産後の痔(いぼ痔・切れ痔)はどれくらいで治る?出たまま戻らないとき・授乳中の薬・受診の目安を元看護師が解説

窓辺の椅子で両手にマグカップを持ちひと息つく産後の女性のイメージ|産後の痔とどう付き合うかを考えるシーン

「産んだあと、おしりが痛くて座れない」「トイレのたびに真っ赤な血がついて怖い」「何かが出たまま戻らない」——赤ちゃんのお世話が始まったばかりの体で、こんな痛みを抱えている方が、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。しかも場所が場所だけに、誰にも言えないまま検索している、という方も多いと思います。

まず知っておいてほしいのは、産後の痔はまったく珍しいことではないということです。妊娠中から痔になる人は多く、出産のいきみがそこに重なることで、産後に一気に症状が出る方がいます。あなたの体が特別に弱かったからでも、我慢が足りなかったからでもありません。

この記事では、元看護師で2児の母である私「ちなみ」が、産後の痔について、なぜ起きるのか、どれくらいで落ち着いていくのか、出たまま戻らないときにどう考えればいいのか、授乳中に薬を使えるのか、そしてどこへ相談すればいいのかを、学会や公的機関の情報をもとに整理しました。読み終わるころには「これは相談していいことなんだ」と思えるように書いています。

この記事を読む前に
痔の症状の出方や治り方には大きな個人差があります。この記事は特定の市販薬・手術方法・医療機関をすすめるものではありません。強い痛みが続くとき、出血が止まらないとき、発熱を伴うときは、記事を読み進めるより先に産院や医療機関へ連絡してください。

産後に痔ができる・悪化するのはなぜ?

「出産のいきみで痔になった」と言われることが多いのですが、実際にはもう少し前から準備が進んでいることがほとんどです。産後の痔は、妊娠期間中にじわじわ積み上がった条件の上に、出産という一日と、その後の生活が重なって表に出てくる、という順番で起こります。

妊娠中からすでに「なりかけ」だったことが多い

妊娠すると、プロゲステロン(女性ホルモンの一種)の影響で血管の壁がゆるみやすくなり、静脈に血がたまりやすい状態になります。さらに、大きくなった子宮が骨盤の中を通る静脈を押さえるため、おしりのまわりの血流が滞りやすくなります。加えて妊娠中は腸の動きがゆっくりになり、便秘に悩む方が増えます。

つまり妊娠中の体は、「血がたまりやすい」「押さえつけられている」「便が硬くなりやすい」という三つの条件がそろっている状態です。妊娠中は自覚がなくても、肛門のまわりのクッションのような組織はすでに負担を受けていた——という方が少なくありません。

妊娠後期の女性がソファに座り腰のあたりに軽く手を添えているシーン|妊娠中の痔のイメージ 妊娠中の痔(いぼ痔・切れ痔)はなぜできる?原因と対処法、市販薬の安全性を元看護師が解説

分娩のいきみが最後の一押しになる

そこへ出産が重なります。分娩のときのいきみは、日常の排便とは比べものにならない強さで、しかも繰り返し腹圧がかかります。もともと血がたまりやすくなっていた部分に一気に圧がかかることで、それまで表に出ていなかったものが押し出されたり、急に腫れたりします。

「産んだ直後からおしりが痛かった」「産室で何か出ているのに気づいた」という体験がよく語られるのは、このためです。逆に言えば、あなたのいきみ方が下手だったわけではありません。

自宅のソファでスマートフォンのタイマーを確認する妊娠後期の女性のイメージ|陣痛の間隔を計っているシーン 陣痛とは?間隔・痛みの強さ・病院へ行くタイミングを元看護師が解説

産後の便秘と「いきみたくない気持ち」が悪循環をつくる

産後にとてもよく起こるのが、この悪循環です。出産で水分を失い、授乳でさらに水分が出ていき、動きも制限され、食事のタイミングも不規則になる——産後は便が硬くなりやすい条件がそろっています。

そこにおしりの痛みが加わると、「いきむのが怖い」「トイレに行きたくない」という気持ちが生まれます。すると便がさらに硬くなり、次の排便でもっと痛い思いをする。日本大腸肛門病学会も、裂肛(切れ痔)は硬い便を無理に出すことで切れやすくなると説明しています。この輪をどこかで断つことが、産後の痔と付き合ううえでいちばん大事なポイントです。

ちなみ(元看護師)

看護師時代、産後の患者さんから「痛くて出せない」というご相談を何度も受けました。多くの方が「便秘は自分の努力不足」と思い込んでいらっしゃるのですが、産後の便秘は体の条件そのものが変わって起きるものです。我慢して耐えるより、早めに伝えてもらったほうがずっと早く楽になります。

妊娠中にソファでハーブティーを飲みながら穏やかに過ごす女性。妊娠中の便秘の原因・対処法・薬の安全性を解説する記事のイメージ 妊娠中の便秘はなぜ起きる?今すぐ出す方法・鉄剤対処・薬の安全性まで元看護師が解説

帝王切開でも痔になることがある

「いきんでいないのに、なぜ?」と驚かれる方がいます。けれどここまで見てきたとおり、痔の背景にあるのはホルモンの影響・子宮による圧迫・便秘であって、これらは帝王切開でも同じように起こります。むしろ帝王切開のあとは傷の痛みで動きづらく、腸の動きが戻るまでに時間がかかることもあるため、便秘から痔につながる方もいます。

自宅でカレンダーと母子手帳を見ながら日程を確認する妊娠後期の女性のイメージ|予定帝王切開の日程を確認するシーン 帝王切開とは?流れ・痛みはいつまで・入院期間や費用を元看護師が解説

いぼ痔・切れ痔・突然の激痛——産後に出やすい症状の見分け方

ひとくちに痔といっても、症状の出方はかなり違います。自分がどのタイプかを大まかにつかんでおくと、受診したときにも状況を伝えやすくなります。ここでは日本大腸肛門病学会の説明をもとに、産後に出やすいものを整理します。

いぼ痔(痔核)——出血と脱出が主役、内側にできたものは痛みにくい

いぼ痔は、肛門の内側1〜2cmの部位にできる「内痔核」と、それより外側あるいは肛門の外にできる「外痔核」に分けられます。症状は出血・脱出・痛み・腫れです。

知っておくと安心なのが、内痔核ができる場所には痛みを感じる神経がないため、痛みを感じにくいという点です。「痛くないのに血が出る」という状態は、それだけで異常というわけではありません。出血は鮮紅色で、排便のときに出て、排便が終わると自然に止まるのが典型的とされています。

ただし「痛くないから放っておいていい」という意味ではありません。出血が続く、量が増える、便に混じって黒っぽい血が出る、といったときは、痔以外の原因も含めて確認してもらう必要があります。

切れ痔(裂肛)——排便のときに走る痛みと、少量の鮮血

切れ痔は、硬い便を無理に出すことで肛門の皮膚が切れて起こります。主な症状は痛みと出血で、出血は鮮紅色、量は少ないことが多いとされています。

痛みの程度には個人差があり、排便のときだけでなく、排便が終わったあとに強い痛みが長引くこともあります。「出したあと数十分ずっとヒリヒリする」というのは切れ痔でよくある訴えです。また、切れたあとに下痢が続くと治りにくくなるという点も学会が指摘しています。産後は食生活が乱れやすいので、便秘だけでなく下痢にも注意が必要です。

いぼ痔と切れ痔のざっくりした違い
  • いぼ痔(痔核):ふくらみ・脱出が主。内側のものは痛みにくい。出血は鮮紅色で排便後に止まりやすい
  • 切れ痔(裂肛):痛みが主。排便のときに走るような痛み、あとを引く痛み。出血は鮮紅色で少量
  • 両方が同時にあることも珍しくありません。どちらか一方に決めつけなくて大丈夫です

ある日突然の激痛と腫れ——血栓性外痔核・嵌頓痔核

産後に「急に」「激しく」痛むタイプがあります。日本大腸肛門病学会は、嵌頓(かんとん)痔核や血栓性外痔核は突然できて痛みと腫れがみられる、と説明しています。とくに嵌頓痔核は、脱出したものが締めつけられて血流が悪くなり、激痛とともに膨らんで急に戻らなくなる状態で、緊急の手術が必要になることもあるとされています。

ここが、この記事でいちばん強調しておきたいところです。「急に大きく腫れた」「激痛がある」「押しても戻らない」——このいずれかがあるときは、自宅で対処しようとせず受診してください。あとで詳しく触れますが、これは「押し込む」対象ではない可能性があります。

それ、本当に痔?——会陰切開の傷・悪露との見分け

ここは産後ならではのポイントです。「おしりの穴が痛い」と検索してたどり着いた方の中には、実は痔ではない方が混じっています。産後は、痔以外にも同じあたりが痛む理由がいくつもあるからです。

ひとつは会陰切開や会陰裂傷の傷です。傷は肛門の手前側(腟と肛門のあいだ)にありますが、腫れやつっぱりが強いと「おしり全体が痛い」と感じます。座ったときの痛み、縫った糸のごろごろした違和感、傷を引っぱられる感じが強いなら、こちらの可能性があります。

もうひとつは出血の出どころの取り違えです。産後は悪露(おろ)が続いているので、紙についた血が悪露なのか痔からの出血なのか判断しづらくなります。おおまかな目安は「紙で拭いたときにだけ鮮やかな赤がつき、ナプキンにはあまりつかない」なら痔からの出血に近いということ。逆に、下着やナプキンに広く付いていて、においや量の変化があるなら悪露側を疑います。

そして「何か出ている」ときも、痔核だけとは限りません。産後は骨盤のまわりを支える組織がゆるみ、体の中のものが下がってくる感じが出ることがあります。自分で見分けようとしなくて大丈夫です。大事なのは「産後は痛みの理由が複数ありうる」と知っておくことと、そのまま医療者に伝えることです。

ちなみ(元看護師)

受診のときは、原因を自分で言い当てなくて大丈夫です。「いつから」「どんなときに痛いか」「紙につくのかナプキンにつくのか」「出ているものがあるか」——この4つを伝えるだけで、見るべきところがぐっと絞れます。

自宅でタブレットを見ながら出産の流れについて調べる妊娠後期の女性のイメージ|会陰切開について知りたいシーン 会陰切開とは?痛みはいつまで・傷跡ケアから保険適用まで元看護師が解説

窓辺のテーブルで両手にマグカップを持ち、穏やかに休む女性のイメージ|産後の悪露が続く時期を過ごすシーン 悪露(おろ)とは?いつまで続く・色や量の変化・受診の目安を元看護師が解説

産後の痔はどれくらいで治る?いつまで続くのか

この記事にたどり着いた方がいちばん知りたいのは、たぶんここだと思います。ただ、正直にお伝えすると「◯日で治ります」と言い切れる数字はありません。症状の種類も、もともとの状態も、産後の生活も人によってまったく違うからです。

そのかわり、ここでは「治る」という言葉を分解してお伝えします。これがわかると、「まだ治らない」と焦る気持ちがだいぶ整理できるはずです。

「痛みが引くこと」と「ふくらみが消えること」は別のこと

ここがいちばんの誤解ポイントです。痔の症状は、痛み・出血・腫れ・脱出といくつもありますが、これらは同じ速さで消えていくわけではありません。

多くの場合、先に落ち着くのは痛みと出血です。生活を整え、便が硬くならないようにしていくと、排便のたびの痛みや出血はやわらいでいきます。一方で、ふくらみ(いぼ)そのものは、症状が落ち着いたあとも残ることがあります。日本大腸肛門病学会も、脱出する症状があるものについては、いずれ時期をみて手術や注射による治療が必要になる場合があると説明しています。

つまり「触ると何かある=まだ治っていない=失敗」ではありません。痛くない・出血しない・生活に支障がない状態まで戻れば、それはひとつのゴールです。そのうえで、ふくらみをどうするかは、体が落ち着いてから考えればいい話です。

「治った」の3段階
  1. 急な痛みと腫れが引く——ここがいちばん先に来ることが多い段階
  2. 排便のたびの痛み・出血が減る——便の状態が整うのと並行して落ち着いていく段階
  3. ふくらみ自体が小さくなる/気にならなくなる——いちばん時間がかかり、残ることもある段階

1と2まで来ていれば、日常はかなり楽になっています。3が残っていることを理由に焦らなくて大丈夫です。

出産直後から産後1週間ごろ——いちばんつらい時期

出産のいきみによる腫れが残っていて、そこに産後の便秘が重なりやすいのがこの時期です。会陰の傷の痛みや後陣痛も同時にあるので、「どこが痛いのかわからない」という状態になりがちです。

この時期は、入院中であれば助産師さんや看護師さんにその場で言うのがいちばん早いです。産科の病棟では痔の相談は日常的なもので、驚かれることはありません。産院で処方してもらえる薬もありますし、初回の排便に向けて便を柔らかくする薬を出してもらえることもあります。

明るい窓辺のソファで両手にマグカップを持ちひと息つく女性のイメージ|産後の後陣痛が続く時期を過ごすシーン 後陣痛とは?いつからいつまで続く・どんな痛み・和らげ方を元看護師が解説

産後1か月ごろ——「落ち着いてきた」と感じる方が多い時期

産褥期(さんじょくき)と呼ばれる産後6〜8週間は、妊娠で変化した体が戻っていく時期です。子宮が小さくなり、骨盤の中の圧迫がとれ、悪露も減っていきます。この変化に合わせて、痔の症状も軽くなっていくことが多いとされています。

ただし「1か月健診で何も言わなかったから、もう相談する場がない」と思わないでください。健診で言いそびれた方はとても多いので、あとから連絡しても構いません。

明るいリビングのソファで穏やかに休む30代女性のイメージ|産褥期に体を労わりながら回復していく時期を表すシーン 産褥期とは?いつまで続く?体の変化・過ごし方・働ける時期まで元看護師がまるごと解説

産後3か月・半年たっても続くとき

ここまで来ても痛みや出血が続いている場合は、「産後だから仕方ない」という説明では足りません。産褥期はすでに終わっており、体の条件は妊娠前に近づいているはずだからです。

この段階で残っている症状は、慢性化した切れ痔や、治療が必要な段階の痔核であることがあります。学会も、裂肛が進むと肛門が狭くなったり、見張りいぼや肛門ポリープができたりする可能性があると説明しています。時間が解決してくれるのを待つより、一度きちんと診てもらう段階です。

「なかなか治らない」と感じるとき、多くは便の状態が変わっていない

薬を使っているのに良くならない、という相談はとても多いのですが、話を伺っていくと、便が硬いままだったというケースがかなりの割合を占めます。とくに切れ痔は、硬い便が通るたびに同じ場所が切れ直すので、いくら塗っても追いつきません。塗り薬は傷が治っていくのを邪魔しない環境をつくるものであって、通り道の条件が変わらなければ、切れる回数は減らないのです。

もうひとつよくあるのが、「良くなった」と感じた時点でやめてしまうパターンです。痛みが引いたので水分も食物繊維も薬もやめる、すると数日で元に戻る、という往復を繰り返している方がいます。産後は生活が不規則になりやすいので、「痛くなくなってからしばらくは続ける」と最初に決めておくほうが、結果的に短くすみます。

そして、便を柔らかくする薬は「くせになるから使いたくない」と我慢する必要はありません。産後の一時期に、便が硬くならないよう手を借りることは自然なことです。種類も強さもいろいろあるので、合うものを産院や薬剤師と相談して選んでください。

参考 裂肛|市民のみなさまへ日本大腸肛門病学会

洗面器にはった澄んだお湯とたたんだタオルのイメージ|産後の痔で温めることが対処のひとつになることを表すシーン

「出たまま戻らない」——押し込んでもいいの?

「出たまま」「押し込み方」で検索している方が多いテーマです。切実さがよくわかるので、正面から書きます。ただし順番が大事です。押し込み方の手順よりも先に、「押していい状態かどうか」を確認してください。

押し込む前に確認したい3つのこと

このどれかに当てはまるなら、押さずに受診を
  • 強い痛みがある——じっとしていてもズキズキする、座れないほど痛い
  • 急に大きく腫れた——昨日までなかったものが今日いきなり出て、硬く張っている
  • 押しても戻らない——戻そうとしても戻らず、痛みが増す

これらは血栓性外痔核や嵌頓痔核のサインであることがあります。嵌頓痔核は締めつけられて血流が悪くなっている状態で、緊急の手術が必要になることもあります。無理に押すのは避けてください。

痛みが軽く、以前から出たり戻ったりしている場合

排便のときだけ出てきて、自然に戻る、あるいは軽く触れると戻る——というタイプであれば、緊急性は高くないことが多いとされています。この場合も、「自分で戻していいものか」「戻すときに気をつけることはあるか」を、一度は医療者に確認しておくことをおすすめします。

この記事で具体的な手技をお伝えしないのは、意地悪をしているからではありません。同じ「出ている」でも状態がまったく違い、押していいものと絶対に押してはいけないものが混ざっているからです。ネットの手順どおりにやって悪化させてしまうより、一度見てもらってから自分の場合のやり方を教わるほうが、結果的に早く楽になります。

「出たままだけど痛くない」ときはどう考える?

これも検索されているパターンです。内痔核は痛みを感じる神経がない場所にできるため、脱出していても痛くないことがあります。痛くないぶん放置されやすいのですが、脱出する段階のものは、生活の工夫だけでは元に戻らないことも多いとされています。

ただし「痛くない=今すぐ受診しなければ危険」でもありません。急がなくていいけれど、いつか相談したほうがいいこととして、産後の生活が少し落ち着いたタイミングを見つけて受診してください。

毎回押し込むのが習慣になっているなら、それ自体が伝えるべき情報

「トイレのたびに出るので、そのたびに戻している」という状態が続いているなら、それは受診時に必ず伝えてほしい情報です。自分で戻せているうちは問題ないと思われがちですが、脱出の程度は状態を判断するうえで重要な手がかりになります。

伝えるときは、次の3点がわかると診てもらいやすくなります。

  • いつ出るか——排便のときだけか、立っているだけでも出るか、歩いていても出るか
  • どう戻るか——自然に戻るか、押さないと戻らないか、押しても戻らないか
  • いつからか——出産直後からか、産後しばらくしてからか、妊娠中からあったか

この3つは、診察室で言葉に詰まりやすいところです。あらかじめメモにしておくと、緊張していてもそのまま渡せます。

「押し込めば元どおり」ではないことも知っておく

戻せば見えなくなるので解決したように感じますが、脱出する段階まで進んだ痔核は、押し込んでも状態そのものが元に戻るわけではありません。押し込むのはその場をしのぐ行為であって、治療ではない——ここを分けて考えておくと、「戻せているのになぜ良くならないのだろう」というもやもやが減ります。

だからといって、今すぐ何かをしなければいけないわけでもありません。産後は体も生活も動いている最中なので、いま無理なくできるのは「悪化させないこと」と「記録しておくこと」です。治療をどうするかは、体が落ち着いてから決めれば間に合います。

参考 痔核についてのQ&A|市民のみなさまへ日本大腸肛門病学会

授乳中に痔の薬は使える?——市販薬を買う前に

「授乳中だから薬は我慢するしかない」と思って、痛みに耐えている方がいます。ここは考え方を知っておくだけでずいぶん楽になるところなので、丁寧に書きます。

母乳へ移行する量はごくわずか、が基本の考え方

国立成育医療研究センターは、多くの薬は母乳中に移行するものの、その移行する量は非常に少ないことがわかっており、赤ちゃんに影響する可能性は低いと説明しています。そのうえで、同センターは「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」の一覧を公開しています(五十音順と薬効順の2種類)。

これは「何を飲んでも大丈夫」という意味ではありません。けれど、「授乳中だから何も使えない」という思い込みは事実と違うということは、はっきり言えます。とくに痔の外用薬(塗り薬・坐薬)は、体全体に回る量が飲み薬よりさらに限られます。

参考 授乳中に安全に使用できると考えられる薬(薬効順)国立成育医療研究センター

いちばん確実なのは「産院で相談すること」

入院中や産後健診のときに伝えれば、その場で処方してもらえることがあります。産科は授乳中であることを前提に薬を選んでくれるので、自分で調べて悩む時間が省けます。これがいちばん早くて確実です。

また、痔の薬だけでなく、便を柔らかくする薬も選択肢に入ります。産後の痔は便が硬いことで悪化しやすいので、痛みに直接働きかける薬と、原因側にはたらく薬を組み合わせて考えるのが自然です。ここも産院なら一緒に相談できます。

市販薬を買うときに、薬剤師へ必ず伝えること

ドラッグストアで買う場合は、棚の前で一人で悩まず、薬剤師さんに声をかけてください。そのときに伝えてほしいのは次の4つです。

  • 授乳中であること(何か月かも言えるとより良いです)
  • 出産からどれくらい経っているか
  • 症状——痛みが主なのか、出血が主なのか、出ているものがあるのか
  • ほかに飲んでいる薬・サプリメント

市販薬で様子を見ないほうがいいとき
市販薬を使っても数日〜1週間ほどで変化がないとき、出血が増えるとき、発熱があるとき、痛みが強くなっていくときは、市販薬を続けず受診してください。市販薬は「軽い症状を一時的にやわらげる」ためのものであって、進んだ状態を元に戻すためのものではありません。

薬の「形」がいくつもあるのはなぜ?——塗り薬・坐薬・注入軟膏

棚の前で迷う原因のひとつが、同じような名前で形が違う商品が並んでいることです。ここは仕組みを知っておくと選びやすくなります。ざっくり言えば、薬を届けたい場所が肛門の外側なのか内側なのかで形が変わるのです。

  • 塗り薬(軟膏)——外側にできたものや、切れた皮膚に届けたいときに使う形
  • 坐薬——肛門の中に入れて、内側にできたものに届けたいときに使う形
  • 注入軟膏——細い容器で中に注入でき、外側にも塗れる。内と外の両方に症状があるときに選ばれやすい形

日本大腸肛門病学会も、裂肛の治療では注入軟膏や坐薬を使うと説明しています。「痛みが主なのか、出血や脱出が主なのか」「外側なのか内側なのか」を薬剤師に伝えるだけで、選ぶべき形が絞れます。自分でパッケージの文言を読み比べるより、ずっと早いです。

「授乳をやめれば強い薬が使える」と考える前に

痛みが強いとき、「断乳すれば選択肢が広がるのでは」と考える方がいます。気持ちはとてもよくわかります。けれど、痔の治療でそこまでの判断が必要になる場面は多くありません。前述のとおり外用薬は体全体に回る量が限られますし、授乳中に使える選択肢は公的な情報としてまとめられています。

授乳をどうするかは、痛みに追い詰められた状態で決めることではありません。まず「授乳を続けたいのですが、使える薬はありますか」と聞いてみてください。そのうえで、それでも難しい状況があるなら、そのときに改めて考えれば十分です。

水のグラスと食物繊維の多い食材が並ぶテーブルのイメージ|産後の痔で便を硬くしない工夫を表すシーン

家でできること——赤ちゃんを見ながらでも続けられる工夫

ここで紹介するのは、時間も手間もかからないものだけにしぼりました。産後に「1日30分の運動を」と言われても現実的ではないからです。日本大腸肛門病学会も、痔の治療の基本は排便・生活の指導と薬物治療であり、肛門をいたわる生活で軽快することが多いと説明しています。

便を硬くしない——授乳中はとくに水分が要る

いちばん効果を実感しやすいのがここです。授乳をしていると体から出ていく水分が増えるので、妊娠前と同じ感覚で飲んでいると足りなくなります。授乳のたびにコップ1杯、と決めておくと、意識しなくても回数が確保できます。

食物繊維も大切ですが、「野菜をたくさん作る」ではなく、手を加えずに食べられるもので数を稼ぐのが産後向きです。バナナ・キウイ・りんご、オートミール、納豆、わかめやめかぶ、具だくさんの汁物——片手でつまめる・洗い物が増えないものを選んでください。

妊娠中の女性が食卓で野菜や果物・小魚など積極的に食べたい食材を前に穏やかにほほえんでいるシーン|妊娠中に食べていいものの選び方のイメージ 妊娠中に食べていいもの・積極的に食べたい食材は?栄養素別に元看護師ちなみが解説

いきむ時間を短くする

これは意外と知られていない工夫です。トイレで長くいきむほど、肛門のまわりに圧がかかり続けます。「出そうな感じがしなければ、いったん切り上げる」という決め方にしてみてください。

そして、便意を感じたら我慢しないこと。産後は「今は手が離せない」と後回しにしがちですが、我慢を繰り返すと便が硬くなり、次の排便がもっとつらくなります。赤ちゃんを安全な場所(ベビーベッドやプレイマットなど)に寝かせて、数分だけトイレに行く——それで大丈夫です。

温める——シャワーや座浴で血のめぐりを助ける

おしりのまわりを温めると、血のめぐりが助けられて痛みがやわらぐことがあります。洗面器やベビーバスにぬるめのお湯をはって数分座る「座浴」でもいいですし、シャワーを当てるだけでも構いません。

ただし産後は、悪露が続いている時期や、会陰の傷の状態によって、湯船につかる時期に制限があります。入浴の再開時期は産院の指示に従ってください。シャワーや部分的な座浴なら早い時期から可能なことが多いので、迷ったら健診で聞いてみてください。

座り方——円座クッションは万能ではない

産後の必需品として円座クッションが挙げられることが多いですが、これは合う人と合わない人がいます。中央が空いていることで痛む部分が浮いて楽になる方もいれば、まわりに圧が集中してかえって痛む方もいます。

大事なのは道具の種類より、同じ姿勢で座り続けないことです。授乳は長くなりがちなので、途中で座り直す、少し横向きになる、クッションの厚みを変える——そんな小さな調整で十分です。「楽にならないのに使い続ける」必要はまったくありません。

清潔に保つ、けれどこすらない

排便のあとは清潔にしておきたいところですが、力を入れて拭くと切れ痔を悪化させます。押さえるように拭く、温水洗浄便座を使うならぬるめ・弱めの水流にして短時間で終える、というのが基本です。

洗いすぎにも注意してください。強い水流を長く当てたり、必要以上に洗ったりすると、皮膚を守っている油分が落ちて、かえって刺激に弱くなります。

ちなみ(元看護師)

産後は「ちゃんとやらなきゃ」が増えて苦しくなりがちです。この中で1つだけやるなら、私は水分をおすすめします。授乳のたびにコップ1杯——これだけなら、赤ちゃんを抱いたままでもできますから。
机の上に置かれた小さな冊子とペンとマグカップのイメージ|産後健診で伝えたいことをメモしておくことを表すシーン

何科に行けばいい?——受診をためらわなくていい理由

「痔で病院に行くのが恥ずかしい」「赤ちゃんがいるのに自分のことで受診していいのかな」——この気持ちが、いちばん受診を遅らせます。ここは実務的に、いちばんハードルが低い順で書きます。

産後2週間健診・1か月健診で言うのが、いちばん手間がかからない

ここがこの記事でお伝えしたい実務の要です。産後にはすでに予約された受診の機会があります。産後2週間健診と1か月健診です。新しく予約を取る必要も、赤ちゃんを預ける算段をつける必要もありません。

それでも多くの方が、この場で痔のことを言いそびれます。「先生が忙しそうだった」「赤ちゃんのことを聞かれて自分の話をする流れにならなかった」——本当によく聞く話です。

だからおすすめしたいのは、健診に行く前にメモを書いておくことです。スマホのメモでも母子健康手帳の余白でもかまいません。「おしりが痛い。いつから。紙に血がつく。出ているものがある」——これだけ書いておいて、聞かれなくても自分から出してください。産科では日常的な相談なので、言われて困る医療者はいません。

参考 母子保健|健やか親子こども家庭庁

健診が終わってしまった/健診まで待てないとき

出産した産院に電話して構いません。産後1か月健診が終わっていても、産科は産後の相談窓口として機能します。「産後の痔のことで相談したい」と伝えれば、受診が必要かどうかも含めて案内してもらえます。

痛みが強い、出血が続くなど、待てない状況であれば、健診を待たずに連絡してください。「大げさかもしれない」と思う必要はありません。

肛門科・大腸肛門病の専門医という選択肢

専門的な処置や手術を考える段階になったら、肛門科や大腸肛門病を専門とする医療機関が選択肢になります。産婦人科から紹介してもらう形がいちばんスムーズです。日本大腸肛門病学会のサイトには、市民向けの解説とあわせて専門医に関する情報も掲載されています。

受診の際は「授乳中です」と最初に伝えてください。薬の選び方が変わりますし、検査や処置の進め方を配慮してもらえます。

赤ちゃんを連れて行けるか問題

現実的な壁がここです。医療機関によって、赤ちゃん連れで受診できるかどうかは違います。予約の電話をするときに「生後◯か月の子を連れて行きたい」と先に伝えておくと、待合の案内や診察の順番を配慮してもらえることがあります。

難しい場合は、家族に見てもらえる時間帯を選ぶ、産後ケア事業や一時預かりを使う、という方法もあります。住んでいる自治体の産後ケア事業は、こども家庭庁の母子保健施策として各自治体が実施しています。「自分の受診のために預ける」ことに引け目を感じなくて大丈夫です。

手術はいつからできる?——切らない選択肢も含めて

「産後 いぼ痔 手術 いつから」と検索する方がいます。この不安には、いくつかの前提を知っておくと答えが見えてきます。

産後すぐは、まず様子をみるのが一般的

産後の体は回復していく途中で、しかもホルモンの状態も変化の最中です。出産直後にいちばん大きく見えていたものが、数週間から数か月かけて小さくなっていくことも珍しくありません。そのため、緊急性がある場合を除いて、まずは生活の工夫と薬で様子をみるのが一般的です。

ただし前述のとおり、嵌頓痔核のように急いだほうがいい状態もあります。「産後だから待つ」が常に正解ではないことは、あわせて覚えておいてください。

手術以外の治療もある

脱出する症状のある痔核については、日本大腸肛門病学会は、時期をみて手術、あるいはALTA療法という痔核に対する局所注射薬による治療が必要になる場合があると説明しています。「手術か、何もしないか」の二択ではない、ということです。

どの方法が向いているかは、痔核の状態・症状の強さ・生活の状況によって変わります。ここは調べて決めるところではなく、診てもらったうえで相談するところです。

参考 痔核の治療|市民のみなさまへ日本大腸肛門病学会

授乳を続けたい場合も、まず相談していい

「手術=授乳をやめないといけない」と思って相談自体をあきらめてしまう方がいます。けれど、授乳を続けたいという希望は、治療の時期や方法を決めるときの大切な条件のひとつです。希望として伝えていいことです。そのうえで、いつやるのがいいかを一緒に考えてもらってください。

見逃したくない受診のサイン

ここまで「産後の痔はよくあること」とお伝えしてきましたが、痔だと思っていたものが別の問題であることもあります。次のようなときは、様子を見ずに連絡してください。

産院・医療機関へ連絡してほしいとき
  • じっとしていても強く痛む/急に大きく腫れた/押しても戻らない——血栓性外痔核・嵌頓痔核の可能性
  • 出血が止まらない、量が増えていく、ふらつきや動悸を伴う
  • 黒っぽい血・便に混ざった血が出る——痔以外の原因も確認が必要
  • 38度以上の発熱を伴う、おしりのまわりが熱を持って腫れている、膿のようなものが出る
  • 悪露のにおいが強くなった、量が急に増えた——痔ではなく産後の子宮側の問題の可能性
  • 1週間以上たっても痛みや出血がまったく変わらない、あるいは悪化している

とくに発熱を伴うときは、痔だけの話ではない可能性があります。産後の発熱は原因の幅が広く、自己判断で解熱剤を飲んで様子を見るのは避けてください。

クッションに足をのせて脚を高くして休む女性の足元のイメージ|産後の足のむくみへの対処を表すシーン 産後のむくみはいつまで続く?「象の足」の原因と受診が必要なサインを元看護師が解説

次の妊娠・出産に向けて——繰り返さないためにできること

「次に産むときもまた同じ思いをするの?」という不安の声もよく聞きます。残念ながら「絶対に繰り返さない方法」はありませんが、条件を減らしておくことはできます。

  • 今回の痔を、中途半端なところで放置しない——症状が残ったまま次の妊娠に入ると、妊娠中の条件が上乗せされます。落ち着いているうちに一度診てもらっておくと選択肢が広がります
  • 便秘との付き合い方を先に作っておく——妊娠前から便が硬くなりやすい方は、次の妊娠中にも同じことが起きやすくなります
  • 次の妊娠がわかった時点で「前回、産後に痔で苦労した」と伝える——妊娠中から便秘への対応を早めに考えてもらえます。バースプランに書いておくのも有効です

窓辺のテーブルでノートを前に考えこむ妊娠後期の女性のイメージ|バースプランに何を書くか迷っているシーン バースプランとは?書き方・例文から思いつかないときのヒントまで元看護師が解説

ちなみから|言い出しにくいことほど、早く言ったほうが楽になる

看護師時代、産後の病棟でいちばん「言い出しにくそうにされていたこと」が、おしりの症状でした。悪露のことや母乳のことは比較的すぐに話してくださるのに、痔のことだけは最後まで黙っていて、退院の直前に小さな声で聞かれる——そんな場面を何度も見てきました。

でも、産科で働く側からすると、これは本当にありふれた相談です。驚きもしませんし、記録に大げさに残るようなことでもありません。むしろ「もっと早く言ってくださったら、入院中にできることがあったのに」と思うことのほうがずっと多かったです。

私自身、2人の出産を経て思うのは、産後は「自分のことを後回しにするのが当たり前」になりやすい時期だということです。赤ちゃんのことは一日に何度も気にかけるのに、自分の痛みは「そのうち治るだろう」で流してしまう。けれど、座るのがつらい状態で授乳を続けるのは、本当にしんどいことです。

あなたの痛みは、後回しにしていいものではありません。健診のときにメモを1枚出すだけで、状況が変わることがあります。

まとめ|産後の痔は、あなたのせいではありません

この記事のポイント
  • 産後の痔は、妊娠中のホルモン・子宮による圧迫・便秘という条件の上に、出産のいきみが重なって起こる。帝王切開でも起こる
  • いぼ痔(痔核)は出血と脱出が主で内側のものは痛みにくい。切れ痔(裂肛)は痛みが主。両方あることも珍しくない
  • 「治る」は3段階。急な痛みと腫れ → 排便時の痛み・出血 → ふくらみ自体、の順で落ち着く。ふくらみが残っていても、痛くなければひとつのゴール
  • 強い痛み・急な腫れ・押しても戻らない、のいずれかがあれば押し込まずに受診。血栓性外痔核や嵌頓痔核の可能性がある
  • 授乳中でも使える薬はある。産院で相談するのがいちばん早い。市販薬を買うときは薬剤師に授乳中であることを伝える
  • 家でできることの優先順位は、水分(授乳のたびにコップ1杯)→ いきむ時間を短く → 温める。円座クッションは合わなければ使わなくていい
  • 受診は産後2週間健診・1か月健診で言うのがいちばん手間がかからない。メモを1枚書いていく
  • 発熱・止まらない出血・黒っぽい血を伴うときは、痔以外の可能性も含めて連絡する

産後の痔は、体の変化と出産という出来事が重なって起こるものです。あなたのいきみ方が悪かったわけでも、我慢が足りなかったわけでもありません。

そして、いちばん伝えたいのは「これは相談していいこと」だということです。座るのがつらいまま毎日何度も授乳するのは、体力的にも気持ちの面でも消耗します。次の健診まで待てるなら、メモを1枚。待てないなら、今日電話を1本。それだけで、明日が少し楽になるかもしれません。

よくある質問(産後の痔|FAQ)

Q産後の痔は自然に治りますか?

A.出産をきっかけにできた痔は、産後に体が回復していくにつれて症状がやわらいでいくことが多いとされています。ただし「痛みや出血がおさまること」と「ふくらみそのものが消えること」は別で、ふくらみが残ったまま症状だけ落ち着くこともあります。数か月たっても痛みや出血が続くとき、脱出したものが戻らないときは、自己判断で様子を見続けず一度診てもらってください。

Q産後の痔は何科を受診すればいいですか?

A.まずは出産した産婦人科で大丈夫です。産後2週間健診・1か月健診はすでに予約されている受診の機会なので、その場で伝えるのがいちばん手間がかかりません。専門的な処置や手術が必要そうなときは、産婦人科から肛門科・大腸肛門病の専門医へつないでもらえます。

Q授乳中でも痔の薬は使えますか?

A.多くの薬は母乳へ移行する量が非常に少なく、赤ちゃんに影響する可能性は低いと考えられています。国立成育医療研究センターは「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」の一覧を公開しており、痔の外用薬もその考え方の対象になります。ただし自己判断ではなく、産院や薬剤師に「授乳中です」と伝えたうえで選んでください。

Q出たままのいぼ痔は押し込んでもいいですか?

A.押し込むかどうかを自分で決める前に、まず確認してほしいことがあります。強い痛みがある、急に大きく腫れた、押しても戻らない——このいずれかがあるときは押さずに受診してください。血栓性外痔核や嵌頓痔核といって、押し込む対象ではない状態のことがあるためです。痛みが軽く、以前から出たり戻ったりしているものであれば、受診時に「戻していいものか」を確認しておくと安心です。

Q帝王切開だったのに痔になったのはなぜですか?

A.痔は分娩のいきみだけが原因ではありません。妊娠中のホルモンの影響で血管がゆるみやすくなること、大きくなった子宮が骨盤の中の静脈を圧迫すること、そして産後の便秘が重なることが背景にあります。これらは経腟分娩でも帝王切開でも共通なので、帝王切開でも痔の症状が出ることがあります。

Q痔の手術は産後いつからできますか?

A.産後すぐは体が回復していく途中なので、まずは生活の工夫と薬で様子をみるのが一般的です。時期や必要性は状態によって大きく違うため、「産後◯か月から」と一律には決まっていません。授乳を続けたい場合も含めて、肛門科で相談したうえで決めていくことになります。

続けて読みたい関連記事

明るいリビングのソファで穏やかに休む30代女性のイメージ|産褥期に体を労わりながら回復していく時期を表すシーン 産褥期とは?いつまで続く?体の変化・過ごし方・働ける時期まで元看護師がまるごと解説

妊娠後期の女性がソファに座り腰のあたりに軽く手を添えているシーン|妊娠中の痔のイメージ 妊娠中の痔(いぼ痔・切れ痔)はなぜできる?原因と対処法、市販薬の安全性を元看護師が解説

自宅でタブレットを見ながら出産の流れについて調べる妊娠後期の女性のイメージ|会陰切開について知りたいシーン 会陰切開とは?痛みはいつまで・傷跡ケアから保険適用まで元看護師が解説