妊娠中の生ものはどこまでOK?寿司・刺身・チーズ・生ハムの判断基準を元看護師が解説

テーブルに並べられた白い皿とカトラリーのイメージ|妊娠中の生ものの食べ方

「妊娠中はお寿司はだめ」「チーズもだめらしい」——そう聞いて、外食の誘いを断ってしまったことはありませんか。

私も妊娠中、友人に回転寿司に誘われて、行っていいものかわからず固まったことがあります。調べても「避けましょう」としか書いていなくて、じゃあ何なら食べられるのか、そこがわからない。困りますよね。

この記事では、元看護師で2児の母である私「ちなみ」が、寿司・刺身・チーズ・生ハム・生卵など、迷いやすい食べ物をひとつずつ、食べられる/控えたいの判断基準つきで整理しました。

先に結論を書きます。「生ものは全部だめ」ではありません。気をつけるポイントは3つだけで、そこさえ押さえれば、外食もお寿司も楽しめます。

妊娠中の生もの、結論から——「全部だめ」ではありません

気にするのは、たった3つ

妊娠中に生ものが話題になる理由は、ぜんぶ「感染症のリスク」に集約されます。具体的には次の3つです。

  1. リステリア——加熱せずに食べる食品で増える細菌。妊婦はリスクが高いグループ
  2. トキソプラズマ——加熱不十分な豚や羊などの肉、猫の糞便から感染する寄生虫
  3. そのほかの食中毒——アニサキス、サルモネラ、腸炎ビブリオ、ノロウイルスなど

逆に言えば、この3つを避けられる食べ方なら問題ありません。「生」という字がついているかどうかではなく、この3つに当てはまるかどうかで判断してください。

加熱すれば、ほとんどのものが食べられます

いちばん大事な原則がこれです。リステリアもトキソプラズマもアニサキスも、しっかり加熱すれば死滅します。

つまり「生ハムは食べられない」のではなく「生のまま食べるのを控える」だけ。ピザに載せて焼けば食べられますし、チーズもグラタンにすれば問題ありません。

この発想の切り替えができると、妊娠中の食事はぐっと楽になります。

迷いやすい食べ物 早見表

食べ物判断理由
お寿司(加熱ネタ・巻きもの)食べられます生魚でなければリスクは低い
お寿司・刺身(生魚)控えめにアニサキス・食中毒。種類と鮮度で考える
プロセスチーズ食べられます加熱殺菌されている
ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)控える/加熱してリステリア
生ハム控える/加熱してリステリア・トキソプラズマ
スモークサーモン控える/加熱してリステリア
パテ・テリーヌ控えるリステリア
生卵・半熟卵控えめにサルモネラ
ローストビーフ・レアステーキ控えるトキソプラズマ
生牡蠣控えるノロウイルスなどの食中毒
生野菜・サラダよく洗えば食べられますトキソプラズマ・土由来の菌

ちなみ(元看護師)

この表を1回見ておくだけで、お店でメニューを開いたときの迷いがずいぶん減りますよ。

気をつけたい菌・寄生虫を、先に整理しておきましょう

リステリア——冷蔵庫の中でも増える菌

リステリア(リステリア・モノサイトゲネス)は、加熱していない食品や、そのまま食べられる調理済み食品で問題になる細菌です。

原因になりやすいのは、未殺菌乳、ナチュラルチーズなどの乳製品、野菜、生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンなどの魚介類加工品とされています。

この菌のやっかいなところは、低い温度でも増えられることです。「冷蔵庫に入れておいたから安心」とは言えません。長く冷蔵していて、加熱せずにそのまま食べる食品ほど注意が必要になります。

妊婦さんと赤ちゃん、乳幼児、高齢者、免疫の働きが下がっている方はリスクが高いグループとされ、妊娠中に感染すると胎児に重い影響が出ることがあると説明されています。

参考 リステリア・モノサイトゲネス(細菌)農林水産省

過度に怖がらないでほしいこと
リステリア症は、日本国内での報告はほとんどありません。「気をつけたほうがいい」というのは事実ですが、「日本で普通に暮らしていると高い確率で起きる」という話ではありません。加熱すれば死滅するので、対策もはっきりしています。

トキソプラズマ——肉と、猫と、土

トキソプラズマは寄生虫の一種で、加熱が不十分な豚や羊などの肉、そして猫の糞便に含まれていることがあり、それが口に入ることで感染します。

妊娠中に初めて感染した場合に、赤ちゃんに影響が出ることがあると言われています。以前に感染したことがある方は、免疫があるため心配は少ないとされています。

対策は食べ物だけではありません。

  • 肉は中心部までしっかり加熱する
  • 猫のトイレ掃除は、できれば家族に代わってもらう。自分でするなら手袋をして、あとで手を洗う
  • ガーデニングや土いじりのあとは、必ず手を洗う
  • 公園の砂場は、猫が糞をすることがあるので注意する
  • 生肉を切ったまな板・包丁は、よく洗ってから他の食材に使う
  • 生野菜はよく洗う

アニサキス——生の魚介にいる寄生虫

アニサキスは、サバ・アジ・イカ・サンマ・カツオなどの魚介類に寄生する虫です。これは妊婦さんに限った話ではなく、誰にでも起こる食中毒ですが、妊娠中は激しい腹痛が起きること自体が負担になります。

厚生労働省が示している予防方法は明確です。

方法条件
加熱する70℃以上、または60℃なら1分
冷凍するマイナス20℃で24時間以上

酢じめ・塩漬け・わさび・しょうゆでは死にません
よくある誤解です。一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、しょうゆやわさびを付けても、アニサキスの幼虫は死滅しません。「しめさばだから大丈夫」は成り立ちません。

参考 アニサキスによる食中毒を予防しましょう厚生労働省

サルモネラ・腸炎ビブリオ・ノロウイルス

生卵にはサルモネラ、生の魚介類には腸炎ビブリオ、二枚貝(とくに生牡蠣)にはノロウイルスの食中毒リスクがあります。

これらも赤ちゃんに直接影響するというより、ママが激しい嘔吐・下痢を起こすこと自体が妊娠中は負担になるという理解でよいと思います。脱水は妊娠中に避けたい状態です。

まな板と包丁を置いた清潔なキッチンのイメージ|妊娠中の食材の扱い方を表すシーン

お寿司は食べていい?

結論:生魚を避ければ、お寿司自体は食べられます

「妊娠中はお寿司禁止」と思い込んでいる方が多いのですが、お寿司という食べ物が禁止されているわけではありません。問題になるのは、ネタが生魚であることだけです。

つまり加熱されているネタや、魚を使わないネタを選べば、お寿司屋さんに行っても大丈夫ということです。

加熱されているネタ・魚以外のネタ

回転寿司にも、加熱済みのネタはたくさんあります。

  • えび(ゆでえび)・穴子・うなぎ——加熱されています
  • 玉子・いなり——定番の安心ネタ
  • かに風味かまぼこ・ツナマヨ——加熱済みの加工品
  • 納豆巻き・かんぴょう巻き・きゅうり巻き——生魚を使いません
  • 茶碗蒸し・あら汁・かけうどん——サイドメニューも充実しています

こうして並べると、お寿司屋さんは意外と選択肢が多いことがわかります。断らずに行って、食べられるものを頼めば十分楽しめます。

生魚のネタで気をつけること

生魚を食べる場合に考えるのは、次の2つです。

  1. アニサキス・食中毒のリスク——鮮度と、店の衛生管理に左右されます
  2. 水銀の量——マグロなど大きな魚は、種類と量の話になります

「絶対にだめ」ではありませんが、妊娠中はあえてリスクを取る必要もないというのが正直なところです。とくに妊娠中は食中毒を起こしたときに使える薬が限られるので、そこは頭に置いておいてください。

マグロなど大きな魚は「量」の話です

マグロ・キンメダイなどの大きな魚は、メチル水銀を多く含むことがあるとされています。ただしこれは「食べてはいけない」ではなく、種類と量の話です。

いわし・さば・さんま・ツナ缶などは、とくに制限なく食べてよいとされています。いろいろな種類の魚をまんべんなく食べるのがいちばんの対策です。

魚の種類ごとの目安については、こちらの記事でくわしく整理しています。

妊娠中の女性が食卓でさまざまな食べ物を前に穏やかに考えているシーン|妊娠中に食べてはいけないものの選び方のイメージ 妊娠中に食べてはいけないものは?避けたい食べ物の一覧と理由を元看護師ちなみが解説

回転寿司・スーパーのパック寿司のとき

お店で食べる場合と、買って帰る場合では気をつける点が少し違います。

  • 回転寿司——レーンを長く回っているものより、注文して出てきたものを選ぶ
  • スーパー・持ち帰り——買ったらすぐ食べる。常温で持ち歩く時間を短くする
  • 翌日まで置いたもの——生魚は避ける。加熱ネタでも早めに

夏場はとくに、買ってから食べるまでの時間を意識してください。

刺身はどうですか?

「絶対だめ」ではないけれど、優先度は下げたい

刺身についても、公的機関が「妊婦は禁止」としているわけではありません。ただ加熱という対策が使えないぶん、リスクを下げる手立てが「鮮度を選ぶ」しか残らないのが弱いところです。

私自身は、妊娠中は刺身の優先度を下げていました。「食べたら大変なことになる」と思っていたからではなく、10か月のあいだ、わざわざ心配の種を増やしたくなかったというだけの理由です。

食べるなら、こう選ぶ

  • 信頼できるお店で、その日のうちに——鮮度がすべてです
  • 一度冷凍された表示のあるもの——マイナス20℃で24時間以上の冷凍でアニサキスは死滅します
  • 量はほどほどに——毎日は避ける
  • 体調のよくない日は食べない——胃腸が弱っているときは避けます

生牡蠣は避けたほうが無難です

二枚貝、とくに生牡蠣はノロウイルスの食中毒が起こりやすい食品です。ノロウイルスによる嘔吐・下痢はかなり激しく、妊娠中の体には大きな負担になります。

牡蠣自体は栄養価の高い食材なので、しっかり加熱して食べるのがおすすめです。加熱用と表示のあるものは、必ず火を通してください。

どうしても食べたくなったとき

妊娠中に無性に食べたくなるもの、ありますよね。私も下の子のとき、急にお寿司が食べたくなって困りました。

そういうときは「絶対だめ」と自分を縛るより、リスクの低い形に置き換えるほうがうまくいきます。加熱ネタのお寿司を食べに行く、焼き魚の定食にする、漬けにして炙ってもらう。我慢のストレスも、妊娠中には無視できない負担です。

和食器と箸を並べたテーブルのイメージ|妊娠中の外食でメニューを選ぶシーン

チーズはどこまで大丈夫?

プロセスチーズは問題ありません

まず安心してほしいところから。スライスチーズ・6Pチーズ・ベビーチーズなどのプロセスチーズは、加熱殺菌して作られているので、そのまま食べて問題ありません。

日本のスーパーで売られているチーズの多くはこのタイプです。「チーズ全般がだめ」と思って全部やめてしまう必要はまったくありません。

注意したいのは「加熱殺菌していないナチュラルチーズ」

気をつけるのは、殺菌していない乳(未殺菌乳)から作られたナチュラルチーズです。リステリアの原因食品として挙げられているのは、このタイプです。

ここで大事なのは、「ナチュラルチーズ=だめ」ではないということ。日本で市販されているナチュラルチーズの多くは、殺菌した乳から作られています。問題になるのは、あくまで未殺菌乳を使ったものです。

パッケージのどこを見ればいい?

見るのは2か所です。

  1. 「種類別」の表示——「プロセスチーズ」ならそのまま食べられます。「ナチュラルチーズ」なら次へ
  2. 原材料表示——「生乳(殺菌)」「加熱殺菌済み」などの記載があるか確認します

輸入品のソフトタイプ(白カビ・ウォッシュ・青カビなど)には、殺菌していない乳を使ったものがあります。表示がわからない、確認できないものは、加熱して食べるのがいちばん確実です。

加熱すれば食べられます

繰り返しになりますが、リステリアは加熱で死滅します。

  • ピザに載せて焼く
  • グラタン・ドリアにする
  • チーズトーストにする
  • リゾットやパスタに溶かし込む

「妊娠中はチーズを我慢していた」という方が多いのですが、加熱すれば食べられるので、我慢しすぎないでください。

チーズ別の考え方

チーズ考え方
プロセスチーズ(スライス・6P・ベビー)そのまま食べられます
ピザ用シュレッドチーズ加熱して使うので問題ありません
モッツァレラ・クリームチーズ・カッテージ殺菌乳のものが多い。表示を確認。不安なら加熱を
カマンベール・ブリーなどの白カビ未殺菌乳のものがあります。表示を確認。加熱すれば食べられます
ゴルゴンゾーラなどの青カビ未殺菌乳のものがあります。加熱して使うのが無難
パルメザン(粉チーズ)料理にかけて使うぶんには問題になりにくい

生ハム・スモークサーモン・パテ

生ハムは、2つのリスクが重なります

生ハムは、リステリアとトキソプラズマの両方に関わる食品です。加熱していない食肉加工品であること、そして豚肉であることの2点からです。

妊娠中は、生のまま食べるのは控えておきましょう。ただし火を通せば食べられます。ピザに載せて焼く、パスタに炒めて入れる、といった使い方なら問題ありません。

スモークサーモンは「加熱していない食品」の扱い

「燻製にしてあるから加熱済みでは?」と思われがちですが、一般的なスモークサーモンは冷燻といって、加熱にあたらない温度で作られます。そのためリステリアの原因食品として挙げられています。

こちらも加熱すれば問題ありません。ムニエルやホイル焼きにすれば、おいしく食べられます。

パテ・テリーヌ・レバーペースト

肉や魚のパテ・テリーヌも、リステリアの原因食品として名前が挙がっています。

加えてレバーを使ったものはビタミンAが多いので、妊娠中は別の意味でも量に気をつけたい食品です。前菜で出てきたときは、少量にとどめるか、パスしておくのが無難です。

加熱して食べる工夫

生ハム・スモークサーモンの食べ方の置き換え
生ハムメロン→ 生ハムを軽く炒めてサラダのトッピングに
生ハムのサラダ→ ベーコンをカリカリに焼いて代わりに
スモークサーモンのカルパッチョ→ サーモンのムニエル、またはホイル焼きに
チーズの盛り合わせ→ プロセスチーズ、または焼きチーズに
焼き上がったグラタン皿のイメージ|妊娠中は加熱して食べれば安心なことを表すシーン

そのほか、迷いやすいもの

生卵・半熟卵・自家製マヨネーズ・ティラミス

生卵にはサルモネラのリスクがあります。日本の卵は衛生管理が行き届いていますが、妊娠中はしっかり火を通したものを選ぶほうが安心です。

気をつけたいのは、意外なところに生卵が入っていることです。

  • すき焼きのつけ卵、卵かけごはん
  • 自家製マヨネーズ、シーザードレッシング
  • ティラミス、ムース、生チョコ、自家製アイスクリーム
  • 半熟の目玉焼き、温泉卵、とろとろのオムライス

市販のマヨネーズやアイスクリームは殺菌された卵を使っているので、そちらは心配いりません。手作りのもの・お店の自家製のものに気をつけてください。

ローストビーフ・レアステーキ

中心が赤いままの肉は、トキソプラズマの観点から控えたいグループです。ローストビーフ、レアやミディアムレアのステーキ、たたき、ユッケ、レバ刺しなどが該当します。

お店でステーキを頼むときは、「ウェルダンで」とお願いすれば大丈夫です。恥ずかしがらずに伝えてください。

生野菜・カット野菜・サラダ

生野菜そのものが危険というわけではありません。ただし土に触れていた野菜には、トキソプラズマや土由来の菌が付いていることがあるので、よく洗ってから食べてください。

外食のサラダバーや、長く置かれたビュッフェのサラダは、洗浄状態や保管時間がわからないぶん、優先度を下げておくと安心です。

未殺菌の牛乳・乳製品

牧場などで売られている未殺菌の牛乳(生乳)は、リステリアの原因食品として名前が挙がっています。市販の牛乳は加熱殺菌されているので問題ありません。

外食のときの、現実的な選び方

和食・寿司店

選択肢がいちばん多いジャンルです。焼き魚・煮魚の定食、天ぷら、茶碗蒸し、うどん、そば。お寿司なら加熱ネタと巻きもので十分楽しめます。

イタリアン・フレンチ

前菜に注意が集まるジャンルです。生ハム・カルパッチョ・パテ・レアのローストビーフが並びやすいので、前菜はスープやマリネ(加熱したもの)を選ぶと安心です。

メインは、パスタ・ピザ・グリル料理なら問題ありません。ピザは焼いてあるので、生ハムが載っていても加熱されていれば大丈夫です。

ビュッフェ・立食パーティー

じつはいちばん注意したいのがここです。長時間そのまま置かれている料理が多く、温度管理も見えません。

選ぶなら、温かい料理を、できたてのタイミングで。冷たいオードブル・生ハムの盛り合わせ・サラダ・デザートのムース類は、優先度を下げておくのが無難です。

お店の人に聞いていいこと

遠慮しなくて大丈夫です。妊娠中だと伝えれば、たいていのお店は対応してくれます。

  • 「妊娠中なので、生ものを外していただけますか」
  • 「これは加熱してありますか」
  • 「ステーキはウェルダンでお願いします」
  • 「このチーズは加熱殺菌したものですか」

飲み物についても同じです。ノンアルコール・ノンカフェインの選択肢は、聞けば出してくれることが増えています。

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「食べてしまった」と気づいたとき

すぐに何かが起きるわけではありません

生ハムを食べたあとで気づいた、外食でカルパッチョが出て食べてしまった——よくあることです。

まず落ち着いてください。これらの食品を1回食べたからといって、必ず感染するわけではありません。リステリア症は日本国内での報告がほとんどないほどまれですし、トキソプラズマも、食べた全員が感染するわけではありません。

確率としては、ほとんどの場合、何も起きずに終わります。

見ておきたい体調のサイン

とはいえ、しばらくは体調に気を配っておくと安心です。次のような症状があれば、様子を見ずに相談してください。

  • 発熱——インフルエンザのような、熱とだるさ、筋肉痛
  • 激しい腹痛——アニサキスは食後数時間で強い痛みが出ることがあります
  • 繰り返す嘔吐・下痢——脱水が心配です
  • 頭痛・首のこわばり
  • おなかの張りや出血

受診の目安

迷ったときはかかりつけの産院に電話で相談するのがいちばん早いです。「昨日これを食べてしまって」と具体的に伝えれば、様子を見ていいのか、来たほうがいいのか教えてもらえます。

健診のときに聞くのでも構いません。不安を抱えたまま何週間も過ごすより、聞いてしまったほうが早いです。責められることは絶対にありませんので、正直に話してください。

ちなみ(元看護師)

看護師時代、「怒られると思って言えなかった」という方が本当に多かったんです。医療者は責めるためにいるわけではありません。安心してもらうために聞いています。

妊娠中の生ものとの付き合い方

この記事の要点
  • 気にするのはリステリア・トキソプラズマ・そのほかの食中毒の3つだけ
  • しっかり加熱すれば、ほとんどのものが食べられます。「食べない」ではなく「加熱して食べる」
  • お寿司は禁止ではありません。加熱ネタと巻きものを選べば、お店に行っても大丈夫
  • プロセスチーズは問題なし。注意するのは未殺菌乳のナチュラルチーズ。表示を確認する
  • 生ハム・スモークサーモン・パテは生のままを控える。加熱すれば食べられます
  • アニサキスは酢・塩・しょうゆ・わさびでは死にません。加熱か冷凍のみ
  • ビュッフェの冷たい料理は、置かれた時間が読めないので優先度を下げる
  • 食べてしまっても、ほとんどの場合は何も起きません。発熱・激しい腹痛があれば産院へ

妊娠中の食事の話は、どうしても「あれもだめ、これもだめ」と聞こえてしまいます。でも実際には、禁止されているものはほとんどなく、その多くは「加熱すれば食べられる」ものです。

大事なのは、我慢の量を増やすことではなく、納得して選べるようになることだと思います。この記事の早見表を1回見ておけば、次に外食に誘われたとき、あなたはもう迷いません。ぜひ、行ってきてください。

よくある質問

Q妊娠中、お寿司は食べてはいけませんか?

A.お寿司という食べ物が禁止されているわけではありません。問題になるのは生魚のネタだけなので、えび・穴子・うなぎ・玉子・いなり・納豆巻きなどの加熱ネタや魚を使わないネタを選べば、お寿司屋さんに行っても大丈夫です。生魚を食べる場合は、鮮度のよいものを選び、回転レーンを長く回っているものより注文して出てきたものを選んでください。

Q妊娠中、チーズは全部だめですか?

A.いいえ。スライスチーズや6Pチーズなどのプロセスチーズは加熱殺菌されているので、そのまま食べて問題ありません。注意が必要なのは、殺菌していない乳から作られたナチュラルチーズです。パッケージの「種類別」と原材料表示で加熱殺菌の有無を確認してください。わからない場合でも、ピザやグラタンにして加熱すれば食べられます。

Q生ハムを食べてしまいました。どうすればいいですか?

A.1回食べたからといって必ず感染するわけではありません。リステリア症は日本国内での報告がほとんどないほどまれで、ほとんどの場合は何も起きずに終わります。ただし数週間は体調に気を配り、発熱・だるさ・筋肉痛といったインフルエンザのような症状や、激しい腹痛、おなかの張りがあれば、様子を見ずにかかりつけの産院に電話で相談してください。

Qしめさばや酢じめなら、アニサキスは大丈夫ですか?

A.大丈夫ではありません。厚生労働省は、一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、しょうゆやわさびを付けてもアニサキスの幼虫は死滅しないと明記しています。確実な方法は加熱(70℃以上、または60℃で1分)か冷凍(マイナス20℃で24時間以上)だけです。「一度冷凍された」と表示のあるものは、その点では安心材料になります。

Qローストビーフやレアステーキは食べられますか?

A.中心が赤いままの肉は、トキソプラズマの観点から控えたいグループです。ローストビーフ、レア・ミディアムレアのステーキ、たたき、ユッケ、レバ刺しなどが該当します。お店では「ウェルダンでお願いします」と伝えれば対応してもらえます。肉は中心部までしっかり火を通すことが、いちばん確実な対策です。

Q生野菜やサラダも避けたほうがいいですか?

A.生野菜そのものが危険なわけではなく、よく洗ってから食べれば問題ありません。土に触れていた野菜には、トキソプラズマや土由来の菌が付いていることがあるためです。ただし外食のサラダバーや、長時間置かれたビュッフェのサラダは、洗浄状態や保管時間がわからないので優先度を下げておくと安心です。

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