「悪露って、いつまで続くの?」「産後2週間なのに、まだ赤い」「レバーみたいな塊が出て怖くなった」——出産を終えたばかりの体で、こうした不安を抱えたままスマホで検索している方は本当に多いと思います。まずお伝えしたいのは、悪露は異常ではなく、子宮が元に戻っていく過程で必ず出るものだということです。
はじめまして、ちなみです。元看護師として病院勤務を経験し、現在は妊活・妊娠・子育てを中心に情報発信している男女2児のママです。この記事では、悪露とは何か、いつまで続くのか、色や量はどう変わっていくのか、そして「これは受診したほうがいい」という線引きまで、公的な機関の情報をもとに順を追って整理します。
ちなみ(元看護師)
目次
悪露(おろ)とは?産後に子宮から出てくる分泌物のこと
読み方は「おろ」。血液や分泌物が混ざったもの
悪露は「おろ」と読みます。「あくろ」と読んでしまいそうな漢字ですが、産科では「おろ」です。字面に「悪」が入っているせいで悪いもののように見えますが、出産後の子宮から出てくる分泌物のことで、誰にでも出るものです。
中身は、子宮からの出血に、はがれた細胞や分泌物などが混ざったものです。そのため出はじめは血液そのものに近く見え、日がたつにつれて血の成分が減って、色も量も変わっていきます。
なぜ出るのか——胎盤がはがれた面が治っていく過程
妊娠中、赤ちゃんは胎盤を通して酸素や栄養を受け取っています。その胎盤は赤ちゃんが生まれたあとに子宮の壁からはがれて出てきます。はがれたあとの子宮の内側には、大きな傷の面のような部分が残ります。ここが治っていく過程で出るのが悪露です。
ひざを擦りむいたとき、はじめは血がにじみ、次に透明な液が出て、やがてかさぶたになって治っていきますよね。悪露の色が赤から薄い色へ変わっていくのも、それとよく似た流れだと考えるとイメージしやすいと思います。色が薄くなっていくこと自体が、順調に治っているサインです。
同時に、子宮そのものも妊娠前の大きさに戻っていきます。産後に感じる「生理痛のようなおなかの痛み」は、子宮が縮もうとして収縮しているために起こるもので、この収縮が悪露を押し出す働きもしています。
悪露と生理はどう違う?
見た目が似ているため混同されやすいのですが、成り立ちが違います。
- 悪露…出産で胎盤がはがれたあとの子宮が回復していく過程で出るもの。産後すぐから続き、日がたつにつれて量が減り、色が薄くなっていくのが基本の流れ
- 生理(月経)…排卵のあとに厚くなった子宮内膜がはがれて出るもの。産後しばらくして排卵が戻ってから、周期をもって再びやってくる
つまり、悪露は「だんだん収束していくもの」、生理は「いったん終わってから、あらためて始まるもの」です。産後の出血がどちらなのか迷ったときは、いったん少なくなった期間があったかどうかが一つの手がかりになります。ただし自己判断が難しい場面も多いので、判断に迷うときは産院に相談してください。

悪露はいつまで続く?目安は産後6週間
全体としては分娩後6週間ごろまで続くことがある
MSDマニュアル家庭版は、出産後のおりものについて全体として分娩後6週間後頃まで続くことがあるとしています。「思ったより長い」と感じた方もいるかもしれません。ですが、これは異常ではなく想定されている経過です。
この6週間という期間は、同じくMSDマニュアル家庭版が「妊娠を経て赤ちゃんを分娩してからの6週間の期間を産褥期といい、これは母体が妊娠前の状態に戻るまでの期間」と説明している産褥期(さんじょくき)とちょうど重なります。つまり悪露は、体が妊娠前に戻るまでの期間とほぼ並走して続くものだということです。
終わる時期には大きな個人差がある
「6週間」はあくまで幅のある目安です。産後1か月ほどでほとんど気にならなくなる方もいれば、少量が6週間近くまで残る方もいます。早く終わったから体が丈夫、長く続いたから異常、というものではありません。
大事なのは日数そのものより、向かっている方向です。量が少しずつ減り、色が薄くなっていく方向に進んでいるなら、多少長引いていても経過としては自然です。逆に、いったん減ったのに増えた・薄くなったのに赤く戻った、というときは日数にかかわらず相談してください。
1か月健診がひとつの区切りになる
多くの産院では、産後1か月ごろに母体の健診があります。ここで子宮の戻り具合や悪露の状態が確認されるので、悪露についての心配ごとはこの場で必ず伝えてください。「まだ続いているけれど、こんなものかと思って言わなかった」というのが一番もったいないパターンです。
ただし、あとで挙げる受診サインに当てはまるときは、1か月健診を待つ必要はありません。予約日より前でも、産院に電話して構いません。産後の出血について相談されることは産院にとって日常業務です。
悪露の色と量はこう変わる|赤色からピンク・薄茶色、そして黄色っぽい白へ
ここが、多くの方が一番知りたいところだと思います。MSDマニュアル家庭版の記載にそって、時期ごとの変化を整理します。
産後3〜4日ごろまで:血の混じった赤い悪露
MSDマニュアル家庭版は、出産後は血の混じったおりものが3、4日間続き、血液のかたまりが含まれることもあるとしています。この時期の悪露は見た目がほぼ血液で、「出血が止まらない」と不安になる方が多い時期です。
量の目安について、同マニュアルは出血量は月経時と同じか、それより少ないぐらいと説明しています。つまり、生理の多い日を大きく超えるような出血が続く場合は、この経過から外れているということになります。
その後2週間ほど:ピンク色や薄茶色に変わる
次の段階では、ピンク色または薄茶色になり(漿色悪露)、14日間ほど持続するとされています。血の成分が減っていくため、赤よりも茶色っぽく、水っぽい見た目に近づいていきます。
この時期に「茶色くなったけれど大丈夫?」という心配をされる方がいますが、茶色への変化はむしろ順調に進んでいるしるしです。古い血液が時間をかけて出てくると茶色っぽく見えます。
さらにその後:黄色っぽい白色になって終わりに向かう
最後の段階では、おりものは黄色っぽい白色になり(白色悪露)、最長14日間続くとされています。ここまでくると血の色はほとんどなくなり、普段のおりものに近い見た目になっていきます。
- 産後3〜4日ごろ…血の混じったおりもの。血液のかたまりが含まれることもある。量は月経時と同じか、それより少ないぐらい
- その後14日ほど…ピンク色または薄茶色(漿色悪露)
- さらに最長14日…黄色っぽい白色(白色悪露)
- 全体として…分娩後6週間後頃まで続くことがある
「悪露の写真が見たい」と思ったときに知っておいてほしいこと
自分の悪露が正常かどうか、実物の写真と見比べて確かめたい——そう思って検索する方は少なくありません。ただ、悪露の見た目は個人差が大きく、写真1枚と見比べて正常・異常を判断できるものではありません。同じ人でも、朝と夜、動いたあとと寝起きで見え方が変わります。
そのため本記事でも実物の写真は掲載していません。かわりに判断の軸になるのは、色そのものより「前の日より薄くなる方向に進んでいるか」「量が増えていないか」「においや発熱を伴っていないか」という3点です。どうしても不安なときは、ナプキンの状態をそのまま産院で見せるのが一番確実です。
産後の日数別に見る悪露の目安
「産後2週間なのに赤い」「産後1か月でまだ続いている」といった、日数と結びついた不安はとても多いので、時期ごとに整理しておきます。あくまで目安であり、日数が少しずれること自体は珍しくありません。
- 産後1週間…量が多い時期。赤い悪露から、しだいに色が落ち着いてくるころ。生理の多い日を超える出血が続くときは連絡を
- 産後2週間…ピンク色や薄茶色に変わっているのが基本の流れ。鮮やかな赤に戻るときは相談を
- 産後3週間…色が薄くなり、量も減ってくるころ。赤い悪露が続いているなら1か月健診を待たず相談を
- 産後1か月…少量の黄色っぽい悪露が残っていることはある。健診で必ず状態を伝える
- 産後2か月…悪露としては終わっている時期。出血があるなら、生理の再開か別の原因かを産院で確認する
この表で一番注目してほしいのは日数ではなく、「戻っていないか」です。色が薄くなる方向に進んでいるなら多少ゆっくりでも心配は少なく、赤に戻る・量が増えるという逆方向の変化があるときは、日数が早くても遅くても相談する価値があります。
悪露にレバー状の塊が混じるのは大丈夫?
小さなかたまりが混じること自体はめずらしくない
「レバーのような塊が出た」というのは、産後によく検索される不安のひとつです。MSDマニュアル家庭版は産後3、4日間続く血の混じったおりものについて、血液のかたまりが含まれることもあると記載しています。とくに、横になっていた時間が長かったあとに起き上がると、たまっていた分がかたまりとして出てくることがあります。
私が看護師として働いていたころも、産後まもない方が「かたまりが出た」と青くなって呼ばれることは何度もありました。実際にはその多くが、経過として想定される範囲のものでした。
ゴルフボールより大きいかたまりは医師に連絡
とはいえ、明確な線引きもあります。MSDマニュアル家庭版は、医師に連絡すべき状況としておりものに(ゴルフボールより大きい)血のかたまりが含まれていた場合を挙げています。大きさで判断できる、わかりやすい目安です。
あわせて、量についても目安が示されています。生理用ナプキンに血がしみ込み、1時間ごとに取り替えなければならない状態が2時間以上続く場合は連絡が必要です。この2つは覚えておく価値があります。
- 生理用ナプキンに血がしみ込み、1時間ごとに取り替えなければならない状態が2時間以上続く
- おりものにゴルフボールより大きい血のかたまりが含まれていた
夜間や休日でも、産院には連絡先が用意されています。迷ったら電話して構いません。

悪露と同じ時期に、下腹部がぎゅーっと締めつけられるように痛むことがあります。これは後陣痛といって、子宮が元の大きさに戻ろうとして収縮している痛みです。悪露の変化と後陣痛は、どちらも同じ「子宮が戻っていく過程」で起きていること。いつまで続くのか、痛み止めを使っていいのかは、こちらの記事にまとめました。
後陣痛とは?いつからいつまで続く・どんな痛み・和らげ方を元看護師が解説
動くと悪露が増えるのはなぜ?
たまっていた分が、起き上がったときにまとめて出てくる
「寝て起きたら、どっと出た」「トイレに立ったら急に増えた」というのは、産後によくある体験です。これは横になっている間に子宮や腟に悪露がたまり、体を起こしたときに重力でまとめて出てくるために起こります。
ですから、そのとき出た量が多く見えても、1日を通した量が急に増えたとは限りません。「動いた瞬間に増える」のと「1日の総量が増え続けている」のは別のことだと分けて考えてください。
ただし「動いた日にはっきり増える」なら、休息のサイン
一方で、買い物に出た日・立ち仕事をした日に、はっきりと量が増えたり色が赤く戻ったりすることがあります。これは体がまだ回復の途中で、活動量に追いついていないというサインとして受け取ってください。
産後は、赤ちゃんのお世話に加えて上のお子さんの相手や家事もあり、「休んでいる場合ではない」と感じる方が多い時期です。それでも、悪露は体の状態がそのまま表に出るわかりやすい指標です。赤く戻ったら横になる——それくらいシンプルな基準で、自分の活動量を調整してあげてください。
悪露が終わったと思ったら鮮血が出た——再び出血したときの考え方
いったん減ってから、また出ることはある
「もう終わったと思ってナプキンを外したのに、また鮮血が出た」。これも検索の多い状況です。産後の回復は一直線ではないので、少量が再び出ること自体は起こりえます。
ただし、このときに考えたい可能性が2つあります。ひとつは生理の再開、もうひとつは子宮側になんらかの原因がある出血です。
産後12週までの異常な出血は「後期分娩後異常出血」として扱われる
日本産婦人科医会は、分娩後24時間から12週間の間に発生する異常出血を「後期分娩後異常出血」と説明しています(以前は「(産褥)晩期出血」と呼ばれていたものです)。つまり、出産からしばらくたってからの出血も、医療の側できちんと想定され、名前がついている状態だということです。
その原因として同会が挙げているのは、子宮復古不全(子宮の戻りが十分に進まない状態)、胎盤遺残(胎盤の組織が子宮内に残っている状態)、子宮内膜炎、子宮動脈仮性動脈瘤、先天性血液凝固異常です。いずれも自分では判断できないものばかりで、逆にいえば受診して確かめてもらう以外に確認する方法がないということです。
産後の体の変化として、足のむくみに驚く方も多いです。「象の足みたい」と感じるほど腫れる理由と、片脚だけが腫れたときに気をつけたいことは、こちらの記事で解説しています。
産後のむくみはいつまで続く?「象の足」の原因と受診が必要なサインを元看護師が解説
紙についた血が悪露なのか痔からの出血なのか迷うことがあります。出どころの見分け方と、産後の痔で受診したほうがよいサインは、こちらの記事で整理しています。
産後の痔(いぼ痔・切れ痔)はどれくらいで治る?出たまま戻らないとき・授乳中の薬・受診の目安を元看護師が解説
参考 後期分娩後異常出血 late(secondary)postpartum hemorrhage日本産婦人科医会
生理の再開と決めつけないための目安
再開した生理であれば、量や続き方は普段の生理に近くなります。判断に迷ったときは、次のような点を手がかりにしてください。
- 量が普段の生理より明らかに多い/かたまりが出る
- おなかの痛みや発熱を伴っている
- いったん薄い色まで進んでいたのに、鮮やかな赤に戻った
- だらだらと止まらず、いつまで続くのか見通しが立たない
ひとつでも当てはまるときは、生理と決めつけずに産院へ連絡してください。
ちなみに、産後の発熱の原因は悪露まわりのトラブルだけではありません。授乳を始めて数週間後の発熱については、MSDマニュアルが「しばしば乳腺炎によるものです」と書いています。熱が出たら、悪露と一緒に胸も見てみてください。片側だけ赤い・硬い・熱いという変化があれば、そちらが原因かもしれません。
乳腺炎とは?なりかけのサイン・症状と対処法・授乳を続けていいのかを元看護師が解説
こんな悪露は受診を|におい・発熱・多量の出血
ここまでの内容をふまえて、産後に医師へ連絡すべき状況をまとめます。MSDマニュアル家庭版が挙げているものです。
- 生理用ナプキンに血がしみ込み、1時間ごとに取り替えなければならない状態が2時間以上続く
- おりものにゴルフボールより大きい血のかたまりが含まれていた
- おりものに悪臭がある
- 出産から1週間以内に体温が38度以上になった
においが「いつもと違う」と感じたとき
悪露には血液が含まれるので、生理のときと似たにおいがすること自体は自然です。問題になるのは悪臭——「腐ったようなにおい」「これまでの経血とは明らかに違うにおい」と感じる場合です。
日本産婦人科医会が後期分娩後異常出血の原因として子宮内膜炎を挙げているように、においの変化は子宮の中で感染が起きているサインであることがあります。とくに発熱を伴うときは、様子を見ずに連絡してください。
発熱を伴うとき
MSDマニュアル家庭版は、出産から1週間以内に体温が38度以上になった場合を連絡すべき状況として挙げています。産後は乳房のトラブルでも熱が出ることがあるため、熱の原因を自分で切り分けるのは難しいものです。38度という数字だけを覚えておいて、あとは電話で伝えれば十分です。
なお、産後1週間を過ぎていれば熱が出ても連絡不要という意味ではありません。悪臭のある悪露と発熱が重なっているときは、時期にかかわらず相談してください。
においの変化と同時に熱が出ているときは、子宮の感染が起きている可能性があります。産後の発熱をどう考えるかは、こちらの記事にまとめました。
産褥熱とは?産後の発熱は何度から受診?37度台と38度以上の見分け方を元看護師が解説
「これくらいで連絡していいのかな」と迷ったとき
産後の相談で一番よくないのは、迷った末に連絡しないことです。産院にとって、産後の出血についての電話はごく日常的なものです。看護師として働いていたときも、「早く電話してくれてよかった」と思う場面はあっても、「なぜこんなことで電話してきたのか」と思ったことはありません。
退院時に渡された書類には、たいてい夜間・休日の連絡先が書かれています。産後すぐに、その番号をスマホに登録しておくと、いざというときに迷わずに済みます。
悪露のケア|産褥パッド・ナプキンの使い方と清潔の保ち方
産褥パッドから生理用ナプキンへ、量に合わせて切り替える
産後すぐは量が多いため、入院中は産院で用意された産褥パッド(お産用のパッド)を使うのが一般的です。量が落ち着いてきたら、夜用の大きめの生理用ナプキン、さらに普通サイズ、最後はおりものシートへと、量に合わせて段階的に小さくしていくのが自然な流れです。
サイズ選びに迷ったら、まずは夜用の長めのものを用意しておくと安心です。産後は横になっている時間が長く、背中側に伝わってしまうことがあるためです。ただし「どのサイズが正解」という決まりはなく、自分の量に合っていればそれで十分です。
タンポンや腟洗浄は使わない
これは必ず守ってほしいポイントです。MSDマニュアル家庭版は、出産後少なくとも6週間は、タンポンや腟洗浄器などを含めて腟内に何も入れてはいけませんとしています。
産後の子宮は、内側に胎盤がはがれた面が残っていて、細菌が入り込みやすい状態です。においが気になるからと腟の中を洗いたくなることがありますが、それはかえって感染のリスクを上げてしまいます。ケアは外側を清潔に保つところまでにとどめてください。
かゆみ・かぶれを防ぐには、とにかくこまめに替える
悪露が続く時期に多いのが、パッドによるかゆみやかぶれです。長時間同じパッドを当てていると、蒸れて肌が荒れやすくなります。量が少なくなっても、時間で区切ってこまめに交換することが一番の対策です。
トイレのたびに温水洗浄便座でやさしく洗い流し、こすらずに押さえるように水気を取ると、肌への刺激が減ります。それでもかゆみが強い・赤くなって痛むというときは、自己判断で市販薬を塗る前に産院に相談してください。会陰切開の傷がある方は、傷の状態とあわせて診てもらうのが確実です。
会陰切開とは?痛みはいつまで・傷跡ケアから保険適用まで元看護師が解説
入浴の再開は産院の指示に従う
悪露が続いている間は、湯船につかるのを控えてシャワーで済ませるよう案内されるのが一般的です。いつから入浴してよいかは産院によって案内が異なるため、退院時の説明や1か月健診での指示に従ってください。
「悪露が完全に終わったら」「1か月健診で許可が出たら」など、判断の基準も産院ごとに違います。自己判断で早めに再開せず、健診の場で「もうお風呂に入っていいですか」と一言確認するのが確実です。

帝王切開のあとの悪露はどう違う?
悪露が出るしくみは、お産の方法にかかわらず同じ
「おなかから出産したのに、なぜ出血するの?」という疑問を持つ方がいます。悪露は胎盤がはがれたあとの子宮が回復していく過程で出るものなので、帝王切開でも経腟分娩でも出ます。
色や量の変化のたどり方も基本は同じです。産後3〜4日ごろまで血の混じった状態が続き、しだいにピンク色・薄茶色を経て、黄色っぽい白色へと変わっていきます。
傷の痛みで動きにくく、まとめて出たように感じやすい
帝王切開のあとは、おなかの傷の痛みで起き上がるのに時間がかかります。そのぶん横になっている時間が長くなり、体を起こしたときに悪露がまとめて出てくる場面が増える傾向があります。「急に増えた」と感じやすいのはこのためです。
受診の目安は同じです。ナプキンを1時間ごとに替える状態が2時間以上続く、ゴルフボールより大きいかたまりが出る、悪臭がある、38度以上の熱が出た——このどれかに当てはまるなら連絡してください。あわせて、傷の赤みや腫れ、痛みの強まりも産後の重要なチェックポイントです。
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悪露が落ち着いてくると、次に気になるのが「生理はいつ戻るのか」ではないでしょうか。再開の時期は母乳の与え方で大きく変わりますが、それ以上に知っておいてほしいのは、排卵は月経より先に起こるということです。生理が来る前に妊娠する可能性も含めて、こちらの記事にまとめました。
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1か月健診で「悪露が残っている」と言われたら
1か月健診で「まだ悪露が残っていますね」と言われて不安になる方がいます。ですが、これは多くの場合「引き続き様子をみましょう」という意味の確認であって、そのまま異常を意味するわけではありません。
医師が確かめているのは、子宮が順調に元の大きさに戻っているか、子宮の中に組織が残っていないか、感染の兆候がないか、といった点です。日本産婦人科医会が後期分娩後異常出血の原因として挙げている子宮復古不全や胎盤遺残は、まさにこの場で確認されるものです。
健診では、遠慮せずに今の悪露の色・量・においと、いつから変わったかを具体的に伝えてください。「産後3週間くらいから、また赤っぽくなりました」「動いた日は量が増えます」といった言い方で十分です。次に受診すべきタイミングも、その場で確認しておくと安心です。
産後の体に起こる変化は、悪露だけではありません。産後2〜4か月ごろになると、多くの方が抜け毛の増加に気づきます。いつから始まっていつ落ち着くのか、量の見方、そして「産後だから」で片づけないほうがいいサインについては、こちらの記事にまとめました。
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悪露が続く時期の体と気持ちについて
悪露が続く6週間ほどの時期は、体が回復に専念している期間です。同時に、睡眠が細切れになり、授乳が始まり、生活が一変する時期でもあります。体の回復と気持ちの揺れは、切り離せないものだと思ってください。
この時期に涙もろくなったり、理由もなく不安になったりするのは、産後の女性の多くが経験することです。悪露のような目に見える変化と違って、気持ちの揺れは自分でも気づきにくく、まわりにも伝わりにくいという難しさがあります。気になる方は、こちらもあわせて読んでみてください。
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そして、悪露が長引いていること自体を「自分の休み方が足りなかったせいだ」と責める必要はありません。回復のペースには個人差があります。やるべきことは、経過を見て、目安に当てはまったら連絡する。それだけで十分です。
よくある質問(悪露|FAQ)
Q悪露はいつまで続きますか?
A.MSDマニュアル家庭版は、出産後のおりものについて分娩後6週間後頃まで続くことがあるとしています。産後6週間はちょうど産褥期(さんじょくき)と呼ばれる期間にあたります。ただし終わる時期には個人差があり、1か月ほどで落ち着く方もいれば、6週間近くまで少量が続く方もいます。日にちだけで判断せず、量が増えていないか・色が戻っていないかを目安にしてください。
Q産後3週間たっても悪露が赤いままです。異常でしょうか?
A.悪露は本来、赤色からピンク色・薄茶色へ、さらに黄色っぽい白色へと変わっていきます。いったん薄くなったのに再び赤く戻る/鮮やかな赤色が続いているときは、子宮の戻りが遅れていたり、子宮の中に組織が残っていたりする可能性があります。1か月健診を待たず、産院に電話で相談してください。連絡すること自体は迷惑ではありません。
Q悪露にレバーのような塊が混じりました。受診したほうがいいですか?
A.出産後まもない時期に小さな血のかたまりが混じること自体は、めずらしいことではありません。MSDマニュアル家庭版は、ゴルフボールより大きい血のかたまりが含まれていた場合や、生理用ナプキンに血がしみ込んで1時間ごとに取り替えなければならない状態が2時間以上続く場合は医師に連絡するよう挙げています。この目安に当てはまるときは、様子を見ずに連絡してください。
Q動くと悪露が増えるのはなぜですか?
A.横になっている間に子宮や腟にたまっていた分が、起き上がったときにまとめて出てくるためです。そのとき出た量が多く見えても、1日を通した量が急に増えたとは限りません。ただし、動いた日にはっきり量が増える・色が赤く戻るという場合は、体がまだ休息を必要としているサインとして受け取り、家事や外出を減らしてください。
Q悪露が終わったと思ったら鮮血が出ました。生理でしょうか?
A.産後は、いったん悪露が減ってからまた出血することがあります。生理が再開した可能性もありますが、日本産婦人科医会は分娩後24時間から12週間の間に発生する異常出血を「後期分娩後異常出血」として、子宮復古不全や胎盤遺残などが原因になりうるとしています。量が生理より多い・かたまりが出る・痛みや発熱を伴うときは、生理と決めつけずに産院へ連絡してください。
Q悪露のにおいが気になります。
A.悪露には血液が含まれるため、生理のときと似たにおいがすること自体は自然です。ただしMSDマニュアル家庭版は、おりものに悪臭がある場合を医師に連絡すべき状況として挙げています。「いつもの経血のにおいとは違う」「腐ったようなにおいがする」と感じるとき、とくに発熱を伴うときは、子宮内の感染が起きている可能性があるので受診してください。
Q帝王切開でも悪露は出ますか?
A.出ます。悪露は胎盤がはがれたあとの子宮の回復にともなって出るものなので、お産の方法にかかわらず出ます。帝王切開の場合は手術の傷の痛みで動きにくく、体を起こしたときにまとめて出たように感じることもあります。傷の状態と合わせて、退院時に受けた説明のとおりに経過をみてください。
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