの骨・歯の形成とママ自身の骨を守る
妊娠中にカルシウムが必要な理由
赤ちゃんの骨や歯はカルシウムで作られています。妊娠中はカルシウムの需要が高まり、食事からの摂取が不十分だとママ自身の骨や歯からカルシウムが使われる仕組みになっています。「妊娠中に骨がもろくなった気がする」「歯が弱くなった」と感じる方がいるのはこのためです。自分自身の骨や歯を守るためにも、カルシウムを意識して補っておくことが大切です。
カルシウムが豊富な食材と吸収を助けるビタミンD
カルシウムを多く含む食材として特に取り入れやすいのは、牛乳・ヨーグルト・プロセスチーズなどの乳製品、豆腐・厚揚げ・大豆などの大豆製品、しらす・ちりめん・煮干しなどの小魚、そして小松菜・チンゲン菜・ブロッコリーなどの緑の野菜です。
カルシウムの吸収を高めるにはビタミンDが大切です。ビタミンDは鮭・卵黄・きのこ類(干ししいたけ・まいたけ)に含まれます。また、日光を浴びることで皮膚でも作られるため、無理のない範囲での短時間の外出も意識してみてください。
一方、カフェインのとりすぎはカルシウムの排泄量を増やす可能性があると言われています。コーヒーや紅茶の量が多い方は、カフェインの目安量についても姉妹記事を参考にしてみてください。
たんぱく質・その他の妊娠中に意識したい栄養素
たんぱく質|胎児の成長・羊水・胎盤形成に欠かせない
たんぱく質は、赤ちゃんの体を作るすべての組織の材料であり、胎盤や羊水の形成にも必要です。妊娠中は非妊娠時よりもやや多めのたんぱく質が必要とされています。
毎食、手のひら1枚分くらいの主菜(魚か肉か卵か豆腐や納豆)を意識するのがシンプルな目安です。動物性と植物性のたんぱく質をバランスよく組み合わせると、アミノ酸のバランスも整いやすくなります。卵・鶏肉・さば缶・豆腐・納豆・無糖ヨーグルトなど、手軽に使えるたんぱく源を常備しておくと便利です。
食物繊維|妊娠中の便秘予防に大切
妊娠中は、ホルモンの影響で腸の動きが緩やかになったり、大きくなった子宮が腸を圧迫したりすることで便秘になりやすいと言われています。便秘が続くと不快感が増すため、食物繊維を意識してとることが大切です。
食物繊維を多く含む食材は、野菜(ごぼう・ブロッコリー・さつまいも・かぼちゃ)・豆類・全粒穀物(玄米・オートミール・全粒粉パン)・海藻類(わかめ・昆布・ひじき)・こんにゃくなどです。毎日意識して取り入れるだけで、腸の動きが整いやすくなります。水分をしっかりとることも便秘対策として重要です。
ビタミンD・亜鉛・マグネシウム(補足)
前述のビタミンD以外にも、妊娠中に意識しておきたい栄養素があります。亜鉛は細胞分裂や免疫機能に関わり、牡蠣・牛赤身肉・カシューナッツ・大豆製品に含まれます。マグネシウムは筋肉の収縮・弛緩に関わり、足がつりやすい方はマグネシウム不足が関係していることもあると言われています。ナッツ・大豆・玄米・海藻などから補えます。どちらも極端に不足しなければよいもので、バランスよく食べていれば過度に心配しなくて大丈夫です。

食材グループ別おすすめガイド【スーパーで迷わない】
栄養素の話だけだとスーパーで「何を買えばいいか」が分からなくなることもありますよね。ここからは、食材グループ別にもう少し具体的に整理します。
妊娠中に積極的に食べたい野菜TOP10
妊娠中に特におすすめしたい野菜を10種、選んでみました。小松菜(鉄分・カルシウム・葉酸が豊富。癖がなく使いやすい)/ほうれん草(葉酸・鉄分・ビタミンC豊富。さっと炒めるか冷凍を活用)/ブロッコリー(葉酸・ビタミンC・鉄分。蒸すと栄養ロスが少ない)/枝豆(葉酸・たんぱく質・鉄分のバランスが優秀)/にんじん(β-カロテン・食物繊維。炒める・スープに投入)/かぼちゃ(β-カロテン・ビタミンC・食物繊維・エネルギー)/トマト(リコピン・ビタミンC。加熱すると吸収率UP)/アボカド(葉酸・食物繊維・良質な脂質)/モロヘイヤ(葉酸・カルシウム・鉄分が極めて豊富)/さつまいも(食物繊維・ビタミンC・カリウム。腸活にも)。これらすべてを毎日食べる必要はまったくありません。週に食べた野菜の種類が増えるほどよい、というくらいの感覚で取り入れてみてください。
妊娠中に積極的に食べたい果物と糖分への注意
果物には、ビタミンC・葉酸・カリウム・食物繊維が含まれており、妊娠中でも積極的に食べて大丈夫です。とくにおすすめなのはいちご・みかん・りんご・バナナ・ブルーベリー・キウイなどです。つわりで食欲がないときにも口にしやすい食材です。
「妊娠中は果物を食べてはいけない」という話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これは誤解です。果物は基本的に妊娠中も食べていい食材です。ただし、果物には果糖(糖分)が含まれています。ジュースにして大量に飲んだり、毎日大量に食べ続けたりすると糖分のとりすぎにつながることがあります。適量を楽しむのが基本です。
主食の選び方(白米・玄米・全粒粉パン)
主食は白米だけが選択肢ではありません。玄米・雑穀米・全粒粉パン・オートミールには、白米より多くのビタミンB群・食物繊維・ミネラルが含まれています。血糖値のスパイクを抑えやすいというメリットもあります。とはいえ、いきなり全部を玄米に変える必要はありません。白米に少量の雑穀(もち麦・黒米・小豆など)を混ぜるだけでも食物繊維量が増えます。消化が負担に感じる方は白米のままで問題ありません。「できる範囲で、少しだけ取り入れてみる」という感覚で大丈夫です。
乳製品・大豆製品・卵の取り入れ方
毎日の食卓で手軽に使えるたんぱく質・カルシウム源として、無糖ヨーグルト・牛乳・豆腐・納豆・卵は特に取り入れやすい食材です。朝食にヨーグルトと果物を組み合わせたり、味噌汁に豆腐を入れたり、卵を1日1〜2個食べたりするだけで、かなりの栄養を補えます。チーズを使いたい場合は、一般的なプロセスチーズ(加熱殺菌されたもの)は妊娠中でもそのまま食べられます。加熱殺菌されていないナチュラルチーズはリステリアの観点から注意が必要ですが、加熱して使えば食べられます。詳しくは姉妹記事で整理しています。

妊娠中の1日の食事例【実装セクション】
「分かった、でも実際どんな食事にすればいいの?」という方のために、具体的な1日の食事例をご紹介します。「完璧な例」ではなく、「こんなイメージで」という参考として使ってください。
朝食・昼食・夕食の具体的な組み合わせ例
【朝食例】雑穀米(または全粒粉トースト)+具だくさん味噌汁(豆腐・小松菜・わかめ)+目玉焼きまたはゆで卵1個+無糖ヨーグルト+いちごまたはバナナ
【昼食例】鮭の塩焼きまたはさば缶定食(雑穀米+焼き魚または缶詰+サラダ)。外食やコンビニの場合は、鮭おにぎり+サラダ+豆乳や無糖ヨーグルトのセットでも十分です。
【夕食例】さばの煮付けまたはいわしの梅煮(青魚)+ブロッコリーとアボカドのサラダ+小松菜と豆腐の味噌汁+雑穀米。「完璧な1日のメニューより、週7日のうち5日できればOK」くらいの感覚で取り組んでみてください。
ちなみが2人の妊娠で食事について意識していたこと
私自身の話を少しだけ。私が2人の子を妊娠していたとき、食事で一番続けやすかったのが小松菜の冷凍ストックです。週はじめにまとめて冷凍しておいて、毎朝の味噌汁に一つかみ入れるだけで葉酸と鉄分が補える、とわかってからは習慣になりました。葉酸サプリは毎日飲みつつ、「食事でも少しだけ足そう」という気持ちで続けていました。
ただ、正直に言うと、できない日やどうしても気が向かない日もたくさんありました。上の子のときは「完璧にやらなきゃ」と張り切って疲れましたが、下の子のときはずいぶん力が抜けていたと思います(笑)。「今日はさば缶とインスタント味噌汁でいいや」という日があっていい。そう思えた方が、食事が苦痛じゃなくなりました。感じ方も体質も人それぞれですし、私の経験がそのまま当てはまるわけでもないので、あくまでひとつの参考として受け取ってもらえると嬉しいです。
忙しいときの時短アイデア(冷凍野菜・缶詰・作り置き)
毎日丁寧に料理する余裕がないときのために、すぐ使えるアイデアを3つ紹介します。①冷凍野菜の常備:冷凍ほうれん草・冷凍ブロッコリーは栄養価が生鮮とほぼ同等とされています。袋から出してそのまま加熱でき、味噌汁・炒め物・パスタに気軽にプラスできます。②さば缶・いわし缶の活用:DHA・EPA・鉄分・たんぱく質が一缶で摂れる優秀食材。ご飯にのせてポン酢をかけるだけでも立派な1品です。③ゆで卵の作り置き:週はじめにまとめて作っておくと、サラダのトッピングやそのまま食べるのに便利です。
外食・コンビニでも整える3つのコツ
外食やコンビニが続く日も、少し意識するだけで栄養バランスをキープしやすくなります。①主菜を必ず1品選ぶ(魚・肉・卵・豆腐のどれかが入ったメイン)、②緑の野菜を1品プラス(サラダ・冷ややっこ・小鉢を1つ追加)、③主食は雑穀や具が入ったものを選ぶ(雑穀おにぎり・玄米ご飯・具だくさんのサンドイッチ)。この3点を意識するだけで、外食でも無理なく栄養を整えることができます。
つわりで食べられないときの最低ライン
食べられないことへの不安を手放してよい理由
「つわりで食べられない。赤ちゃんに栄養が届いていないのでは?」という不安を抱えている方へ、まず伝えたいのは「安心してください」という言葉です。つわりがひどい時期(主に妊娠初期)は、赤ちゃんはまだとても小さく、ママの体に蓄えられた栄養から育ちます。食べられない日が続いても、赤ちゃんへの栄養供給は思っているより途絶えにくいとされています。この時期に最優先すべきは水分補給です。食べられるものを少しずつ、吐かずに口にできるものを食べる——それだけで十分です。
つわりが落ち着いてから栄養を整えるで間に合う
つわりが落ち着いてくる妊娠中期以降から、少しずつ食事の質を整えていくので十分です。葉酸サプリだけは飲める範囲で継続できると理想ですが、吐いて無理なときは吐き気が収まってから再開すれば大丈夫です。つわりで食べられる食材の選び方や、つわりの時期別の対策については、こちらの記事でくわしく整理しています。
つわり中の食べ物は何がいい?食べやすいもの・先輩ママが食べれたものを元看護師ちなみが解説
つわりがいつから始まりいつ落ち着くかについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
つわりはいつから?ピーク・いつまで続くかと症状・対処法を元看護師ちなみが解説

「妊娠中の食べ物で赤ちゃんが…」よくある俗説の中立処理
インターネットでは、妊娠中の食べ物をめぐる不安をあおる情報や、「これを食べると赤ちゃんが賢くなる・可愛くなる」という期待をあおる情報が多く流れています。ここでは、よく検索される3つの俗説について、現在の医学的な考え方をもとに中立にお伝えします。
「妊娠中の食べ物で自閉症になる」について
「妊娠中に◯◯を食べると自閉症になる」という情報を見て不安になった方もいるかもしれません。特定の食べ物を食べたことが原因で自閉スペクトラム症(ASD)になる、という確かな科学的根拠は確立していません。自閉スペクトラム症の発生には遺伝的な要因・脳の発達・環境要因など複数の要素が複雑に関わると考えられており、妊娠中の特定の食べ物だけで決まるものではないというのが現在の考え方です。
「頭が良くなる食べ物はある?」について
DHAが胎児の脳や神経発達に関与する可能性は研究されていますが、「これを食べれば頭のいい赤ちゃんが生まれる」という根拠が確立しているわけではありません。特定の食品を万能視したり、反対に「食べられなかったから赤ちゃんの頭が…」と罪悪感を持ったりする必要はまったくありません。バランスのよい食事全体が大切であり、特定の食材だけで知能が決まるというものではないと現在は考えられています。過度なプレッシャーなく、楽しく食べることが大切です。
「食べたもので赤ちゃんの見た目・性格が決まる?」について
「妊娠中に◯◯を食べると赤ちゃんが可愛くなる」「◯◯を食べると肌がきれいになる」といった話も、科学的な根拠が確立していない俗説です。赤ちゃんの外見・肌・性格は、遺伝的な要因や発育過程などさまざまな要素で決まります。妊娠中に食べたもので赤ちゃんの外見や性格が決まるという医学的な根拠はありません。妊娠中の食事はあくまでも栄養補給とママ自身の体調管理のため。「何を食べれば可愛くなるか」より「バランスよく食べてママが元気でいること」の方がずっと大切だと思っています。
まとめ|バランスよく・無理なく・楽しく食べることが大前提
- 妊娠中に積極的に取りたい主な栄養素は葉酸・鉄分・DHA・カルシウム・たんぱく質・食物繊維。それぞれを代表食材でバランスよく補う
- 葉酸は食事のみでの確保が難しいため、サプリとの並用が現実的。特に妊娠前〜初期に意識したい
- 魚はDHA・鉄分を含む優秀な食材。鮭・さば・いわし・アジ・さんまは水銀の心配が少なく積極的に食べてよい
- 野菜・果物・乳製品・大豆製品・卵を毎日の食卓に組み込むだけで多くの栄養素をカバーできる
- つわりで食べられない時期は無理しなくてよい。水分補給を優先し、落ち着いてから少しずつ整えればOK
- 「食べ物で赤ちゃんの知能・外見・性格が決まる」系の俗説は科学的根拠が確立していない。完璧を目指すより、楽しく食べることの方が大切
妊娠中の食事は「あれもとらなきゃ、これもとらなきゃ」と身構えすぎると、毎日の食事が苦痛になってしまいます。大切なのは、バランスよく・無理なく・楽しく食べること。完璧な食事より、食事を楽しめるママでいることの方が赤ちゃんにとっても幸せだと思います。不安なことがあれば、ひとりで抱え込まず、かかりつけの産婦人科に相談してくださいね。
参考 妊娠中と産後の食事について(妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針)こども家庭庁
妊娠中の貧血が気になる方は、鉄分を含む食材の選び方もあわせてチェックしてみてください。めまい・動悸・倦怠感といった貧血の症状や、処方鉄剤の副作用への対処法、吸収率をUPさせる食べ合わせまで、元看護師ちなみが詳しく解説しています。
妊娠中の貧血はなぜ起こる?症状・治療・食事対策を元看護師ちなみが解説
妊娠中の食事で特に意識したい栄養素のひとつが葉酸です。いつからいつまで飲むべきか・1日の推奨量・ダウン症との正しい関係・つわり中の乗り越え方まで、元看護師ちなみが詳しく解説した記事もあわせてご覧ください。
妊娠初期の葉酸、いつまで飲む?飲まなかったら?ダウン症との関係まで元看護師が解説
妊娠中の便秘対策には、食物繊維・乳酸菌・水分をバランスよく摂ることが重要です。妊娠中におすすめの食べ物を栄養素別・食材グループ別に解説した記事もあわせてご覧ください。
妊娠中の便秘はなぜ起きる?今すぐ出す方法・鉄剤対処・薬の安全性まで元看護師が解説
「体重を増やしすぎないための食事の工夫」については、こちらの記事で原因・目安の増加量・今日からできる対処法まで詳しくまとめています。
妊娠中に体重を増やさない方法はあるの?適正な増加量の目安と今日からできる工夫を元看護師が解説
妊娠糖尿病の食事管理でも、栄養バランスの取れた食べ方の工夫は共通する部分が多くあります。妊娠糖尿病の原因・診断基準・食事管理について詳しくまとめた記事もあわせてご覧ください。
妊娠糖尿病とは?原因・診断基準の数値・食事の工夫まで元看護師が解説
よくある質問(妊娠中の食べ物|FAQ)
[ { “q”: “妊娠中に積極的に食べるべき食材は何ですか?”, “a”: “葉酸を多く含むほうれん草・ブロッコリー・枝豆、鉄分豊富なあさり・小松菜・赤身肉、DHAを含む鮭・さば・いわし、カルシウム源の豆腐・牛乳・しらす、そして卵・納豆・無糖ヨーグルトなどが手軽で栄養バランスのよい食材です。特定の食材だけを大量にとるより、複数の食材をまんべんなく取り入れることが大切です。” }, { “q”: “DHA・葉酸は食事だけで足りますか?”, “a”: “葉酸は調理による損失(熱・水で30〜50%程度)があり、妊娠初期の推奨量(480μg)を食事だけで毎日安定して確保するのは難しいため、サプリメントとの並用が現実的です。DHAは青魚(鮭・さば・いわし)を週2〜3回食べる習慣で補いやすいですが、魚が苦手な方はえごま油やくるみの活用も一案です。心配な方は産婦人科で相談してみてください。” }, { “q”: “果物は食べ過ぎてはいけませんか?”, “a”: “果物はビタミンC・葉酸・食物繊維を含む栄養豊富な食材で、妊娠中でも積極的に食べて大丈夫です。ただし果物には果糖(糖分)が含まれているため、ジュースにして大量に飲んだり、毎日大量に食べ続けたりするのは避け、適量を楽しむのが基本です。「食べてはいけない果物」はなく、量と頻度を意識すれば問題ありません。” }, { “q”: “つわりで食べられないとき、赤ちゃんへの影響はありますか?”, “a”: “つわりがひどい妊娠初期は、赤ちゃんはまだとても小さく、ママの体に蓄えられた栄養から育ちます。「食べられない=赤ちゃんへの栄養が途絶える」というものではありません。この時期は水分補給を最優先に、食べられるものを少しずつ口にするだけで十分です。つわりが落ち着いてきた妊娠中期以降から、少しずつ食事の質を整えれば間に合います。” } ]続けて読みたい関連記事
妊娠中の食べ物や体調管理について、あわせて読んでおきたいテーマを3本選びました。
妊娠中に食べてはいけないものは?避けたい食べ物の一覧と理由を元看護師ちなみが解説

